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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

親戚のおじさん 串かつをご馳走する

2010年02月01日 | 子どもの権利
 関学ローの少年法講義に特別出演してくれた、現役の非行少年?、中国残留孤児3世の「劉」くんを事務所に呼びました。
 またも同居中の彼女と一緒に来ました。

 彼女が但馬地方の実家を飛び出し、彼の母親が少年と弟が暮らす賃貸アパートに来てもう1ヶ月。劉君の母親から困っていることを聞いたので、二人に少しばかりお説教をしなければなりません。

 ま、お金のことと家事分担のことですね。生活保護でかつかつのところに、劉君が起こした事件の弁償金支払があり、そのうえ、1人増えて、携帯は使うわ、食事は3食家で食べるわですからね。お母さんもたまりません。

 劉君が食事を作っても後片付けはしないということなので、彼は洗い物、彼女は掃除を分担するように言いました。
 来週最終審判までに2人ともバイトを見つけ、給料が出たら独立できるまで生活費を入れるようにいいました。

 ロースクールの生徒さんたちもそうなんですが、あまりに逆境だとかえって奮起して努力できず、だらだらと生活してしまうところがあります。
 ただ、たしなめるだけでなく、やる気にさせるのが難しいところです。試験観察の後には保護観察があるので、気を引き締めないといけないことに注意を喚起しつつ、仕事が見つかれば自信が持てること、そして、2人で独立する第一歩になるという夢も見つづけてもらわねばならないのです。

 去年、調査官にまかせっきりで試験観察中に崩れた少女の例があるので、こちらも慎重になって、いろいろ聞き出すと、ヤクザの息子が2日に1回泊まりに来るとか、バイク代金残り8万円を非行グループから追い込みかけられてるとか、なんで毎月毎月お前は問題作ってくるか~~という感じなんですが、しょうがないからヤクザの息子に電話かけて、こいつは家庭裁判所と警察に眼をつけられているので泊まりに来るのはやめろと言い、非行親分には私が交渉の窓口になるので劉君には連絡するなといい、2人が安心したところで、お母さん達と同居してて若い2人はどうやって仲良くしてるかと聞くと、避妊もせずにコンポの音で誤魔化してるというので今子どもができたら彼女が働けなくなってドツボやろ、だいたい音楽かけても声聞こえるわ、などと、私らしくもない小言じいさんを演らなきゃいけないわけです。

 それにしても、若い2人の食べっぷり!
 串かつ、2人で100本は食べましたからね。
 串置きがぎゅうぎゅう詰めで入らなくなるのをはじめて見ました。
 普段、やっぱり、おなか一杯食べてないのかな。
 
 2人が串カツを貪り食うのを見てると、こちらも自然とハッピーな感じになってきて、少年事件、弁護士、親戚のおじさん化も悪くない、と思い、また、今日は食べ放題メニューにしてよかったな、とそれぞれしみじみ思った次第です。

コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

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なるほどねえ (なべび)
2010-02-02 22:53:31
そうかあ,
そんな少年とその彼女と食事かあ。
なーんか,色んなこと考えそうだなあ。私だったら。
自分自身が大人と子どもの世界をいったりきたりワンダラー状態になりそうやわ。

子ども感覚でいけば,お母さんに迷惑かけずにやれるんやったら好きに楽しめって言いたくなるけど。。。
でも,大人として,弁護士として,少年たちと向き合ったら,やっぱり言わんとあかんしねえ。

でも,老婆心をもつ子どもになっちまうやろうな。弁護士なんて商売するもんちゃうね,無責任でいられへんもんね。
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いつまでもいると思うな親とおじさん (ray)
2010-02-03 13:19:55
 少年事件は毎回難しい。
 この、揺れ動く、河原のすすきのような、しなやかな、けれど壊れ易い世界。
 親にも人生があるし、少年少女たちの望みとどう両立するのか。
 弁護士は依頼者の人生に立ち入ったらアカンとつくづく思います。
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Unknown (Unknown)
2010-04-08 07:29:16
骨までしゃぶられる前に考え直したほうがいいのでは。
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