稲敷資料館日々抄

稲敷市立歴史民俗資料館の活動を広く周知し、文化財保護や資料館活動への理解を深めてもらうことを目的にしています。

浮島の西戸崎の念仏衆の皆様がご来館くださいました!

2013年11月28日 | 日記
11月28日(木)。

本日、午後、稲敷市浮島の西戸崎の念仏衆の皆さんが
当館にご来館くださいました!



西戸崎の念仏衆の皆さんは、毎年、当館に揃ってご来館
くださいます。

その訳は…

こちら、

西浜観音堂の平安時代末期の楊柳観音菩薩に
お会いに来てくれるのです。



この観音菩薩は、元は浮島の西浜観音堂に安置されており、
浮島で女性が妊娠すると安産祈願にお参りに訪れ、無事に
子供が生まれると今度はお礼参りに訪れた場所です。

現在の浮島生れのお爺さんお婆さんの多くが、
生れてくる時にお世話になった仏様です。

また、西浜の観音堂は、藤原教長が庵を結んだ場所と
伝えられ、この観音様と浮島に教長が過ごした時期が
近いことから、一説には教長の念持仏だった、とも
伝えられています。


平成19年1月10日、観音堂の老朽化や観音像の損傷が
激しかったため、当館に寄託となりましたが、それ以来、
毎年、西戸崎の念仏衆の皆さんはご来館下さっています。


特に、今年は、念願であった観音堂の修理が完成した、
ということで、観音様にそのご報告に見えられた、との
ことでした。

平成8年から念仏衆の皆さんが、少しずつ貯金をして、
17年をかけて観音堂を修理されたとのこと。

市道を補修して貰い、境内の樹木を伐採するなど、
皆さんで力を合わせて、800年以上続いている信仰を
今に引き継いでいます。

本当に小さい、ささやかな話題ですが、地域の人々が
大切に思っていること、守っているものとして、
ここに紹介させていただきます。