これは、ある地域猫ちゃんの胸部レントゲン写真です。
2年ほど前に当院で撮ったものなのですが…小さなてるてる坊主のような形のものが確認できます。
実はこれ、空気銃の弾だったのです。
普通、空気銃というと玩具としてのモデルガンが思い浮かびますが、その場合はプラスチック製の弾ですよね(丸いBB弾とかが有名)。
でもプラスチックはレントゲン写真では認識できず、骨や石、金属ならば白く写ります。
そして、これは金属の弾(鉛製が多いよう)だったからこのようにはっきりと写っているのです。
「玩具でこんなあぶない弾を使う銃なんてあるのか?」と思っていたら、狩猟用空気銃(免許が必要!)というのがあり、それで撃たれていたのでした。
幸い当院に来たこの地域猫ちゃんは、弾が胸部皮下に留まっていたため、元気でした。
しかし千葉市や習志野市では2019以降、猫が撃たれて死傷するケースが多発していたのです。
そして2年を経て、とうとう犯人が逮捕されました!
【速報】「猫100匹近く殺傷した」 地域猫に空気銃発射、動物愛護法違反などの疑いで男再逮捕 千葉県警
空気銃で地域猫を撃って殺したとされる事件で、県警は14日、動物愛護法違反と銃刀法違反の疑いで千葉市若葉区愛生町、アルバイト、平田雄一郎容疑...
なんと100匹近くの猫を殺傷していたとのことで、骨折してしまった子や亡くなってしまった子までいたのです。
どうしてこんなことをするのか理解できませんが、ボランティアの方々の地道な活動のおかげで追い詰められていったのでしょう。
「猫100匹近く殺傷」空気銃で粉砕骨折か 男再逮捕(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース
千葉県八千代市で狩猟用の空気銃でネコを射殺したとして逮捕・起訴された男が別のネコにも空気銃を撃って粉砕骨折させたとして再逮捕されました。 ...
Yahoo!ニュース
この映像をみると、押収された弾とレントゲン写真のシルエットが一致します。
「弱い立場であるネコを征服した気分になる」と供述しているようですが、その心はどんな呪いに征服されていたのでしょう。
こんな残酷なことをしたって心がより空虚になるだけだし、様々な証拠が残るから必ず捕まるのにね!
◎銃刀法違反は、2年以下の懲役または30万円以下の罰金、動物愛護法は19年に改訂され、違反すると、5年以下の懲役または500万円以下の罰金に引き上げられています。