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「イスラム国」事件利用で改憲と自衛隊海外派兵を狙う安倍首相は日本国民をテロの脅威にさらした(1)
2015年2月3日、安倍晋三首相は参院予算委員会で、邦人人質事件を踏まえた上で、自衛隊任務の拡大も視野に入れた憲法9条改正に対して意欲を示しました。
これは、日本の極右政党である次世代の党・和田政宗氏による
「外国で拘束された日本人をいかなる場合も救出できるよう9条を改正すべきだ」
との質問に対する答弁として言及されたものです。
この答弁の中で安倍首相は
「わが党はすでに憲法9条の改正案を示している。なぜ改正するかと言えば、国民の生命と財産を守る任務をまっとうするためだ」
と述べて、憲法改正に意欲を示したのです。また
「今後、さまざまな事態にどう対応していくか」
が問題になるとして、
「その中で9条をどう考えていくべきか」
と言いだしたのです。
さらに、「イスラム国」支配地域のように、国家が支配していない地域において邦人救出が求められる局面についても、
「警察権の行使として、自衛隊も含めて、邦人を救出するうえでは、受け入れ国の了承があり、国に準ずる武装組織がないというなかで、可能にしていくための法改正を準備している」
と発言しました。
故郷に帰れなかった後藤さんを利用して自衛隊を海外派兵してはならない。安倍さん、その涙は本物ですか。
そして、さらに安倍首相が改憲に向けて大きく足を踏み出しました。
憲法9条改正への意欲を示したその答弁の翌日、2月4日、安倍首相は官邸で自民党の船田元・憲法改正推進本部長と会談し、憲法改正について初めて具体的な時期を明言したのです。船田氏が
「議論の進み具合を考えると参院選後になるのではないか」
と指摘すると、
「それが常識だろう」
と、いつの間にか憲法「改正」の日程が来年2016年夏であることが既定路線であるかのように断言したのです。
安倍首相はご存じの通り「改憲は私の大きな目標であり信念」という言葉を繰り返し、「戦後レジーム」からの脱却に強い意欲を見せてきたわけですが、改憲の具体的な時期を明らかにしたのは初めてのことです。
「イスラム国」事件勃発により、まさに機は熟した!ということなのでしょう。
なにしろ、読売新聞の2015年2月7日付け内閣支持上昇58%、人質対応を評価…読売調査という記事によると今回の安倍内閣の支持率は58%で、前回調査(1月9~11日)の53%から5ポイント上昇し、「イスラム国」による日本人人質事件を巡る政府の対応が「適切だった」と思う人は55%で、「そうは思わない」の32%を上回っています。
さらに、イスラム国対策として中東諸国への「人道支援」をさらに拡充するという安倍首相の方針についても「賛成」が63%で、「反対」は26%にとどまった、というわけで、読売新聞によると「人質事件への対応が評価されたことが、内閣支持率を押し上げたとみられる。」というのです。
むしろ、同事件に対する安倍政権の対応は「人質見殺し」といえるほど杜撰でお粗末なものだっただけに、国民のお気楽さは手の付けようがないレベルなのですから、安倍首相ならずともチャンス到来と考えるのが自然です。
「イスラム国」事件 最初からやる気のない安倍政権はすでに日本人人質を見捨てている
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安倍首相と船田本部長との会談でわかることは、来年2016年夏の参議院選挙が終わった後、衆議院と参議院の改憲発議を経て、2016年末または2017年初めに賛否を問う国民投票が実施される可能性が高いということです。
2014年12月の総選挙で圧勝した自民党は、公明党と合わせた衆議院議席数が325議席)で、改憲発議に必要な3分の2議席(317席)を超えています。
問題は参議院で、2015年1月に月就任した岡田克也民主党代表が「安倍政権とは改憲議論をしない」と明らかにしています。現在では民主党を除けば参議院で改憲発議の3分の2議席(162議席)の確保が不確定です。
このため安倍首相は改憲するかどうかを2016年の参議院選挙の争点として前面に出し、国民の関心を高める戦略に出るでしょう。ひょっとしたら、来年夏に衆参同時選挙に打って出るかもしれません。
船田本部長は安倍首相に会った後、記者らに対し、
「今月中に自民党憲法改正推進本部総会を開き、党内改憲議論を本格化する計画」
「一度に(憲法を)すべて変えるのは無理であるだけに、何度かに分けて改正するのがよい」
と報告したと語りました。
船田さんとはこんなことを言っている「憲法改正推進本部長」さんです。
では、安倍政権は何を憲法「改正」日程の最初に持ってくるでしょうか。
自民党は2014年秋の衆議院憲法審査会で最初の改憲の対象項目を整理しました。
その中で、大規模な災害や有事の際の個人の権利を制限する緊急事態条項、国家と国民の環境の保全に対する責任を規定した環境権条項など、国民を比較的容易に説得できる3項目を選定しています。
その中でも、緊急事態条項については、共産党を除いた野党の反対意見は出てこなかったのです。
東日本大震災の記憶がまだ新しく、あらたに「イスラム国」事件が起こった今、安倍政権が「国家の緊急事態において国民の生命と財産を守るためにどうしても必要だ」と訴えて、憲法に緊急事態条項を創設すると言い出す可能性は事情に高いと思います。
これに対して野党の反応はどうかというと、枝野「ただちに人体への影響はない」幸夫民主党幹事長が、緊急事態条項は検討に値すると言い出して、のけぞってしまいました。
いや、あのね、戒厳令はダメだが緊急事態条項は良いって、自民党が狙っているのは戒厳令に決まっているでしょ?
そんな毒まんじゅうを自ら喰らいにいくような野党でどうするんですか。
この人、司法研修所同期なんですが、法律家ってつくづく政治家に向いていないと思います。頭も人柄も悪い人ではないんですが。
<緊急事態条項>枝野幹事長「戒厳令はだめ」も、議論可能と 毎日新聞 2015年2月6日(金)19時0分
民主党の枝野幸男幹事長は6日、TBSのCS番組で、大規模災害時の「緊急事態条項」を憲法に設けることについて「政府が何でもできる戒厳令はだめだが、衆参両院の任期満了が迫っていて、東日本大震災のようなことが起きたときに実際に選挙ができるのか」と述べ、議論は可能との認識を示した。
では、安倍自民党がどのような憲法を「創ろう」としているのか。今まであまり触れてこなかった緊急事態条項を見たいと思います。
見ていただければ、緊急事態宣言=戒厳令そのものだとよくわかっていただけると思います。枝野さんのようないいとこ取りなんてできるわけがないのです。
さて、第一次安倍政権で作られた自民党改憲案の緊急事態条項は、98条でどういう場合が緊急事態宣言を出す場合かという要件、99条が宣言が出た場合になにができるかという効果(なんと国民の人権をも制限できる)を規定していますので、それぞれ見てみたいと思います。
安倍自民党の「日本国憲法改正草案」の恐怖1 緊急事態条項=戒厳令の明記
第98条第1項
内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。
(cf 明治憲法第14条 天皇ハ戒厳ヲ宣告ス
2 戒厳ノ要件及効力ハ法律ヲ以テ之ヲ定ム)
さて、自民党憲法の「緊急事態」の定義は明治憲法と同じく法律に委任しており、いくらでも拡大可能なことをまず押さえなければなりません。
また、「特に必要があると認めるとき」は、閣議で決するとされていますが、これは1分1秒の緊急性を想定しているものではない(自民党「日本国憲法改正草案Q&A 以下Q&A」以下「Q&A」と表記。および解説)ということなので、閣議にかけずに総理がいきなり緊急事態を宣言できる場合が多数ありえます。
さらに自民党は大規模自然災害(東日本大震災レベル)でも緊急事態宣言可能(Q&AP30・解説)としており、津波や地震でも緊急事態を宣言できます。原発事故が起こり、2万人近くが亡くなった大災害ではありましたが、かの大震災でさえ、国民の自由と人権を制限できる緊急事態宣言は必要ありませんでした。
とくに福島原発事故処理のまずさは、総理大臣に権限がなさ過ぎたから起きたのではなく、権限の使い方に問題があっただけなのですから。
まして、国民の自由と人権を制限するなど、改善の方向性がまるで逆です。
第98条第2項
緊急事態の宣言は、法律の定めるところにより、事前又は事後に国会の承認を得なければならない。
国会の承認は必要とされていますが、緊急事態宣言を政府が先にしてしまって、国会の承認は後、というのでもありになっています。
(第3項、第4項省略)
第99条第1項
緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。
戦前の天皇の緊急勅令そっくりの内閣の緊急政令制度を導入した非常に恐ろしい条文です(Q&AP31・解説)。
cf 明治憲法
第8条 天皇ハ公共ノ安全ヲ保持シ又ハ其ノ災厄ヲ避クル為緊急ノ必要ニ由リ帝国議会閉会ノ場合ニ於テ法律ニ代ルヘキ勅令ヲ発ス
第70条 公共ノ安全ヲ保持スル為緊急ノ需要アル場合ニ於テ内外ノ情形ニ因リ政府ハ帝国議会ヲ召集スルコト能ハサルトキハ勅令ニ依リ財政上必要ノ処分ヲ為スコトヲ得
この緊急政令は法律と同じ効力を持ちますが、どのように出すかは憲法に規定せず法律に委任されてしまっています。そして、たとえば、緊急政令によって、9条の2に関連する国防軍の組織等、98条の緊急事態宣言の要件、国会承認の方法、国民に対する指示遵守法制等も改変が可能になります。
これでは従前の法制は、緊急事態宣言によって容易に無意味化・無力化するのです。また、いくらでも国防軍の出番を創れるので、まさに軍事戒厳令になりうるのです。
さらに、自民党は災害対策基本法・国民保護法の国会閉会中の緊急政令制度は、緊急事態宣言に対応することになるとしているので、国会開会中の緊急政令も法制上可能になります(解説)。それでは国会が開会していて法律を作れるのに法律と同効力の緊急政令を内閣がポンポン出せることになります。
また、そもそも、緊急政令と法律の内容が矛盾する場合の解決も決まっておらず、この憲法案が思いつき程度であることがよくわかる規定です。
総選挙の争点5 安倍自民党のトンデモ改憲案は大日本帝国憲法より醜い封建主義憲法です
片山さつき議員は大学の先輩だし、オレは周りに恵まれてない(笑)
なにが「緊急事態」とされて国民の自由が制限されるか予測もつかない。
第99条第2項 前項の政令の制定及び処分については、法律の定めるところにより、事後に国会の承認を得なければならない。
事後承認しかありません。
第99条第3項 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。
武力攻撃事態法よりも協力努力義務から遵守義務へと国民の義務を強化しています。国民保護法で国民に協力努力義務しか課せなかったことから、憲法で遵守義務を課したものです。
cf 国民保護法
第四条 国民は、この法律の規定により国民の保護のための措置の実施に関し協力を要請されたときは、必要な協力をするよう努めるものとする。
2 前項の協力は国民の自発的な意思にゆだねられるものであって、その要請に当たって強制にわたることがあってはならない。
これについて、自民党は
「大きな人権(国民の生命、身体及び財産)のためには、小さな人権は制限されることがあり得る」
(Q&AP33・解説)としていますが、大きな人権と小さな人権だなんて議論は憲法学会にはありません。何を言っているのでしょうか。
平等権、思想良心の自由、信教の自由、表現の自由などなどは生命・身体・財産に入りませんが、これらが小さな人権ですか?
そもそも、憲法は自由と人権を守るために、国家権力の濫用を防ぐためにあります(立憲主義)。大事な人権を小さな人権などと文字通り矮小化して、国家権力の濫用を促すこの自民党改憲案は近代立憲主義にもとる現代最悪の憲法案です。
総選挙の争点7 安倍自民党の「憲法改正」案なら基本的人権の保障は大日本帝国憲法に逆戻りする
第99条第4項 緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる。
緊急事態宣言の期間中は、不解散により衆議院議員の身分を保障し、緊急事態宣言の期間中は参議院議員の任期延長により身分を保障する可能性があります。一見、選挙をしてるヒマがない、また国会重視のようですが、緊急事態宣言を出すような内閣を選んだ議員の身分がずっと保証される危険性があります。
また、Q&AP33や解説では、緊急事態下でも総選挙の施行が必要であれば、何らかの方法で実施することになるとしていますが、解散できないのですから総選挙はあり得ず、完全に条文の文言と矛盾しています。もっとよく考えてから憲法案を書けと言いたいです。
というわけで、なにより、この憲法案は杜撰です。創設当時から自主憲法制定を綱領に掲げる自民党として、お粗末この上ありません。そして、立憲主義を全く理解しない憲法案という言語道断な存在であり、国民の人権を保障するという観点がきわめて弱い国家主義的な、悪い意味で今の自民党らしい改憲案といえるでしょう。
自民党は、浜岡原発の運転を停めさせた菅首相の行政指導でさえ強権的だと批判しました。つまり、今の憲法や法体系でも十分内閣総理大臣の権限は強力です。なのに、なぜ、そのうえまだ国民の人権を停止するような緊急事態宣言条項が必要なのでしょうか。それは戒厳令という国家権力にとって邪魔な国民の権利停止のための伝家の宝刀を持つためにほかなりません。
東日本大震災と「イスラム国」事件という、日本人(このブログで「日本人」と記したときには、特に断りがないとき以外は「日本に住むすべての人々」を意味します)の人命が失われた衝撃的な出来事を利用して、自分の野望を遂げようとする安倍首相のやり方には怒りを禁じ得ません。
日本人の生命と財産を守るというなら、まず平和な日本を維持することです。
「積極的」に平和を実現すると称して、日本人を危険に追いやる行為だけは絶対に許してはならないと思うのです。
自分の対応を批判されると「イスラム国」の味方かと恫喝する卑怯なやり方。
追伸
ドイツの国営放送局であるドイチェ・ヴェレは、
「憎むは人の業にあらず、裁きは神の領域。-そう教えてくれたのはアラブの兄弟たちだった」
という、後藤健二氏がツイッターに投稿したメッセージを紹介し、このメッセージが、彼への哀悼の意を共有するために、何万回もリツイートされている、と述べながら、通常は危険地域に渡航する日本人に対して不快感を示す日本人が、この事件にどれだけ深く影響されたかを示すものだとしていています。
そして、これだけの影響を及ぼした今回の人質事件を、安倍首相は自分自身の目的達成に利用していると思っている、と伝えたのです。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙は
「日本人の人質2人の死が政争の具にしようとする闘いが始まった」
として、人質事件を政治的な駆け引きに用いる日本の与野党を批判しました。
「国会で、安倍首相は「国民の声明と財産を守る任務を全うするため」に憲法改正草案を示していると述べている。そのことが、人質事件のショックから冷めきれていない有権者に取り入ろうとして、与野党間の激しく闘っている例の一つ」
と、NYT紙は指摘し、ジャーナリストの殺害ビデオ公開の2日後には、加熱した議論が繰り広げられたと述べています。
また、
「人質の安全は釈放を望むことでまとまった連帯は、後藤氏の殺害により崩壊した」
と述べています。
さらに、
「安倍首相を含む保守派は、この殺害事件を自衛隊の規制を撤廃するというかねてからの目標の遂行に利用している」
と批判し、
「自衛隊が在外邦人の救出をできるように法整備を進め、在外公館や防衛駐在官の情報収集機能の強化を図りたい」
とする安倍首相の希望に対して、NYT紙はその実効性に次のように疑問を投げかけています。
「専門家は、日本がそういった救出作戦を遂行できるかどうか、経験不足や限られた情報収集能力という欠点を引き合いにして、疑問を呈している」。
確かに、アメリカなどの特殊部隊にできないことが、どうして自衛隊ににできるというのでしょうか。
このように海外からは、安倍首相が「イスラム国」事件を利用して国民を操り、改憲や日本の軍事化に持って行こうとしているのが明らかに見えるのに、なぜ日本人は気づいてくれないのか。
情けないような、寂しいような気はします。
でも嘆いてばかりいても仕方ないので、あと1年半、まず頑張りましょう。
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首相「9条改正は国民の生命財産守るため」
![首相「9条改正は国民の生命財産守るため」](http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150203/K10051886911_1502031926_1502031948_01.jpg)
安倍総理大臣は、参議院予算委員会で、憲法9条の改正について、自民党として憲法改正草案を示しているとしたうえで、「なぜ改正するのかと言えば、国民の生命と財産を守る任務を全うするためだ」と述べました。
(中略)
▽次世代の党の和田・政策調査会長は、イスラム過激派組織「イスラム国」による日本人殺害事件に関連して、「今回の事件のような場合でも、自衛隊を派遣し、日本人を救出できるようにしておく必要があるが、法整備が行われても憲法上の制約がある。外国で拉致・拘束された日本人を救出できるよう、憲法9条を改正すべきだ」と述べました。
これに対し、安倍総理大臣は「武力の行使は、『新3要件』にかなってなければならない。他方、警察権の行使として、自衛隊も含めて、邦人を救出するうえでは、受け入れ国の了承があり、国に準ずる武装組織がないというなかで、可能にしていくための法改正を準備している。自民党として、すでに憲法9条の改正案を示しており、なぜ改正するかと言えば、国民の生命と財産を守る任務を全うするためだ」と述べました。
(中略)
▽社民党の福島副党首は、イスラム過激派組織「イスラム国」による日本人殺害事件に関連して、「『イスラム国』への空爆など、有志連合による軍事行動について、自衛隊による後方支援をしないということは分かったが、国連決議を伴わない、有志連合による軍事行動について、自衛隊による後方支援は、憲法上可能なのか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「そもそも有志連合に対して自衛隊が後方支援をするための法律もないので、できないのは当然のことだ。これから法改正を検討しているが、戦闘現場ではない場所で後方支援することは、武力行使と一体化しないため憲法違反ではない。同時に、もし可能となる法律ができたとしても、政策的には行わない」と述べました。
(後略)
安倍首相と憲法 9条改正を最優先せよ 「国の責務」全うする証しに
産経新聞 主張 2015年2月6日
憲法改正の道筋が示された。安倍晋三首相が自民党の船田元憲法改正推進本部長との協議で、最初の憲法改正発議と国民投票の実施は来年夏の参院選後になる、との見通しを確認したことである。
改憲が具体的な政治日程にのぼったのは初めてだ。憲法改正を自らの歴史的使命と位置付けてきた首相の覚悟と決意の発露と受け止め、高く評価したい。
問題は憲法改正の中身だ。発議には衆参両院でそれぞれ総議員の3分の2以上の賛成が必要となることから、与野党の賛同を得られやすいテーマから始めるべきだとの意見がある。
≪機能不全の解消を急げ≫
だが、優先すべきは国のありようをどうするかだ。国民の生命と安全を守ろうにも守れない、という国家機能の不備を直視しなければならない。
9条が核心なのである。それを是正することが何よりも求められている。
首相は3日の参院予算委員会で「なぜ(9条)改正するのかといえば、国民の生命と財産を守る任務を全うするためだ」と述べた。ここに現憲法が抱える問題の根幹がある。国民の安全と平和を国家として守る安全保障条項が欠落している。
憲法前文は「われらの安全と生存」の保持に言及しているが、それは「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」を前提にしている。
だが、この前提は成り立たない。過激組織「イスラム国」による残虐かつ卑劣なテロだけでなく、尖閣諸島周辺の日本領海侵犯をいまも常態化させ、力による奪取の構えをみせる中国の行動などを見れば、自明であろう。
自らの力で国民を救出する枠組みは、主権国家であれば大なり小なり保持している。国民の平和と安全を守るのは国家の責務だからだ。しかし、日本は自衛隊を保持していても、国民を救出することは考えないようにしてきた。
北朝鮮の工作員に拉致された日本人を救出するため、米国大統領に直訴する。被害者家族からすればそうするしかないというのが、情けない現実なのだ。危険なところには自衛隊を派遣しないという倒錯の結果でもある。
「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」とする9条規定のため、自衛隊は対外的には「軍隊」だが、国内的には「軍隊ではない」という、あきれるような使い分けをしてきた。
国民を守り、不法な侵害行為を排除するために、どの国でも軍を保持していることを忘れてはならない。自衛隊を軍として正当に評価し、国民の資産として活用するのは当たり前なのである。
自民党は平成24年に発表した憲法改正草案で、自衛権や国防軍の保持を明記した9条改正、改正手続きを定めた96条改正などを示した。それを土台に、改正の必要性が高い重要項目のリストアップに入っている。
≪「自衛隊は軍」と評価を≫
首相と会談した船田本部長は、環境権や緊急事態、財政健全化などを候補として挙げているようだ。これらには、他党の賛同を得られやすいメリットは確かにあるだろう。だが、国難をいかに克服するかという論議を、党内で徹底して行ってもらいたい。
9条改正の議論にあたっては、当面する邦人の救出、保護への手立てを講じる観点はもとより、激変する周辺環境に対応し、領土や主権を守り抜くために欠かせないという、改正の最大の意義を改めて想起すべきだ。
中国の軍事拡張や核・ミサイル開発を続ける北朝鮮の脅威に対し、日本の抑止力や米国との共同対処能力を高めていくことなど、中長期的な課題にも9条改正は資するものだからだ。
集団的自衛権の行使容認を具体化する安全保障法制の整備や、日米防衛協力のための指針(ガイドライン)改定なども、9条改正を視野に入れながら、着実に進めていくことが重要である。
人質殺害事件を受けた日本の対応については、外国の関心も大きい。英紙フィナンシャル・タイムズは3日付社説で、「ここ数週間の出来事で、安倍首相の憲法見直しへの取り組みが台無しになってはならない」と指摘した。9条改正への道筋は、日本が国際社会に積極関与する姿勢を、もっとも鮮明に示すものともなろう。
“人質事件を政争に使うな”欧米紙批判 NYT紙は憲法改正と自衛隊規制緩和を懸念
- 2015年02月04日 18:30
国会で人質事件に対する安倍政権の対応を問う議論が行われている。これに関して、ニューヨーク・タイムズ紙は、人質事件を政争の具にしていると批判。ドイツのドイチェ・ヴェレも、通常は日本人の人質事件に不快感を示す国民も、ジャーナリストの後藤健二氏の死には深い哀悼の意を表しているものの、安倍首相はこの事件を自分の目標を達成するために利用していると感じていると述べた。一方で、フィナンシャル・タイムズ紙は、この人質事件で安倍首相の憲法改正計画が損なわれてはならないとしている。
◆与野党が人質事件を政治的な駆け引きに
ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙は冒頭で、「日本人の人質2人の死が政争の具にしようとする闘いが始まった」として、人質事件を政治的な駆け引きに用いる日本の与野党を批判した。
国会で、安倍首相は「国民の声明と財産を守る任務を全うするため」に憲法改正草案を示していると述べている。そのことが、人質事件のショックから冷めきれていない有権者に取り入ろうとして、与野党間の激しく闘っている例の一つと、NYT紙は指摘。ジャーナリストの殺害ビデオ公開の2日後には、加熱した議論が繰り広げられたと述べた。
人質の安全は釈放を望むことでまとまった連帯は、後藤氏の殺害により崩壊したと述べた後、安倍首相の人質事件に対する野党の批判と安倍首相の答弁を取り上げ、人質事件を巡って激しい議論が行われていることを伝えた。
さらに、安倍首相を含む保守派は、この殺害事件を自衛隊の規制を撤廃するというかねてからの目標の遂行に利用していると批判。自衛隊が在外邦人の救出をできるように法整備を進め、在外公館や防衛駐在官の情報収集機能の強化を図りたいとする安倍首相の希望に対して、NYT紙はその実効性に疑問を投げかけている。「専門家は、日本がそういった救出作戦を遂行できるかどうか、経験不足や限られた情報収集能力という欠点を引き合いにして、疑問を呈している」。
◆人質事件を目的達成に利用
ドイツの国営放送局であるドイチェ・ヴェレは、「憎むは人の業にあらず、裁きは神の領域。-そう教えてくれたのはアラブの兄弟たちだった」という、後藤健二氏がツイッターに投稿したメッセージを紹介。このメッセージが、彼への哀悼の意を共有するために、何万回もリツイートされている、と述べながら、通常は危険地域に渡航する日本人に対して不快感を示す日本人が、この事件にどれだけ深く影響されたかを示すものだとしている。
そして、これだけの影響を及ぼした今回の人質事件を、安倍首相は自分自身の目的達成に利用していると思っている、とドイチェ・ヴェレは伝える。
さらに、日本の中東政策の変更は、安倍首相が始めたわけではないものの、2人の殺害にもかかわらず、安倍首相は対テロ政策の継続を表明した、と伝えた。
◆積極的平和主義の推進を
一方で、フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は、人質事件によって安倍首相の憲法改正計画を損なわれるべきではない、としている。
2人の人質の殺害は日本国民に衝撃を与えたものの、安倍首相は賢明に慎重な反応を示し、「テロリストに罪を償わせる」と約束しながらも、急激な政策変更を推し進めることはしなかった、と伝えている。
FT紙は、この事件の影響として、日本は受動的な国際的役割を維持すべきだとする意見を煽るリスクがあると指摘しながらも、どれほど平和主義であっても、イスラム過激派の暴力から免れないことを浮き彫りにしており、現時点での日本の対応は、新たな孤立ではなく、国際的な関与に根差すものでなければならない、という結論を示した。
主張/首相9条改憲発言/「邦人保護」の名で憲法壊すな
「イスラム国」を名乗る過激武装組織による日本人人質事件を機に、安倍晋三首相は、「邦人救出」のための自衛隊派遣やアメリカなど「有志連合」による空爆の後方支援などを口にしていますが、3日の国会答弁ではついに自衛隊派遣のための憲法改定までいいだしました。次世代の党の議員が自衛隊派遣のための憲法9条の改定を求めたのに対し「自民党はすでに改正案を示している」と答えたものです。自衛隊が他国の領域に一方的に突入し武力を行使すればそれこそ戦争です。「国民の生命と財産を守る」といえばなんでも許されるわけではありません。
改憲への根深い執念
安倍首相が繰り返し口にしている「邦人救出」のための自衛隊派遣自体、独立した国家でなくても「イスラム国」のように国に準じた組織が支配している地域に自衛隊を派遣することは憲法9条が禁止した武力の行使にあたり、どんなに安全保障法制を整備しても、実行できることではありません。「有志連合」による空爆の後方支援も、憲法が禁止する武力の行使と一体となる危険は明らかです。さすがに安倍首相も国会では、準備している安全保障法制を「イスラム国」に適用するのは難しいことや、「有志連合」への後方支援は行わないと答弁しました。
それでも安倍首相が自衛隊派兵などをあきらめてはいないのは明らかで、首相が次世代の党議員の質問に答えたように、一気に憲法そのものを改定してしまえば、それこそ政府を縛る制約がなくなります。安倍首相がただちに憲法9条改定に乗り出そうとしているとまではいえないにしても、首相の改憲への執念を見せつけたことは間違いありません。
安倍首相があげた自民党の「日本国憲法改正草案」は、現在の憲法前文から「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」などの文章を削除し、戦争を放棄した9条は「自衛権の発動を妨げるものではない」と明記するものに変え、自衛隊は「国防軍」にするなどというものです。侵略戦争への反省を投げ捨て、日本を全面的に「海外で戦争する国」に変えてしまいます。
安倍首相は憲法改定を「国民の生命と財産を守る任務を全うするためだ」と答弁していますが、「国民を守る」といえばなんでも許されるなら、それこそ世界は「力」の強さがものをいう無法な時代に逆戻りです。かつて日本が戦前の韓国を侵略し無法な「併合」を押し付けたときも、「満州事変」をでっち上げて中国東北部を侵略し15年戦争に突入したときも、口実は日本の居留民や権益を守ることでした。戦争という手段で「国民を守る」などというのは今日の世界に通用するものではありません。
憲法生かした協力こそ
人質となった日本人が殺害されたのに続き、捕らわれていたヨルダン人パイロットの殺害も明らかになるなど、「イスラム国」の蛮行は限度を知りません。いま必要なのは、国際社会の一致した力で「イスラム国」を追い詰め、武装解除と解体に追い込むことです。
軍事的対応に前のめりで、自衛隊派兵を急いでいるとしか見えない安倍政権の態度では、武力行使の応酬にしかなりません。戦争を放棄した憲法を持つ国として、役割を果たすことが求められます。
(しんぶん赤旗 2015年2月5日)
内閣支持上昇58%、人質対応を評価…読売調査
安倍内閣の支持率は58%で、前回調査(1月9~11日)の53%から5ポイント上昇した。不支持率は34%(前回38%)だった。
イスラム過激派組織「イスラム国」による日本人人質事件を巡る政府の対応が「適切だった」と思う人は55%で、「そうは思わない」の32%を上回った。イスラム国対策として中東諸国への人道支援をさらに拡充するという安倍首相の方針についても「賛成」が63%で、「反対」は26%にとどまった。人質事件への対応が評価されたことが、内閣支持率を押し上げたとみられる。
安倍首相が今夏に発表する予定の戦後70年の首相談話で、これまでの首相談話にあった、過去の植民地支配や侵略に対する反省やおわびについての表現を「使うべきだ」と答えた人は44%で、「そうは思わない」の34%を上回った。
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やっぱり、賢しらに戒厳令は軍が云々という連中が湧いて来ますかね?
広く言えば、226の時の”戒厳令”は行政が出した「戒厳令」に準じたものですし、中華民国(台湾)の戒厳令も、大統領も国会などが機能しているパターンです。軍が全ての権限を握るのという定義で現実の戒厳令を説明しきれるものではありません。
その意味で、安倍自民が企む法体系は”戒厳令”規定と表現されるべきです。
ま、ようするに、授権法なんでしょうが。
実にとんでもない話ですが、こんなとんでもない物を安倍自民の連中は国民に理解されやすいと見ているわけで、肌に粟立つ思いです。連中の勝手な思い込み・妄想なら良いのですが。
枝野は政権時代に、共産党を支持しているから国交労連を潰す、そのために国家公務員(おもにペーペー)に嫌がらせをする、しかも連合系組合員を巻き添えにしてを公言して、腰を抜かしたことがあります。考えは政経塾で、タチの悪いトンデモだと思います。http://blog.goo.ne.jp/goo21ht/e/5292c0b02ee98b7902b0f56b925bb7b3
「我々は軍隊を愛する安倍晋三ではない」と言い続けないと、日本人がテロの標的になる確率がどんどん高まるだろう。
怒りがこみあげてきます。
私は司法試験受験生です。
政治的な話題もとても勉強になります。
試験についてのアドバイスも、ぜひツイートしていただけるとうれしいです。
安倍首相、、思った通り。今回の事件を憲法変える理由にするなら、人質を救うために何をしたか、きちんと答えてほしい。それを追及されると、言い逃れ。イスラム国の味方かと責める。いつもいつも、この人は、やり方がずるすぎる。
見殺しにしたくせに、都合よく利用しないでほしい。こんな非道な人間が国のリーダーなんて、おかしい。
戦争が始まる方法は、至って簡単。
国のリーダーが、国民に言う。
向こうからケンカを仕掛けてきた。
自分達は悪くない。
国を守るために、戦おう。
そうすれば、国民は、勝手に戦争に参加する。リーダーは、ただ安全な場所から見ているだけ。
何かの本で読みました。
このままだと、こんな事が現実になりそうで恐ろしいです。
でも、安倍首相のやり方はおかしいと気付いている人だってたくさんいます。
微力ですが、私も自分にできること、やっていきます。
これからも、ブログ更新お待ちしています!!
http://news.livedoor.com/article/detail/9772496/
今年1月25日の「NHK 日曜討論」、その中で安倍総理は
** 「そもそも、ではなぜ、多くの避難民がでてしまったのかということであります。シリアからの難民、現政権にも大きな原因がありますが、同時にイスラム国、ISILの振る舞いにも大きな原因があるわけでありますし、トルコからの難民はまったくそのとおりであると言ってもいいとおもいます」
「ISILがトルコ、イラクに侵入して行った結果、多くの難民が発生した。」 **
と言った。
これが日本国総理かと言うぐらいの無知をさらけ出している。
「ISILがトルコへ侵入した」という事実はない。
あのような時期に基本的事実さえ認識していなかった日本国総理・・・・・・・
NHKの日曜討論はYouTubeにアップロードされているので視聴可能。
https://www.youtube.com/watch?v=GEGuNHGZebI
6分50秒ぐらいから
「無知」は「無恥」に通じることを我が日本国総理がその見本を示してくれました・・・・・・
悲しいことです。。。。。。。。
「おもえらの死は無駄にしない。支持率アップに、骨の髄まで、無駄なく利用させてもらうぞ。」
再1:日本国憲法は、昭和天皇によって発布されました。押し付け憲法などというのは、昭和天皇が米軍の走狗に成り下がったことを含みます。
アベシ、自主奴隷憲法制定を主張するなら、昭和天皇を名誉棄損で訴えたらどうでしょう?
再2:現天皇、即位の際、「国民の皆様とともに日本国憲法をまもり」と言ってます。日本国憲法上、有効な詔勅で、日本国憲法をまもらないのは、国民に非ずと、明示されたわけです。アベシ、日本国民辞めたらどうでしょう?
基地前にあるという掲示
Your are our friends は You are our masters の方が文意上、正しいと思います。
国民のみなさん、もっともっとよく考えなければいけない。
安倍首相を支持している人は、戦争がしたいのか?
それとも、憲法改正しても、戦争は始まらないと思っているのか?
それは間違い。戦争は起こる。
何故なら、安倍首相は、
戦争をしたがっている。
今回のイスラム国の事件を理由に、憲法改正しようと言い出したのではない。
ずっとずっと、安倍首相は、戦争できない憲法が邪魔だった。それを排除するために、今回の事件を利用した。
何故、過去の歴史に学ばない?悲惨で悲しい戦争の記憶から、憲法9条は生まれたのでしょう?また、無意味な同じ過ちを繰り返すのか。
過去の戦争も、国民誰もが、まさか戦争が起こるなんて思ってもいなかった。
今も正に同じ状況。
安倍首相は、戦争をするつもりだ。口では、戦争しないなんて言っているが、その保証はどこにある?
戦争が始まれば、国民が犠牲になるだけ。政治家は安全な場所に居て、見ているだけ。
憲法9条には、独裁者から国民の命を守る、という意味も含まれていると感じる。
若者の皆さん、きちんと政治に関心を持ってほしい。これから、安倍首相がリーダーのままなら、近しい将来、徴兵制がはじまるかもしれない。そうなると、犠牲となるのは、あなたやあなたの子供達だ。そうならないためにも、安倍首相のやっている事が本当に正しいか、きちんと見極めてほしい。
Yahoo!のアンケートでは冷静な意見が優勢のようです。
http://polls.dailynews.yahoo.co.jp/domestic/14482/result
http://polls.dailynews.yahoo.co.jp/domestic/14362/result