山王アニマルクリニック

日々の診療、いろんな本や音楽などについて思い巡らしながら、潤いと温もりのバランスを取ってゆこうと思います。

やさしさで溢れるように/亡くなった愛犬への歌

2022-05-15 20:07:44 | 音を楽しむ

JUJU 『やさしさで溢れるように』

風呂あがりにふとテレビをつけたら、「関ジャム」という番組で、この曲が紹介されていました(まさかこの曲で紅白初出場になるとは!)。

もともと小倉しんこうさんが亡くなった愛犬への思いを込め作っていた歌詞を、プロデューサーの亀田誠治 さんが喪失感を持つ多くの心へ響くよう変更したのだそうです。

「柴犬が大好き」という小倉さんの亡き愛犬は、花ちゃんという名前だったのですね。

ハァハァと舌を出しながらニコニコ笑顔の柴犬の姿が浮かんできます。

せわしないデジタル化の中、外からだけでなく、心の内側からほんのり湧き上がる温もりを与えてくれたのでしょう。

そういえば亀田さんは、椎名林檎さんのバンド東京事変やミスチル桜井さんのBank Bandのベーシストでしたね!

この曲は、歌詞もいいけど曲もよく、番組でも解説されていましたが、ベースがカッコイイですね!

洋楽をたくさん聞いていると、邦楽に対して上から目線になりがちですが、ふとした瞬間…どこにも無駄な力みを必要としない瞬間、日本語の歌詞が染み入ることがあります。

(言語を超越するもの、外国語だからこそいい歌詞もありますが…何よりも日本人ですからね)

愛犬への思いを知ってからこの曲を聴くと…職業柄、様々な飼い主さんとワンちゃん、ネコちゃんとの別れが思い出され、胸がキュッとなります。

亡くなってしまうと、ぽっかり空いてしまった現実的な空虚感だけにとらわれてしまいますよね。

でも、この曲を聴いて、それまでのよき思い出や感謝の気持ちを忘れないようにしよう…と思いました。

What's Love?

JUJUさんの歌も素晴らしく、その他の楽曲からも黒人音楽が好きなことが感じられ、気が合いそうです。

何せJUJUという芸名は、私の大好きなサックス奏者ウェイン・ショーターのアルバム「JUJU」からとっているんですものね。

追記:最近、ある本の中にはさんだまま忘れていた記事を見つけました!

JUJUさんは、デビューしてから、頑張って発表した曲が連続して売れず、全人格が否定されるほどの痛みを感じていました。

そんな心のままニューヨークへ行き、弱音を吐いていると友人のラッセルさんは言いました。

「その痛みが、今すぐ君を殺すほどでないなら、それは君を強くする」

同じ頃、プロデューサーの木村武士さんにも

「やめたいならやめれば。ただ、自分を裏切るのは自分だけだよ」

と言われたそうです。

自分の可能性を最後まで信じるしなやかさをくれた、忘れられない二つの言葉の話です!)

 

※ブログの仕様が変わりアマゾンのものが貼り付け方がわからないので、タワー・レコードのものを張り付けています。

ジュジュ +2

ちなみにJUJUとは、ハイチで使われるVoodoo(ブードゥー)という言葉の元になったアフリカの言葉なのだそうです。

私は、ジョニ・ミッチェル経由でジャズ~フュージョンを聴くようになったせいか?コルトレーンよりもショーターの音色が好きなんですよね(ジョニ・ミッチェルのアルバムではソプラノ・サックスですが…)。

ショーターは、サポートに回った方がいい仕事をする傾向があるようですが(ジョー・ザビヌル談)、初期の頃のリーダー・アルバムはけっこう好きです。

ナイト・ドリーマー<期間生産限定盤>

一番好きなのは、このアルバム…学生時代、ウィントン&ブランフォード・マルサリス兄弟がこの中のBlack Nileをよく一緒に練習したというエピソードを本で読み、聴いてみたのです。

マイルス・クインテット時代より洗練されてない感じですが、その初々しさがあるからこそ、肩ひじ張らずに聴けるようにも思います。

夢の中へ引き込まれるようなマッコイ・タイナーのピアノで始まるタイトル曲Night Dreamerもいいし、ワン・ホーンで演奏されショーターのテナーの音色が美しいVirgo、脱力系ながらディープなCharcoal Bluesも好きです。

でもなぜか、私が一番聴きたくなるのは、古い中国の歌が原曲というOriental Folk Songなんですよね(他の黒人ミュージシャンだったら選ばない曲でしょう)!

手数のみでない重量感を持つエルヴィン・ジョーンズのドラム、マッコイ・タイナーのピアノ・ソロ、終盤にホーンのタイミングをずらすショーターのアレンジなど…なんだかくせになるのでオススメです!!

Oriental Folk Song (Remastered)

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マムシ咬傷

2022-04-25 23:40:11 | 診療よもやま

「散歩中、突然、蛇に咬まれた!」とラブちゃんが来院しました。

少し出血があり、直後だというのに咬まれた左側だけ腫脹しています。

写真ではわかりにくいのですが、出血部位をよく見ると穴が2つあいています。

これは2つの牙を持つ毒蛇――マムシに咬まれたことを意味します。

そもそも毒のない蛇であったなら出血はしても、直後にここまで腫れあがることはないでしょう。

この子は何年か前のマムシ被害にあったワンちゃんですが、

右側を咬まれたのに次の日には左右も下も腫脹し…

 

左肘や胸部付近まで腫れてしまいました。

 

 

治療して3日後にはだいぶ腫れが引いてきています。

 

 

これも上と同じ日の写真です――だいぶ腫れが引きましたね。

 

これはマムシに咬まれてから12日後の写真です。

腫れは完全に引いていますが、2つの毒牙の傷跡がはっきりと残っています。

犬がマムシに咬まれて亡くなることは、まれであり、ちょっとした治療で治っていくことが多いのですが、小型犬では死亡してしまうこともあるようです。

(当院では死亡例はなく、中型犬での発生が多いです。大型犬であるラブラドールの例では食欲が落ちず、中型犬の例では一週間くらい食欲が落ちてしまったので、体重当たりの毒の注入量によって重症度が変わるのでしょう)。

マムシは、カエルやトカゲ、ネズミ、鳥などを食べています。

最近、当院の駐車場でもアマガエルがぴょこぴょこ跳ねていましたし、田んぼではカエルたちの大合唱が響いていますからね。

獲物となる生き物が潜む所には、マムシも潜んでいる可能性があります――水田や畑、草むらなどを散歩するときは気をつけましょう!

当院では、田んぼなどの草むらに顔を突っ込んだ時に顔周囲を咬まれるケースが一番多く、次いで前肢での発生が多いです。

3日後の写真では、2つの毒牙の跡がはっきりと確認できますが、腫れは引いてきています。

この子を咬んだマムシは、なんと草むらを通る道の真ん中でとぐろを巻いていたそうです。

(二匹で散歩中、もう一匹のワンちゃんに気を取られているうちに咬まれてしまったとのこと)

咬まれた周囲は腫れがひいたのに、顎の下から首にかけては浮腫を起こしています。

マムシ咬傷は5月くらいからみられ始め(上のラブちゃんは4月下旬)、8~9月の発生が一番多い(マムシの繁殖&出産シーズンなので活発化との説あり/もう一匹のワンちゃんは8月上旬でした)ようなので、これからの季節は特に気をつけて下さい!!

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犬だるま

2022-03-19 20:35:25 | 花鳥風月

寒い冬でしたが、やっと暖かくなってきましたね!

こちらでは二度の大雪に見舞われ、雪かきが大変でした。

でも4m以上積もった地方もあったようなので、その地方の方々の苦労は想像を絶します。

上の写真は、二度目の大雪から一週間経て残った最後の塊です。

なんとなく横向きの犬っぽく見えるような?

これは大雪から三日後の写真です。

犬だるま?を作ったのに汚れが目立ち、ゾンビのようにとろけてしまっています。

作った翌日はこんな感じだったのですが、天気が良かったので、あっという間にとけてきています。

普段は当たり前のように浴びているので忘れがちですが、太陽の力ってすごいですね!

たれ耳のワンちゃんをイメージして作ってみたのですが、作りたてはこんな感じでした。

粉雪ではなかったので、前回(雪猫)のときよりも作りやすかったですね。

今までも大雪が降るたびに作っていたのですが、考えてみると一冬に二回作ったのは初めてですね。

厳しい冬であっても、いつか春はやってきます。

何日か前にウグイスの声が聞こえ、ツクシもたくさん生えてきました!

しかし、暖かくなってきたのに冬場と同じ暖房温度にして暑すぎて皮膚病が悪化したり、暖かいと思ったら急に冷え込んで風邪的な症状となったり、季節の変わり目は体にとって要注意です。

天気予報を見てこまめに温度調節しましょう!!

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猫の咬傷~膿瘍

2022-02-08 19:30:32 | 診療よもやま

この猫ちゃん…外にも出ている子なのですが、何か元気がなく歩き方がおかしいので来院しました。

痛みがあるようで、触診すると場所によってはシャーと怒ったりします。

痛そうな所を注意深くチェックすると…毛が小さく固まった所をいくつか発見!

その周辺の毛をバリカンで刈ってみると……

咬まれた傷が出てきました!

咬まれたり引っかかれたりした傷の多くは、点のように小さいのです。

しかし、小さくても深い傷であると、口腔内や爪に潜む細菌を皮下に注射されたのと同じようになってしまい……

膿(細菌と戦って崩壊した白血球)が皮膚の下に溜まって、このように腫れてしまうのです。

猫は毛が細く柔らかいため、傷ができると、すぐにそこから出た血や漿液をまとった毛のカサブタができて蓋をされ、細菌が密閉されやすいんですよね。

この状態であると発熱するので、たいていの子は食欲がなくなります。

こういう場合、穴をあけて膿を出す処置をしないと熱は下がりません。

排膿処置をしないと、どんどん増える膿の圧力によって皮下の血流が失われ、壊死していきます。

上の写真の皮膚が黒くなっている所は、壊死してしまっています。

これをさらに放置すると、壊死した皮膚はとうとう破裂し、膿が流れ出てきます。

場所によっては腫れていることがわかりにくく、かなり壊死していても表面的に生えた毛によって一見わからないことが多いので気をつけてください(この写真は毛を刈ってあります)!

これを防ぐためには、小さな毛のかたまりの下にあったりする点のような傷を見つけ、なるべく早く消毒&抗菌薬を投与する必要があります。

年末から2月上旬は発情している猫が多く、春に向けて恋を巡るバトルも増えます。

外猫ちゃんのバトルの声が響いた後などに、歩き方が何かおかしいとか、熱っぽく食欲が落ちている時は、なるべく早く信頼できる動物病院へ行きましょう!

早ければ早いほど皮膚の壊死は防げるので、小さい傷だからと放置しないでください(壊死が広範囲であるほど、高額の治療費がかかります)!!

(追記)

…と書いていたら、室内のみでも複数飼育で咬まれてしまった子が来院しました。

こういうことは外猫よりかなり少ないのですが、これはけっこうひどく、膿が出ています。

毛を剃ってみると、こんな感じです。

大きな傷だったおかげで早めに排膿され(一部壊死)、あまり発熱せず食欲もありました。

室内のみでも、複数飼育の時は同様に気をつけてください!!

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雪猫

2022-01-08 19:54:44 | 花鳥風月

明けましておめでとうございます!

年末から寒い日が続いていましたが、年明け早々こんなに雪が降るとは思いませんでした。

雪かきついでに以前と同じく猫だるまを作ろうとしたのですが、今回の雪はさらさらした粉雪なので形を作るのが難しかったです。

ついでに休診日に積雪して一晩経ち、所々凍った硬い雪が混ざっているので、とてもやりにくいんですよね。

取りあえず、スコップで雪を集めた所に猫の形を作ってみました。

う~ん…またもやメタボな猫になってしまいました。

 

ポーズを変えて、少しダイエットに成功!!

 

 

少し落ち着いたので、目を変えてみました…手足が長過ぎたかな?

 

…というわけでお粗末でしたが、本年も応援よろしくお願い致します!!

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