あいにくの雨模様ながら、小田原城三の丸ホールへ行く。
目的は、「小田原北条氏誕生500年記念シンポジウム
事前申込のみでオッケ~の無料。
それなのに、講師陣がすばらしい!
黒田基樹・駿河台大学教授、柴裕之・東洋大学非常勤講師、
後藤宏樹・早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員、
諏訪間順・小田原城天守閣館長の先生方。
柴先生は、今放送中の大河ドラマ「どうする家康」の時代考証者、
黒田先生は、同じく「真田丸」の時代考証をなさり、
後藤先生は、「ブラタモリ」に何度もご出演。
どなたも、NHKに愛されていらっしゃるw
そして、小田原と言えば、もはや名物館長の諏訪間さん!!
各先生のお話も面白かったけれど、
寛いだ雰囲気のパネルディスカッションでの話題を
いくつか書き残しておく
(三の丸ホール)
小田原は戦国時代の北条氏の城・・・
といっても、昨年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で出てきた
北条氏ではない。
便宜上、「後北条」と呼ばれるのが、小田原の北条氏。
「後北条」氏は、備中出身で、
室町幕府に仕えていた北条早雲こと伊勢宗瑞に始まる五代のこと。
ざっくりいうと、「北条」の姓は、
二代目の北条氏綱が、鎌倉時代に執権を代々務めた「北条」氏に
あやかって、勝手に名乗り始めたのだw。
この改名に対し、足利氏の末裔である上杉家あたりは、
ケッって感じだったらしいけれど、
「北条」の名乗りは、なかなかの効果があったらしい。
今年は、その「北条」への改名から、500年なのだそうだ。
諏訪間館長がおっしゃる。
昨年、小田原城の見学者から
「(北条)義時さんは、いつ、この城を造るんですか?」と問われ、
「ずっとずっと、先だと思いますよ」とおこたえになったとか。
「氏綱の改名は、ものすごい効果。今でも続いているんですから」ww
もちろん、去年、主役の小栗旬さんが演じた北条義時と、
小田原の北条家とは、時代が全く違い、
義時さんは小田原・北条家の先祖でもない。
念のため。
ディスカッションでの黒田先生によると・・・
小田原合戦で、責任をとって切腹した、4代・北条氏政の首が
都に送られてきたとき、京都人は「ウソウソ」と信じなかったと
僧侶の日記に書かれているそうだ。
つまり、小田原の北条家は東国に一大文化圏を築いた名門と
都でも認知されていたという証だと、おっしゃる。
なるほど~
でも、もしかしたら、京雀も、鎌倉幕府の執権・北条家と
小田原の北条家は同じ一族と見なしていたのかもね、
つまりは氏綱の戦略に乗せられて・・・と、思ったのは私w
さらに、この日の実質的な進行役、諏訪間館長いわく・・・
「今日のシンポジウムは、完全に大河ドラマ『どうする家康』に
乗っかった企画です」。
そうはおっしゃるが、
徳川家康と小田原・北条家の関わりは、実は深い。
「小田原合戦」、いわゆる「小田原征伐」を、
小田原では「小田原合戦」と呼んでいる。
北条氏は豊臣秀吉に滅ぼされた。
北条氏が何か悪いことをしたわけではないのだから、
滅ぼされた上に、小田原自らが「征伐」を言う必要はない。
今回の大河ドラマでは、今日あたりに放送される
今川氏真の掛川城・籠城で、正室・早河殿が出てくるだろう。
早河殿は、3代北条氏康の娘なのだ。
でもそれ以外は、現段階での北条氏はスルーかい?と、
先生方も客席も興味は、そこ。
これは、歴史にイフはないと知りつつ・・・
書き残すメモ。
もしも、5代・北条氏直が生き残っていたら?と言う話。
氏直の正室は、家康の次女・督姫。
先週の「どうする家康」で、お葉(西郡の局)に生まれた女の子だ。
家康の娘聟であることから、
氏直は、父・氏政らが責任をとって切腹し、命を助けられる。
その後、高野山へ謹慎させられるが、家康は援助を惜しまなかった。
ところが、数年も経たず、氏直は、若くして疱瘡で亡くなってしまった。
疱瘡で死ぬことがなければ、確実に一国を任されることになっていたと、
信頼できる史料にあるそうだ。
毒殺などではなく、疱瘡で亡くなったのもまちがいないとのこと。
さらに、関ヶ原の合戦では、氏直は娘聟なのだから、
当然、家康の東軍に参じたはず。
となれば、終戦後は、娘聟の立場を大いに発揮し、
数カ国を有する大・大名となっただろう・・・と。
ああ・・・無念。
諏訪間館長は、重ね重ねおっしゃっていた。
「大河ドラマで取り上げてもらわないとね~~」
北条5代を大河ドラマには小田原の悲願。
静岡の歴史学者、あの小和田哲男先生も、
20年も前からおっしゃっているそうな。
「大河ドラマ」に取り上げられ認知度が上がらないと、
観光面が、やっぱり今ひとつ、盛り上がらない。
この日も、署名をよびかけられ、皆が協力していた。
おまけに「皆さん、(登壇者)四人の写真、じゃんじゃん撮って、
SNSにあげて宣伝して下さい」とのこと。
じゃんじゃん撮って、アップしたのが、こちらの記事w
ぜひ「北条5代を大河ドラマに!」
皆さま、よろしくお願い申し上げます!
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おつきあいいただき、どうもありがとうございます。
当日の資料や、メモなどをもとに、記事をまとめましたが、
思い違いや勘違いは、あるかと存じます。
素人のことと、どうぞお許し下さいませ。
伊東潤氏の小説は「城をひとつ」くらいしか、実は読んでいませんで・・・
読んでみたいのですが、なかなか。
北条の善政を受け継いだのが家康、と
知ったのは、思い出しました!
5.6年前に聞いた、小田原城の諏訪間館長や黒田基樹先生のレクチャーが最初でした。
冨樫氏の小説は、そのあと読んでいますね、訂正です。