平成25年度夏季企画展のお知らせです!
「古山浩一 万年筆画の世界 ~稲敷市を描く~」
を平成25年7月26日(金)~9月15日(日)まで
稲敷市立歴史民俗資料館の企画展示室にて開催いたします。
古山浩一さんは、1955年10月1日東京生まれ。
現在、稲敷市月出里にお住まいの画家、絵本作家、
エッセイストです。
古山さんは、多彩な趣味をお持ちですが、
特に「万年筆」につきましては、一家言をお持ちの方です。
万年筆と言いますと、一定以上の年齢の方は、進学や就職の
お祝いにプレゼントされた記憶と、胸のポケットからのぞいた
黒いキャップと金色に光るクリップが、大人へと近付いたこと
を実感させてくれる小道具だったなど、様々な想い出があるの
ではないでしょうか?
近年では、往年に比べ万年筆を使う方も減って来ているようで
すが、古山さんは、古くから日本人が紙と墨が触れ合うことを
楽しんできた軟筆文化の長い伝統の延長線上、これを正統に
継承する現代の筆記具として万年筆を考えています。
万年筆メーカーが、耐水・耐光性のあるカーボンインクを開発し、
万年筆が絵画作品作りの道具として使えるようになると、古山さん
は絵を描くための特殊な万年筆を作ってくれる職人さん達を訪ね
歩いて、自分だけのオリジナル万年筆を制作してもらいます。
すると、あまりの描き易さと万年筆の豊かな表現力に驚き、
「万年筆は決して過去のものでなく、まだまだ可能性のある筆記
具であると確信した」といいます。
以来、古山さんは、万年筆に携わる人達の元へ取材に歩き、
日本の万年筆文化を記録し続けて10年余り、それまでの集大成を
2006年3月に『万年筆の達人』という360ページを超える一冊の本
にまとめられました。
その後、それらの事績が評価されて、2009年12月5日、
国立歴史民俗博物館(佐倉市)における
[歴博映像フォーラム4 「筆記の近代誌-万年筆をめぐる人びと-」]
において基調講演を依頼されています。
本職の絵画の方でも、毛筆のように線の幅、強弱を自在に表現
できる万年筆による作画を手掛け、万年筆とアクリル絵の具など
の混合技法も試みて制作をおこなっています。
今回の展示では、万年筆で描いた稲敷市内の風景画20点のほか、
日本国内・ヨーロッパのスケッチ20点、万年筆とアクリル絵の具
などの混合技法作品5点とアクリル画3点などの絵画作品や、
古山さんが挿絵を担当された絵本やその原画2点、カバン・
万年筆・カリカチュア10点、愛用の万年筆なども展示いたします。
是非、ご覧ください。
江戸崎 五百羅漢