JUJU 『やさしさで溢れるように』
風呂あがりにふとテレビをつけたら、「関ジャム」という番組で、この曲が紹介されていました(まさかこの曲で紅白初出場になるとは!)。
もともと小倉しんこうさんが亡くなった愛犬への思いを込め作っていた歌詞を、プロデューサーの亀田誠治 さんが喪失感を持つ多くの心へ響くよう変更したのだそうです。
「柴犬が大好き」という小倉さんの亡き愛犬は、花ちゃんという名前だったのですね。
ハァハァと舌を出しながらニコニコ笑顔の柴犬の姿が浮かんできます。
せわしないデジタル化の中、外からだけでなく、心の内側からほんのり湧き上がる温もりを与えてくれたのでしょう。
そういえば亀田さんは、椎名林檎さんのバンド東京事変やミスチル桜井さんのBank Bandのベーシストでしたね!
この曲は、歌詞もいいけど曲もよく、番組でも解説されていましたが、ベースがカッコイイですね!
洋楽をたくさん聞いていると、邦楽に対して上から目線になりがちですが、ふとした瞬間…どこにも無駄な力みを必要としない瞬間、日本語の歌詞が染み入ることがあります。
(言語を超越するもの、外国語だからこそいい歌詞もありますが…何よりも日本人ですからね)
愛犬への思いを知ってからこの曲を聴くと…職業柄、様々な飼い主さんとワンちゃん、ネコちゃんとの別れが思い出され、胸がキュッとなります。
亡くなってしまうと、ぽっかり空いてしまった現実的な空虚感だけにとらわれてしまいますよね。
でも、この曲を聴いて、それまでのよき思い出や感謝の気持ちを忘れないようにしよう…と思いました。
JUJUさんの歌も素晴らしく、その他の楽曲からも黒人音楽が好きなことが感じられ、気が合いそうです。
何せJUJUという芸名は、私の大好きなサックス奏者ウェイン・ショーターのアルバム「JUJU」からとっているんですものね。
(◎追記:最近、ある本の中にはさんだまま忘れていた記事を見つけました!
JUJUさんは、デビューしてから、頑張って発表した曲が連続して売れず、全人格が否定されるほどの痛みを感じていました。
そんな心のままニューヨークへ行き、弱音を吐いていると、友人のラッセルさんは言いました。
「その痛みが、今すぐ君を殺すほどでないなら、それは君を強くする」
同じ頃、プロデューサーの木村武士さんにも
「やめたいならやめれば。ただ、自分を裏切るのは自分だけだよ」
と言われたそうです。
自分の可能性を最後まで信じるしなやかさをくれた、忘れられない二つの言葉の話です!)
※ブログの仕様が変わりアマゾンのものが貼り付け方がわからないので、タワー・レコードのものを張り付けています。
ちなみにJUJUとは、ハイチで使われるVoodoo(ブードゥー)という言葉の元になったアフリカの言葉なのだそうです。
私は、ジョニ・ミッチェル経由でジャズ~フュージョンを聴くようになったせいか?コルトレーンよりもショーターの音色が好きなんですよね(ジョニ・ミッチェルのアルバムではソプラノ・サックスですが…)。
ショーターは、サポートに回った方がいい仕事をする傾向があるようですが(ジョー・ザビヌル談)、初期の頃のリーダー・アルバムはけっこう好きです。
一番好きなのは、このアルバム…学生時代、ウィントン&ブランフォード・マルサリス兄弟がこの中のBlack Nileをよく一緒に練習したというエピソードを本で読み、聴いてみたのです。
マイルス・クインテット時代より洗練されてない感じですが、その初々しさがあるからこそ、肩ひじ張らずに聴けるようにも思います。
夢の中へ引き込まれるようなマッコイ・タイナーのピアノで始まるタイトル曲Night Dreamerもいいし、ワン・ホーンで演奏されショーターのテナーの音色が美しいVirgo、脱力系ながらディープなCharcoal Bluesも好きです。
でもなぜか、私が一番聴きたくなるのは、古い中国の歌が原曲というOriental Folk Songなんですよね(他の黒人ミュージシャンだったら選ばない曲でしょう)!
手数のみでない重量感を持つエルヴィン・ジョーンズのドラム、マッコイ・タイナーのピアノ・ソロ、終盤にホーンのタイミングをずらすショーターのアレンジなど…なんだかくせになるのでオススメです!!
Oriental Folk Song (Remastered)