リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

369. 雲蝶を訪ねて2泊3日の旅(4)貴渡神社 その1

2024年12月03日 | 旅行

▶石川雲蝶の旅3日目は貴渡(たかのり)神社から

 


この日のメインは貴渡神社でした。中でも気に入った1枚がこの繭を煮る女性像です。


貴渡神社ー私たちのために門が開けられています。感謝!

 

▶心配だったのは、貴渡神社がナビに入れられなかったことでした。

 貴渡神社を訪ねるには連絡が必要とのことで、ホテルルートイン見附を出るときにまず栃堀区にあるという事務所に電話をかけました。すると拝観許可を快くいただくことができました。Googleマップにもナビにも貴渡神社は出てきません。ただ、ナビに住所を入れたところ、およその目的地が出たので、大体の方角はわかりました。近くに道の駅R290とちおがあることがわかったので、まずはそこを目的地としました。

 ちょうど9時過ぎにホテルを出発。道の駅R290とちおには10時前に着いたと思います。入口にインフォメーションがあったので地域の細かな地図をいただき、貴渡神社のそばに郵便局があると聞いて更に南下すること10分ぐらいだったでしょうか。その郵便局の表示が見えてきました。ここで車を停めて郵便局員さんに貴渡神社の場所を聞いたところ、歩いてすぐだとのこと。それなら車はここに置いて見に行けると胸をなで下ろしました。さらに、郵便局のすぐ隣に今朝電話をした事務所があったのです。ここが本に書かれている駐車場だったのでした。

 いよいよ貴渡神社の彫刻を見にいきます。神社らしき建物が見えてきましたが、ドアが開いていません。よく見たら名前が違うのです。変だなぁと探しながら郵便局方向に戻ると、何やら物置のような建物が見えてきました。近づくと門が開いていて、中がその貴渡神社だったのです。裏から通ったために全然気が付きませんでした。

 

▶写真を選ぶのに困りました。

 ようやくたどり着いた貴渡神社。既に『越後の名匠 石川雲蝶』(木原尚、新潟日報事業社)で素晴らしい彫刻が見られることはわかっていたのですが、いざ中に入ると本当に圧倒されました。今まで何度も見てきた獅子の彫刻も、ここではより一層躍動感にあふれていました。そのため、ここに載せる写真を選ぶのには大変苦労しました。結局ほとんどの彫刻を載せることになりそうです。


上2枚:正面向拝左右の獅子と獏 中:向拝中央の龍のアップ 下:正面全体


▶貴渡神社の彫刻の内容を簡単に説明しておきます。

 この内容は『越後の名匠 石川雲蝶』からいただいた知識です。拝観当時、まだこの本を読んでいなかった私は全体の繋がりはよくわかりませんでしたが、一つ一つの人物がとても穏やかで気持ちがなごみました。
 本によると、栃尾区で養蚕を推奨し、絹織物を始めた庄屋植村角左衛門貴渡を栃尾郷織物の祖神として霊を祀ったのがこの貴渡神社なのだそうです。知識のない私でも棚に並べられたのが繭だとはわかりましたが、最初に載せた女性像は繭玉を煮ているとはわかりませんでした。
 後から訪ねた栃尾区事務所では栃尾区長の武士俣幸村さんとお話を交わすことができました。
 武士俣さんのお話しによると、この貴渡神社の彫刻を、雲蝶は中国の人物像で彫ったので服装も日本人と違うこと、日本では繭玉は四角い籠に入れていたけれど、敢えて中国の丸い籠を彫ったことなどを伺い、更に理解が深まりました。

 このあと載せていく写真は羽目板の彫刻「蚕の飼育」と「機織り」の場面、脇障子の「繭煮」と「山桑摘み」の場面、そして最後が「戯れる十二支」となります。まずこの地域で盛んになったという栃尾郷の絹織物にまつわる場面を載せておきます。機織りの童子の後ろにある部屋の奥行きを感じさせる1枚は、雲蝶の力量に感銘を受けて載せました。十二支は次回に。

 

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2024  Midori FUKUDA

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