<作品写真1> 聖セバスチァン <作品写真2> 同じ像の手の部分 <作品写真3> ローゼンクランツのマリア
Heiliger Sebastian Seine Hände Rosenkranzmadonna
Tilman Riemenschneider, 1510, oder 1515 Mainfränkisches Museum, Würzburg Tilman Riemenschneider, 1521-1522
Wallfahrtskirche St. Maria im Weingarten, Volkach
旅日記 No.1
リーメンシュナイダーとの出会い
私がリーメンシュナイダーの名前を知ったのは、生活クラブ生協で毎月発行しているブックレット「本の花束」を読んだときです。そこに、『リーメンシュナイダーの世界』(植田重雄著 恒文社)が紹介されていたのです。ちょうどドイツ人の兄妹とオーストラリアで友だちになったばかりだった私は、ドイツにいずれ彼らを訪ねたいと思っていました。せっかくドイツに行くなら、このリーメンシュナイダーの彫刻も見てみようかなというほどの気持ちでこの本を注文したのでした。
ところが届いた本を見てみたら、リーメンシュナイダーはずいぶん素敵な彫刻をたくさん彫っているのです。「これは絶対見たい」と思うようになりました。特に気になったのがヴュルツブルクにあるという聖セバスチァンの彫刻<写真1>でした。縄で木に縛り付けられ矢を射られたというこの聖人の手<写真2>を、リーメンシュナイダーは繊細に彫り上げています。まるでまだ生きているかのように。またフォルカッハという町には「ローゼンクランツのマリア」<写真3>という、バラの花で楕円形に囲まれたマリア像があるというのです。これも是非見てみたいと思ったのでした。
ドイツの友と訪ねるはずが…
ドイツのシュトゥットガルトにほど近い小さな町に、トルステンとシルビアは住んでいました。大学生の娘と私で彼らを訪ねたのは、1998年のこと、初めてのドイツへの旅でした。しかもドイツ人のお宅に泊まらせてもらうのですから、とっても緊張していました。
ドイツ国内は、彼らが一生懸命プランを考えて案内してくれるというので、直前までどこに泊まるのかもわからなかったのですが、ミュンヘンに行くことだけは聞いていました。ミュンヘンにはバイエルン国立美術館の中にリーメンシュナイダーの彫刻があるはずです。それを見たいと思っていることを彼らには伝えてありました。残念ながらヴュルツブルクには今回は行けないようでしたがまたの機会があるはずです。
私と娘はまずフランクフルト空港に降り立ちました。そこからシュトゥットガルトに飛びました。空港には2年ぶりに会うトルステンとシルビアが待ち受けていてくれました。彼らの家がどんなに素敵だったか、書くと長くなってしまうのでここではカットしておきます。
トルステンが運転し、シルビアがナビゲーターをしてのドライブは、約1週間続きました。ミュンヘンには3泊したのですが、いつどこへ行こうかとあれこれ相談しているうちに「曜日」を失念していて、バイエルン国立美術館に行ったときは何と月曜日でお休み! ほぞをかむ思いでした。でも仕方がありません。次にミュンヘンに来たら何が何でも月曜日以外に来てリーメンシュナイダーの彫刻を見るぞと決意したのでした。
次回は、ようやく見ることができたリーメンシュナイダー作品との対面を書きます。
※ このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015 Midori FUKUDA