突然ですが、こういう構造をしたバックなどの留め金ってよくありますよね。
動物病院に全く関係なさそうなこの留め金ですが…以前この留め金がある事件を引き起こしたのです。
けっこう前の話ですが、飼い主さんがバッグをかけたままワンちゃんを抱っこか何かした時、タイミング悪く外れてアキレス腱にはまってしまったのです。
飼い主さんは、あわてて取ろうとしましたが、痛がったワンちゃんに噛まれてしまいました。
アキレス腱にはまってしまうと、金属がくい込んでいるように見えるので、誰だってあわてると思います。
ワンちゃんも一瞬は痛いでしょうし、バッグを引きずったり、やみくもに引っ張られたりすれば痛みも増すでしょう。
でも、この構造をよく見て下さい――くい込んでいるように見えても、穴が開いてしまっているわけではないのです(強く引っ張ったりすれば開く可能性も…)。
◎こういう時はあわてず、ゆっくりと5回ほど深呼吸して、まず構造と位置関係を確認して見て下さい!――肉をはさまないように留め金の可動部をずらせば簡単に外れます。
同じような例があるのか探してみたら、こんな例がありました→Dog found wandering the streets with large hook and clasp pierced deeply into its rear leg to keep it tied up
この例では、両前肢にも大きく深い傷があったので、誰かが意図的にやった可能性が疑われています(犯人逮捕につながる情報には懸賞金$1000!)。
この柴ちゃんのアキレス腱に引っかかっちゃったのですが、飼い主さんがすぐに当院へ連れてきてくれたので、ちょっとした擦り傷程度ですみました。
こういうことは、めったに起こらないことかもしれませんが、前回(やさしさで溢れるように/亡くなった愛犬への歌)の話から柴犬つながりでこの子のことを思い出したのです。
みなさんが、この柴ちゃんの笑顔と共に、この事件のことを覚えておいて、予防と冷静な対処ができることをお祈りします!