稲敷資料館日々抄

稲敷市立歴史民俗資料館の活動を広く周知し、文化財保護や資料館活動への理解を深めてもらうことを目的にしています。

資料館講座「日本社寺建築のみどころ」を開催しました

2023年08月25日 | 日記
令和5年度稲敷市立歴史民俗資料館講座(全4回シリーズ)として、「日本社寺建築のみどころ」第1回目を8月19日(土)に稲敷市立図書館の視聴覚室で開催しました。

当日の参加者は、お盆明けの蒸し暑い日でしたが16名の出席がございました。暑さに負けず日本建築史がご専門の国立歴史民俗博物館名誉教授の濵島正士先生(86)が、稲敷市内の社寺建築や日本国内の社寺建築の魅力と、みどころについてパワフルにご講座を行っていただきました。



今回の講座ではまず初めに、当館館長のあいさつ、先生のご紹介から始まり、神社や寺院、個人宅の門について構造形式を図面や写真の画像を視聴覚室の大きなスクリーンを使って、迫力ある映像と巧みな話術で建築への関心を高めることから始まりました。

神社や寺院の門は、その神社や寺院の格式を決めるものとされ、高度な建築技術や精緻な装飾が施された門は、見る人に畏敬の念を抱かせたり、財力の大きさを誇示したりすることに利用されたようです。
稲敷市中でも、伊佐津にある円福寺の山門(高麗門)については、中世に建築された可能性があり、高麗門の中でも現在知られる中では最も古いと推測されているとのお話がありました。



次に、絵巻に描かれた門や安置仏等の写真などを使い、先生のお持ちの知識を余すところなくご講義いただき来場された受講者の心を鷲掴みにしていました。



講座の時間は、1時間30分の予定でしたが少しオーバーするほど、講師の熱弁と当日用意された資料の多さに受講者の皆さんは圧倒されるとともに、真剣にまた、大変興味を持ちになったのではないでしょうか。

また、次回の9月2日(土)の講座は、「仏堂」についてお話をしていただきますので、ご興味のある方がいらっしゃいましたら、飛び入り参加も可能ですので、ご来場いただければ幸いです。