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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

電通が性的マイノリティー(LGBT)調査を発表 13人に1人がLGBT層 6兆円市場へのプロジェクト始動

2015年05月06日 | ジェンダーフリーと性的マイノリティの人権

 渋谷区に住むLGBTアクティビストの東小雪(Koyuki Higashi)さんは、この動きによって全国で同性婚に関する議論が活性化されることを望むとして、この決定を歓迎した。東さんは同性パートナーの増原裕子(Hiroko Masuhara)さんと2013年に東京ディズニーリゾート(Tokyo Disney Resort)で「結婚式」を挙げました。

写真は2015年3月31日、渋谷区の同性パートナー条例制定を喜ぶ東さんと増原さん。

 

 

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 本日2015年5月6日、NHKが、心と体の性が一致しない性同一性障害など、「LGBT」など性的マイノリティーに該当する人は13人に1人(7.6%)となることが、日本最大の広告代理店電通が行ったアンケート調査で分かったという報道を一か月遅れながらしました。

性的マイノリティーに該当 13人に1人

 LGBTはレズ・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーの略ですが、そういう性的マイノリティーの方々が13人に1人もいらっしゃるとは驚き、認識を新たにしました。
 
 だって、それってクラスに2~3人は必ずいらっしゃるはずってことでしょう?
 
 私は何度かカミングアウトされたことはあるのですが、正直それほどの割合でいらっしゃるとは全然気づきませんでした。
 
lgbt
 
本調査では、セクシュアリティを「身体の性別」、「心の性別」(自分は男だ、女だという性自認)、「好きになる相手・ 恋愛対象の相手の性別」の3つの組み合わせで分類し、DDL独自の「セクシュアリティマップ ※4」(画像参照)を元に、ストレート(異性愛者で、身体と心の性別が一致している人)セクシュアリティである図内2(ストレート男性)と、図内10(ストレート女性)と答えた方以外をLGBT層と規定しています。

身体の性と心の認識がずれている456、789がトランスジェンダー、いわゆる性同一性障害です。

なお、注意しなければいけないと思うのは、2と10を「ストレート」と呼ぶ表現は電通が使っているものですが、普通はそれでは性的マジョリティーが標準というような意味になり差別につながるので使わないはずだということです。

とにかくこの電通の分類が唯一のものではなく、性の問題は非常に多様で、デリケートなものだということを認識するのが大事だと思います。
 
性的マイノリティーに関する総合書。
 
 
 
 
 さて、調査は2015年4月に、電通ダイバーシティ・ラボ(電通総研)がインターネットを通じて、全国の20代から50代のおよそ7万人を対象に行いました。さすが電通、7万人は文科省の調査よりはるかに大規模です。
 
 そして、その調査によりますと、性的マイノリティーに該当する人は全体の7.6%で、13人に1人となりました。
 
 2012年の同様の調査では5・2%だったそうですから、自分がLGBTだと答える人が3年で1・5倍になったことになります。この原因について電通は、米アップルの最高経営責任者(CEO)による同性愛の告白なども挙げ
 
「社会環境の変化や情報の増大によって、自分がLGBTだと考えるようになった人もいるとみられる」
 
と分析しています。
 
 東京・渋谷区がまず同性のカップルに結婚に相当する証明書を発行する全国初の条例を制定され、この制度の発案者でこれを発展させることを公約にした長谷部候補が統一地方選挙で渋谷区区長選挙に当選するなどの動きも大きく影響したのではないでしょうか。
 

 また、電通によると、LGBTの方々が自分が当事者かもしれないと気付いた時期については、
 
「13歳から15歳」が最も多く18.6%、次いで
 
6歳以下が17.2%、「10歳から12歳」が16%で
 
40歳を過ぎてからという人も9.8%いました。
 
 そのうえで、彼らのうち性的マイノリティーの当事者であることを誰にも明らかにしていないと答えた人は56.8%に上っていました。
 
 これも半数以上ではありますが、多いと感じるか少ないと感じるか。
 
 もちろん、4割以上の方々が自己の人格の核心部分ともいえる自分の性的嗜好や性認識を話せていないのは深刻な問題ですが、自分の身の回りの性的マイノリティーの方々にほとんど気づいていなかった私としては、6割近い方が周りの誰かにはそのことを明らかにできていることに少しホッと胸をなでおろしもしました。

 さて、このLGBTを巡っては、前述の条例を渋谷区が制定するなど、自治体などの支援が広がっています。
 
 また、文科省も性的少数者への対応の必要性を明記した文書を学校・教育委員会向けにまとめるなどしましたし、超党派の国会議員によるLGBT議連まで発足しました(なかなかまとまらないようですが)。
 
 これは手放しで喜ばしいことだと思います。

同性婚は「憲法上許容されている」=法制化しても合憲が弁護士の多数意見。あとは国民の意思の問題だ。

2012年5月10日付けのThe Wall Street Journalの日本版記事から。日本でも圧倒的に同性婚を認める人が多い!(同性婚は認められるべきか、より)

 

日本初、同性パートナー条例成立 東京・渋谷区

渋谷区の条例制定を喜ぶ同区に住むLGBTアクティビストの東小雪さんと同性パートナーの増原裕子さん。

 

まだまだ、同性パートナー条例でさえ反対する保守勢力も根強い。

非公開で行われた自民党の「家族の絆を守る特命委員会」では、複数の議員から「同性愛は公序良俗に反する」「証明書があっても(同性愛を)嫌だと言う権利もある」などの発言があったという。

全くナンセンスというか意味不明というか。非公開とは恥ずかしい意見だとは分かっているのか。誰の特命?あの人の??

 

 
 
 
 ただ、わたしがひっかかってしまったのが、調査に当たった電通ダイバーシティ・ラボの阿佐見綾香研究員が
 
「社会の理解が深まることで、当事者が生きやすくなるだけでなく、LGBTを意識した新たなサービスが生まれ、経済が活性化する可能性も秘めていると思う」
 
とおっしゃっていることです。
 
 この後半部分が気になってしまって。
 
 結局、商売のターゲットとしてみているんだなと。でも、電通がやる調査だから目的が顧客企業のためのマーケッティングのためなのは当たり前だし、それでLGBTのことが彼ら自身にも、我々性的マジョリティーにもわかるのはいいことなんですよね(オレが青いんだよな。言い聞かせ)。
 
 さて、このマーケッティングを詳しく見ると

 LGBT層の市場規模は5.94兆円

一般家庭において消費金額が大きく、また消費者の嗜好によって商品選択の変更が比較的容易な22の商品・サービスカテゴリーを選択し、総務省の家計調査と家計消費状況調査のデータを踏まえ、LGBT層の当該カテゴリーにおける消費状況を加味して算定したところ、LGBT層の市場規模は5.94兆円。

■ LGBT層を起点とする消費スタイルを“レインボー消費”と位置付け

今回の調査では、LGBT層当人の消費(家電・AV機器、家具・インテリア、化粧品、カルチャー活動などで一般層より消費が活発)のみならず、その周辺の一般層でLGBT層を支援・支持することによって生まれる消費(LGBT層をサポートする企業の商品・サービスの利用意向53%)にも着目するなど、さまざまな人間関係が社会に受容されることで生まれる消費の可能性を導き出した。DDLではこれらの消費のスタイルを “レインボー消費”と名付けた。

図表
 
注1:市場規模算定に当たっては、家計調査・家計消費状況調査(いずれも総務省)のデータ、 および世帯数に関しては「国勢調査」(総務省)を参考にした。
注2市場規模は単独世帯と2人以上世帯のそれぞれについて算出し合計した。

 

 

 この分析だけでも私など舌を巻くのですが、これは電通が公に発表したブリーフィングですから、顧客向けには膨大なデータと分析が提供され、それぞれの業態や規模などによって電通から様々な提案がなされるのでしょう。

 それが大手広告代理店の仕事ですから。

 むう、なんだかねえ、電通は日本のガリバー代理店で、日本の広告代理店4兆数千億円!のうち、1社で半分!を占めていて、しかも安倍政権の人気の秘密は電通を中心とする宣伝戦にあるとわかっていると、ほんと気持ちは複雑です。

 やはり本来は、文科省など政府が、LGBTの方々が生きやすい世の中にするために調査をし、対策をすることが絶対に必要だと思います。

 性の問題に限らず、マイノリティーが生きるのが楽しい世の中は、誰にとっても幸福な社会ですから。

 そして、動機はどうあれ(今の世の中、物を売るためという動機が不純というわけでは全然ないし)、電通のような情報収集力と分析力を持った大きな組織がこういう分野を調査してくれることは、やはり歓迎すべきことなんだろうなと思います。

 

 

人権保障の道はほんとに一歩ずつ地道な努力の積み重ねですねえ。

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追伸

研究者の三橋順子氏の批判を見つけましたので転記しておきます。

「電通ダイバーシティ・ラボ」のLGBT調査 [現代の性(同性愛・L/G/B/T))]

4月23日(木)

電通のLGBT調査は2012年に続いて2回目だが、学術的にかなり問題がある調査で、まともな研究者は誰も使わない。
少なくとも調査対象の選定方法や年齢分布などがわからないと、話にならない。
また、性的マイノリティのそれぞれのカテゴリーをどうのように定義しているのかもよくわからない。

そもそも、たった3年で、ゲイは3倍、レズビアンはなんと5倍に増加し、逆にトランスジェンダーが4.1%から0.7%に激減するなんて、誰が考えたっておかしな話で、あり得ないだろう。
そのデータ自体が、この調査の駄目さ加減を示している。
やはり調査方法に問題があると言わざるを得ない。

学術的な検証に耐えられないレベルの、広告屋の利益誘導(レインボー消費を掻き立てる)目的の調査なので、今までは無視してきたが、数字が独り歩きし始めたようで、ほんとうに困ったものだと思う。

2015調査の結果は、ゲイは0.9%、レズビアンは0.5%。
分母は男女合わせたものなので、男女同数と推定すると、それぞれ1.8%、1.0%となる。
この調査結果が事実だとすると、ゲイ、レズビアンは従来、欧米で言われている比率(3~5%)よりかなり少ないことになる。

従来の説(3%と仮定)と比較すると、ゲイは約3分の2(60%)、レズビアンは3分の1ということになる。
欧米に比べて日本は同性愛者はかなり少ないことになるが、それでいいのだろうか? 

逆にトランスジェンダーの0.7%という比率は、従来言われてきた数値、1万人に何人(1~5人くらいで諸説あり。0.01~0.05)に比べると、14~70倍くらい多い。
これもトランスジェンダーをどう定義するかによって、数値は大きく異なってくるが、0.7%というのは、やはり過大だろう。
もし事実なら、日本はトランスジェンダーの比率が世界最高ということになる。

学術的に信頼できる手法の調査で、日本社会は欧米に比べてゲイ、レズビアンが少なく、トランスジェンダーが多いという結果が出るのなら、その理由をちゃんと考えなければならない。
しかし、この調査の信頼度は、そのレベルにないと思う

ともかく、信頼度云々よりも、プロパガンダ的な意味が強く含まれたデータと考えるべきだ。
プロパガンダ的意味とは、LGBTを多めに捉えることで、いわゆる「レインボー経済需要」を煽ろうという目的だ。
少なくともTに関しては、そんなものはない。

同性愛者が、このデータを積極的に使うのは、「自分たちは今まで考えられていたより少ないのです」と主張しているようなものだ。
よく考えたほうがいいと思う。

(参照)【LGBT】性的マイノリティーは全体の7.6% 電通調査、3年前より増えた理由は?
http://www.huffingtonpost.jp/…/japan-lgbt-increased_n_71145…
 

 

 

電通におけるダイバーシティ(多様性)課題対応専門組織「電通ダイバーシティ・ラボ」(以下、DDL)は、この4月に全国69,989名を対象に、LGBTを含む性的少数者=セクシュアル・マイノリティ(以下、LGBT層)に関する広範な調査を実施した。その結果、LGBT層に該当する人は7.6%、LGBT層の商品・サービス市場規模は5.94兆円となった。 
加えて、今回の「LGBT調査2015」では、LGBT層を支援・支持する一般層にまで広がる消費傾向が浮かび上がった。DDLではこの傾向を “レインボー消費”※2と名付け、今後、新たな消費の形として深掘りしていく。

渋谷区で「同性パートナーシップ条例」が成立するなど、多様性が進行しつつある日本において、LGBT層への認知・理解は深まりつつある。また企業が雇用の側面から対応に取り組む動きも見られ始めており、今後LGBT層に対する向き合いはより深化していくものと推察される。
電通総研とDDLは、2012年にLGBT調査(http://dii.dentsu.jp/project/other/pdf/120701.pdf)を実施したが、ほぼ3年が経過し社会情勢にも変化があったことや、企業・自治体からの問い合わせやマーケティングに関する相談が増加してきたことを受け、再度調査を実施した。

調査で得られたファインディングスの一部は以下のとおり。

■ LGBT層の比率は7.6%

LGBT層に該当する人は7.6%(2012年調査では5.2%※3)と算出された。
本調査では、セクシュアリティを「身体の性別」、「心の性別」(自分は男だ、女だという性自 認)、「好きになる相手・恋愛対象の相手の性別」の3つの組み合わせで分類し、DDL独自の「セクシュアリティマップ※4」(下図参照)を元に、ストレート(異性愛者で、身体と心の性 別が一致している人)セクシュアリティである図内②(ストレート男性)と、図内⑩(ストレート女性)と答えた方以外をLGBT層と規定している。

図:電通ダイバーシティ・ラボ制作の「セクシュアリティマップ」

 LGBT層の市場規模は5.94兆円

一般家庭において消費金額が大きく、また消費者の嗜好によって商品選択の変更が比較的容易な22の商品・サービスカテゴリーを選択し、総務省の家計調査と家計消費状況調査のデータを踏まえ、LGBT層の当該カテゴリーにおける消費状況を加味して算定したところ、LGBT層の市場規模は5.94兆円となった。

■ LGBT層を起点とする消費スタイルを“レインボー消費”と位置付け

今回の調査では、LGBT層当人の消費(家電・AV機器、家具・インテリア、化粧品、カルチャー活動などで一般層より消費が活発)のみならず、その周辺の一般層でLGBT層を支援・支持することによって生まれる消費(LGBT層をサポートする企業の商品・サービスの利用意向53%)にも着目するなど、さまざまな人間関係が社会に受容されることで生まれる消費の可能性を導き出した。DDLではこれらの消費のスタイルを “レインボー消費”と名付け、今後さらに調査研究を続けていく。

図表
注1:市場規模算定に当たっては、家計調査・家計消費状況調査(いずれも総務省)のデータ、 および世帯数に関しては「国勢調査」(総務省)を参考にした。
注2市場規模は単独世帯と2人以上世帯のそれぞれについて算出し合計した。

<事前スクリーニング調査の概要>
調査対象:20~59歳の個人69,989人
調査対象エリア:全国
調査時期:2015年4月7日~8日
調査手法:インターネット調査

<「電通LGBT調査2015」の概要>
調査対象:20~59歳の個人900人(LGBT層該当者500人/ストレート該当者400人)
調査対象エリア:全国
調査時期:2015年4月9日~13日
調査手法:インターネット調査

電通ニュースリーリースhttp://www.dentsu.co.jp/news/release/2015/0423-004032.html

 

 

文部科学省が、同性愛者など幅広い性的少数者への対応の必要性を明記した文書を学校・教育委員会向けにまとめた。これまで、国の対応は法律上の定義がある性同一性障害に限られていたが、学校現場でより広範な性的少数者への支援が進む一歩になりそうだ。

 性的少数者については、性同一性障害に限らず、同性愛者や両性愛者などを含めた全体がいじめの対象になりやすいとされ、自殺対策の観点からも、専門家や当事者団体が学校での早急な対応を求めていた。

 文書ではまず、性同一性障害の子どもは「自己肯定感が低くなっている」「(性同一性障害などであることを)隠そうとし重圧を感じている」と解説し、「不登校、自傷行為、自殺念慮(自殺への思い)に及ぶこともある」とした。

 その上で、こうした悩みは「性同一性障害の児童生徒だけでなく、その他の性に関して少数派である者にも共通する」と明記。同性愛者や性分化疾患にも言及して「性的少数者の内実は多様だ」と指摘し、教職員に「用語や詳細な分類にとらわれず、まずは悩みや不安を聞く態度」を求めた。

 具体的な支援策としては、人権教育の年間指導計画に位置づける▽校内研修や職員会議で取り上げる▽一方的な調査や否定をしない▽保護者に隠していたり保護者が受容していなかったりする場合に注意する――などを提案している。

 この文書は性同一性障害などの児童生徒への対応について、文科省が専門家の意見を聞いて「学校で具体的な支援を検討する際の参考」としてまとめられた。年度内に公表される予定だ。(二階堂友紀)

 

 

2015.3.11 21:43 産経新聞

性的少数者(LGBT)の超党派議連発足へ 同性パートナー条例案には「同床異夢」

 

同性婚、道開く一歩 渋谷区で条例成立

2015年4月1日05時00分 朝日新聞

写真・図版

条例成立を祝う会が開かれ、東小雪さん(左)と増原裕子さん(左から2人目)も参加した=31日、東京都渋谷区、山口明夏撮影

 

  • 写真・図版

 

全国初の制度として東京都渋谷区で導入が決まった同性カップルの「パートナーシップ証明書」。この1枚がもつ効果と影響力とは。▼1面参照

 

 ■証明書の影響力は? 社会の意識、変化期待

 31日、渋谷区議会の傍聴席。レズビアンカップルの東小雪さん(30)と増原裕子さん(37)が条例成立を見守った。区内で同居する。東さんは「証明書をとったらコピーして常に携帯します。お互いの身に何かあった時に『区が認める関係です』って言えるから。できれば生命保険にも入りたい」。

 「パートナーシップ証明書」で可能になるのは、家族向け区営住宅への入居だ。従来は親族や事実婚など住民票に関係が記載されている人に限られていたが、証明書を持つ同性カップルにも広がる。だが、民間の賃貸住宅の場合、業者から「同性カップルはダメ」と断られると入居は難しい。区は事業者名を「公表」できるが、区は「あくまでも最終手段」とする。

 同性結婚式などの事業をするLetibee社(東京都新宿区)の林康紀共同代表は「実効性より社会的インパクトに意味がある」と語る。東京都世田谷区のレズビアン支援団体のスタッフも「条例ができることが報道された後、多くの性的少数者から『行政に訴えても無駄だとあきらめていた。希望が湧いた』という声が寄せられている」。

 海外で同性婚が認められた経緯に詳しい早稲田大の棚村政行教授(家族法)によると、欧米を中心にまず、同性カップルにも夫婦と同等の権利を法的に認める「パートナーシップ制度」が広がった後、同性婚が認められた。現在、パートナーシップ制度を導入する国は20カ国以上、同性婚を認める国は15カ国以上にのぼる。「渋谷区の条例は、国際社会がたどった歩みをようやく日本がとり始めたという意味で意義が大きい」と語る。

 明治大法科大学院の辻村みよ子教授(憲法)は「渋谷の条例は、多様性を尊重する目的で制定され、ただちに同性婚を認めるものではない。性的少数者の人権の保障は、本来は法律で定めることが望ましい」と指摘する。(原田朱美、杉原里美)

 ■国政にも波及する? 保守系議員に警戒感

 渋谷区の動きは国政にも波及しつつある。

 自民党の馳浩・元文部科学副大臣らは3月、超党派の「LGBT(性的少数者)に関する課題を考える議員連盟」を発足させた。民主党も党内にワーキングチームをつくり、性的少数者に対する差別解消法案などの検討を始めた。

 だが、保守系議員は同性婚など「家族の形」を変える議論につながることに警戒感を抱く。菅義偉官房長官は3月31日の記者会見で、条例について「家族のあり方に関わるのでコメントを控える」と述べた。文部科学省がまとめた性的少数者の児童・生徒への支援策も、3月末の公表予定が先送りになった。ある自民党文教族議員は「条例成立と時期が重なり、同性パートナーシップや同性婚と絡めて報じられないようにするため」と語る。

 性的少数者に対する差別意識も根強く残る。3月25日に非公開で開かれた自民党の「家族の絆を守る特命委員会」では、複数の議員から「同性愛は公序良俗に反する」「証明書があっても(同性愛を)嫌だと言う権利もある」などの発言があったという。

 (二階堂友紀)

 

 

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3 コメント

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13人に1人って (H.KAWAI)
2015-05-07 05:32:30
○そんなに驚きですか。
○人間は基本的に同性愛の傾向を持っているんですよ。
○もし人間社会が異性間の愛を称揚しなければ、もっと多くなっているでしょうね。
○所で、LGBTが「公認」されればビジネスチャンスが増えるって言えますかね。
○性転換クリニックが流行るかも知れませんけど、でもホモ向けの雑誌とかビデオとかホモバーなら既にありますよね。
○電通さん、ちょっと悪乗りって気しませんか?
返信する
経済が政治を変える (KURAMA)
2015-05-07 00:56:37
 私も、電通がLGBTを商売として厚遇するのは、さいしょ抵抗がありました。
 しかし、政冷経熱という日中関係のように、政治を良く変えてくれるのなら、反対する理由はありません。
 抵抗はあるけど、この電通の姿勢は支持します。
返信する
Unknown (腹黒)
2015-05-06 22:07:22
同性婚なり選択的夫婦別姓なり、何が気に食わんのかね。

イマイチ理解し難い。

別にアナタたちに同性婚や夫婦別姓を強制するわけ違うんですが。。アナタの家庭をどうこうするわけと違うのよ。。反対してる人間のなかに相当まじっとらんのかね、こういう勘違いしてる人。

ほら、いるでしょ、集団的自衛権に反対してたら、中国が攻めてきたらどうすんだ!ってがなりたてる人。
返信する

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