▶︎15回目のドイツ旅行(9)小高い山頂のホーエンツォレルン城
9月14日(金)の続きです。
夕方、テュービンゲン旧市街の散策からホテルに戻ると、合流したシルヴィアとクラウスから小さな箱を受け取りました。箱の中には素敵な結婚式への招待状が! 前回会ったときに2019年に結婚式を挙げるけど来られるかどうかと聞かれてはいましたが、まだ日程がはっきりせず、三津夫の仕事(大学の非常勤講師)と重ならないかが気になっていました。この日受け取った招待状には7月27日挙式となっていたので、これなら大学も夏休みに入っているので大丈夫だねと確認して二人とも出席させてもらうことにしました。わぁ、外国での結婚式は初めて! 着物を着ようかどうしようか、でも夏用の着物は持っていないし、袷(あわせ)の着物では汗びっしょりになりそうだし、でもせっかくだからやっぱり着物を着たいし…。また来年ドイツまで来るのならこの結婚式をはさんでどんな旅行をしようかしら…などとあれこれ考えてドキドキ、わくわく。新たな目的ができたので帰国したら早速検討しなければ❤
夜は近くのイタリアンレストランをヴィリーが予約してくれて、5人で出かけ、私たちのおみやげと『祈りの彫刻 シリーズ第3巻』となる新刊本を手渡しました。あとは食べること、飲むこと、しゃべることに専念。なかなか本についての詳しいやりとりはできませんでした*¹。三津夫はシュトゥットガルトのアンゲリカの家でもビールをいただき、夜もレストランでドイツビールを飲んでご機嫌でした。私もビールが大好きだったらなぁと羨ましく思います。
*¹このあとシルヴィアは手紙で感想を寄せてくれました。「とても良い写真集だと思う。特にニコラウス・ゲルハルト・フォン・ライデンの女預言者の頭部、いわゆるオッテンハイムのベルベル(Nikolaus Gerhaert von Leyden の Sibylle „Bärbel von Ottenheim“)がとても気に入ったわ」とのことでした。何と、この作品は私も見る度にシルヴィアを思い出すのです。彼女の雰囲気とどこか似ている感じがするものですから。シルヴィアも何か感じてくれたのでしょう。
9月15日(土)は青い空が晴れ渡る好天。レストランでゆっくり朝食を取ってから5人でいざホーエンツォレルン城へと出発しました。こんなに良い天気なのですが、残念ながら写真を写すには逆光となり、今ひとつ美しいお城をカメラで捉えることができませんでした。テレビで見たのは別の高い場所から雲に囲まれたホーエンツォレルン城を捉えた景色で、幻想的で深く感動したのです。でも、そんな景色を見るには、多分長期滞在して車で自由に移動でき、朝早くからでも夕方遅くにでも条件の整ったときにサッとかけつけられる状態でないと難しいのでしょうね。
お城の入り口も中世風の兵士や楽士がいて雰囲気を盛り上げます。そして土曜日だからでしょうか、広場には鷹匠と何羽かの鷹がスタンバイしていて、もうじきショーが始まるとのことでした。日差しは真夏のように暑く、しばし日陰に避難。私はこの白い鷹が気になりました。
ここでは何人もの鷹匠がいて、おじいさんがボスのようです。少年も女性もいました。家族営業なのでしょうか。一番大きな鷹は主にボスらしき羽根飾りの帽子をかぶったおじいさんが扱い、空を飛ばせて呼び戻したりえさを手に載せて取らせたり。でも本当のメインはこのあとです。一人5ユーロで鷹を自分の腕に乗せられるのです。クラウスが「ミドリもやってみない?」と誘ってくれましたが、私は「写真を撮る方が良いわ」とやんわりお断りしました。そこでヴィリーの出番です。彼は子どもの頃から一度やってみたかったんだと、一番大きな鷹の順番を待ちました。そして彼の番になり、その大きな鷹を腕に止まらせるとこの笑顔。とても良い写真になりました。
お城の庭に設けられたビアガーデンでまたまたビールで乾杯! ここで作られている地ビールです。
テュービンゲンのホテルに戻るとヴィリーはアンゲリカの到着を待ち、私たち4人は旧市街へと繰り出しました。昨夜は遅めだったので教会も閉まっていたところがあり、見られませんでしたが、この日は片っ端から中に入ってみました。リーメンシュナイダーこそないものの、それぞれに歴史を感じさせる建物や祭壇がありました。途中でヴィリーからアンゲリカが到着した知らせが入り、皆で合流してカフェで休憩。その後、やっと6人で町の散策をすることができました。普段は鍵の閉まっている修道院がこの日、私たちの姿を見て門を開けてくれました。その思い出深い記念写真がこれです。
この日の夜は旧市街のレストランが混んでいて入れず、結局前の日と同じレストランへ。ホテルに戻ってみんなは中庭でもっとお喋りしたのですが、私はお腹の調子が今ひとつで早目に引き上げてしまったのが心残りです。この6人全員が再度集うのは来年の結婚式になるはずです。
※この文章を書いているのは暮れも押し詰まった12月29日。旅行から戻ってきて既に3ヶ月近くが経ってしまいました。今年はこれで終わりますが、来年又できるだけ早目に旅行記を仕上げたいと思います。皆さま、どうぞ健康でよいお年をお迎えください。
※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015 Midori FUKUDA