逃げるは恥だが役に立つ(5) (KC KISS) | |
海野つなみ | |
講談社 |
陰ながら応援していた「逃げ恥」が講談社漫画賞を受賞しました!海野さん、おめでとうございます!!(ちょっと?遅れたネタですが)
いや~やはりおもしろいですね~!そして、女であること男であることの不完全さに振り回されている我々の気持ちを本当にうまく表現してくれています。この5巻は、恋愛での後悔や感情の成り立ちなど、過去の自分を見つめ直し、未来に向けて心を拡大するヒントになるかもしれません。
前回「逃げ恥」4巻が出た時に書いた後、「契約結婚」というアイディアを2つのドラマに模倣されてしまったので、今後の展開を心配していたのですが、全くの杞憂に終わりました。
後書きによると、海野さんは何かの病と戦いながらこの作品を描いているそうです。そのせいか?ただならぬ底力を感じます。
講談社漫画賞の選評で「天才 柳沢教授の生活」の作者、山下和美さんが、少女部門で「逃げ恥」が選ばれることに関しては、「ほぼ全員の意見が一致した…」と書いていたのも納得するばかりです。
かなり前なので誰か忘れましたが、ある漫画家さんのブログで、話題になっている漫画のアイディアを民放ドラマに模倣されることがけっこうある、と書いてあったのを覚えています。確かにモーニングのようなメジャーな漫画誌を読んでいると、何かこのドラマあの漫画に似てるな~と感じることもあります。
すべては模倣から始まるかもしれないので、突き詰めてしまえばブーメランのように自分に返ってきてしまうのでしょう。でも今の時代に受けそうだからといって、まだ連載中の物語の知っている人にはバレバレな重要アイディアを、2つのテレビ局が同時にマネするとはビックリです!
一つならまだしも、同時に二つというのは今まであったのでしょうか?…「逃げ恥」の影響力がいかにすごかったか!ってことですかね?ドラマの一つは「逃げ恥」と「柳沢教授の生活」両方の表面的な所をマネしているように感じられましたが、あくまで表面だけでした。
ネット業界にあらゆる業界がかき乱されている時代なので、テレビ業界の方々もいろいろ大変なんでしょうけど、あそこまであからさまにやっちゃうとそれが足かせとなって逆効果…とよい教訓になりました。
山下さんの「天才 柳沢教授の生活」も男と女、理論と感情のスレ違いなどに悩む人に超オススメです!「柳沢教授」は、いろいろと素晴らしいストーリーが多いので、どれを紹介するか迷ってしまいますが、今回はこの16巻をオススメします!
この中の「八重桜と出会う時」は私が「柳沢教授」の素晴らしさを知るキッカケとなったストーリーなのです。それ以前は、時々モーニングで連載されていてもあまりピンときていなかったような気がします。
「女はわからない」と思っている男性など、理論、理論と表面的に言っている人は、効率よくわからないとイライラするのかもしれません──イライラするのは感情に支配されている証拠では?
でも、本当の知性とは、訳がわからないからといって切り捨てるのではなく、よくわからないからこそ少しでも理解しようと興味を持ち続けることから生まれる……柳沢教授が教えてくれているのはそんなことのように私は思います。
天才柳沢教授の生活(16) | |
山下和美 | |
講談社 |