りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

“自由へ・・・―リーザ旅立ち―” ―全9場―

2013年10月16日 22時36分56秒 | 新作(人形劇用)



   
   


    

    〈 主な登場人物 〉


    リーザ   ・・・   本編の主人公。ある国のお姫様。

    アレク
    サンド   ・・・   リーザの教育係に選ばれた、重臣の
    ロス          年寄り3人組。

    アンドレ王子   ・・・   リーザの兄。

    王様   ・・・   リーザの父。

    お后様   ・・・   リーザの母。

    エレン   ・・・   寄宿学校の生徒。
    ジニー
    ハンナ 
    アミィ

    シスターマリア

    その他、生徒達。


― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


    ――――― オープニング ―――――


    



     「ある年、ある王国の王様とお后様の間に、女のお子様
     がお生まれになりました。王様とお后様、そして3つ違い
     のお兄様は、お姫様の誕生をそれはそれは喜ばれ、皆
     で慈しみ育てられたのでした。

     幼少の頃より、姫様の教育係として選ばれたのは、いろ
     いろなことを知る国の重臣年寄りの3人でありました。
     ご両親と兄上の愛情を一身に、そして重臣たちの手厚
     い教育を受け、リーザと名付けられスクスクと育ったお
     姫様はそれはそれは美しく、教養豊かでしとやかな姫様
     に成長された・・・のでしょうか・・・それは皆様、直接に
     ご覧になってくださいまし・・・。

     それではある国の物語、はじまりはじまりでございます。」
     
    ――――― 第 1 場 ―――――

         音楽が流れ、幕が開く。(紗幕前。)
         3人の老重臣(アレク、サンド、ロス。)
         誰かを捜すように回りを見回しながら、
         上、下手より其々登場。歌う。


    


       老重臣“姫様はどこ行った
            姫様はいずこだろ
            目を離したすきに
            姫様はどこだ
            まるで煙のように消えた   

            姫様がいないとは   コーラス“全くだ
            お転婆なお姫様          我々
            手に負えないぞ          年寄り家臣
            油断は禁物             なんてことだろ
            早く見つけないと大変だ”    どこ行ったんだ”

  アレク「とにかくもっとよく城の中を隅々まで捜すのじゃ。」
  サンド「そうじゃな。」
  ロス「まさか・・・城を抜け出して、また丘へ行かれたのではある
     まいな?」
  アレク「・・・いや・・・そんな筈は・・・」
  サンド「ついこの間、無断で城を抜け出したことに対して、王様
      がきつくお叱りになられたばかり・・・」
  ロス「そうじゃったな・・・」
  アレク「それにさっきまで大人しく、部屋の中で机に向かっておっ
     た筈・・・」
  サンド「ほんの少し目を離しただけじゃ・・・その間に城の外へ
      など・・・ホッホッホ・・・」
  ロス「いくら姫様でも・・・ホッホッホ・・・」
  アレク「まさか・・・」

         3人、顔を見合わせる。

       老重臣”姫様はどこ行った
           少しだけ部屋を出た
           そんな短い間に
           部屋を抜け出して
           まるで風のように消えたぞ

           姫様がいないとは  コーラス”油断した
           いたずらなお姫様         やれやれ
           いやな予感が           胸をかすめる
           まさかそんなこと         ありえないだろ
           早く見つけないと大変だ”    不安がよぎる”

  アレク「姫様ー!!」
  サンド「姫様ー!!」
  ロス「姫様ー!!」

       コーラス“美しいお姫様
             誰もが振り返るぞ
             だけどそれは上辺
             中身を覗けば
             誰もが驚くぞお転婆”

       老重臣“こんなことがいつまで  コーラス“本当に
            続くというのだろう          フラフラ
            明日で13才             やっとここまで
            少しは成長              何かが違う
            してもらわないと大変・・・     こんな筈では”
            大変・・・
            大変だ!”

  アレク「姫様ーっ!!」

         3人、下手へ走り去る。

    ――――― 第 2 場 ―――――


    


         音楽流れ、紗幕開く。と、丘の上。
         髪を無造作に結び、汚れたなりの
         一人の少女(リーザ)、上手より走り
         登場。歌う。

       リーザ“私は自由      カゴの中
            誰にも決して    出られない
            束縛されは     好きなこと
            しないわ いつも  自由には
            羽ばたく 私     できないの
            大空 翔る      飛び出すわ
            小鳥のように 
            行きたいとこへ行く      

       コーラス“自由はない カゴの中で”

       リーザ“いつか この大空       コーラス“必ず
            きっと飛び出すのよ           大空
            手に入れる自由             羽ばたく”
            誰にも止められない
      
            私はカゴの
            中から出して
            もらったことが
            ないのよ いつも
            守られ 一人
            囲われていた
            だけどこれから
            行きたいとこへ行く”
 
                              コーラス“誰もが
                                    自由に
                                    飛び出す
                                    あの彼方”

       リーザ“小鳥のように
            大空へ飛び出す”

  リーザ「明日は私の13才の誕生日なのよ!!3つ違いのお兄
      様は、13才になると一人前と見なされ、狩りに行くことを
      許されたのに、なぜ私は大人しく机に向かって礼儀作法
      を学ばなければならないと言うのよ!!そんなの不公平
      だわ!!私だってお兄様と同じように、馬を駆って野山
      を駆け巡り、狩りくらいできるわよ!!それにもっと色々
      なことを見たり聞いたりしたいわ!!」

         そこへ弓矢を担いだリーザの兄(アンドレ王子。)
         下手より登場。


    


  アンドレ「リーザ!」
  リーザ「お兄様!!」
  アンドレ「まさかまた僕について、こんな所まで来たんじゃあ・・・
       」
  リーザ「お兄様が弓を持って、馬で出て行くのが見えたから、き
      っと狩りだと思って後を追ったのよ!」
  アンドレ「父上や母上に黙って・・・じゃあないだろうね?」
  リーザ「だって・・・お父様に言ったら、きっと駄目だと言うに決ま
      っているわ・・・。私はもう明日で13才よ!いつまでもお城
      の中に囲われたお姫様ではイヤなの!私だってお兄様
      のように、色々なことを経験したいわ!ね?私もお兄様と
      一緒に狩りに行っていいでしょ?」
  アンドレ「(溜め息を吐いて。)困ったお姫様だな・・・。そんなこと
       父上がお許しになる筈がないよ。それにお城にいない
       ことがバレたりしたら、きっと父上に大目玉を食うぞ・・・。
       」

         音楽流れる。(紗幕閉まる。)

  リーザ「構やしないわよ!」
  アンドレ「やれやれ・・・」

         アンドレ、歌う。

        “いいつけ守ることだよ
         リーザの為だよ必ず
         父上の言うこと
         間違いはないよ
         きっとためになるさ
         そのうち分かる”

         リーザ、歌う。

        “大人しくしていなさい
         言うことを聞いていればいい
         いつでもカゴの中
         出ることは駄目だ
         自由なお兄様
         分からないわ
         広い大空の下で
         羽をのばしたい
         好きなこと
         してみたい
         夢見てる私”

       コーラス“自由でいたい
             いつでも
             大切にして
             いるだけ”

  アンドレ「仕方ないな・・・とにかく城へ戻ろう。」
  リーザ「えーっ・・・」
  アンドレ「“えー”じゃないよ!僕も一緒に帰るから・・・」
  リーザ「(溜め息を吐いて。)分かったわ・・・」

    ――――― 第 3 場 ――――― A

         紗幕開く。と、城内の様子。
         上手より王様、お后様登場。
         アレク、サンド、ロス、2人に続いて登場。

  
    

 
  王「何!?リーザが部屋にいないだと!?」
  アレク「はぁ・・・」
  王「勉強もしないでリーザは一体どこへ行ったと言うのだ!?」
  サンド「今、あちこち捜し回っておるのですが、どうも城の中に
      は・・・」
  王「まさかまた城を抜け出したと・・・!?」
  アレク「申し訳ありません王様!!」

         王、歌う。

        “いつになれば分かるのだ
         心配ばかりかける
         青い空を飛ぶ
         手に負えない小鳥だ”

         アレク、サンド、ロス歌う。

        “どこにいるのだ姫様
         我々の大切な
         少しお転婆だ
         油断も隙もないぞ”

         后、歌う。

        “慈しみ育ててきた
         2人共が同じに
         なのにあの子だけ
         丸で小鳥のようね”

  アレク「我々3人がお側についておきながら・・・」
  サンド「ほんの少し部屋を離れた間に・・・」
  ロス「まさかと思っておったのですが・・・」
  アレク「もう少し我々も捜し行ってみると致しまする・・・」


    

    

         3人、上手へ去る。

  王「全くリーザは・・・。つい数日前、黙って城から抜け出したこと
    をきつくとがめたばかりだと言うのに!」
  后「あなた・・・リーザも明日で13才ですわ・・・。アンドレ同様、
    少しくらい自由にさせてやってもいいのではないでしょうか
    ・・・」
  王「ならん!!アンドレはいずれ私の跡を継いで、この国の王
    座につく身!!この国を治めていかなければならない大切
    な役目を担っているのだ!!王子である今から色々と世の
    中を見聞きし、知識を広げ力をつけなければならないと言う
    目的があってのこと!あと数年もすればどこかの王国へ嫁
    いで行くリーザとは訳が違うのだ。」
  后「あなた・・・そんな風に仰っては、リーザが可哀想ですわ・・・
    。」
  王「だがしかし・・・嫁ぐと言っても、あのようなお転婆では・・・。」

         王、歌う。

        “甘やかし過ぎてきたか
         いつの間にあのように
         みんなわがままを聞いた
         それが間違い”

         后、歌う。

        “いつまでも腕の中に
         いると思っていたわ
         だけど飛び立つ
         時がくるのよ誰にも”

  王「そんなことは分かっている。だからリーザには学ばねばなら
    ぬことが沢山あるのだ。私の手から離れて行ってしまうまえ
    に・・・」
  后「あなた・・・」










    
 ―――――“自由へ・・・―リーザ旅立ち―”2
                          へつづく―――――











   

― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


  (どら余談^^;)

  エリィちゃん作品を録り直しする為、新作の練習を一旦
  お休みして、昨日はエリィちゃん作品の台詞練習をしました♪

  一度録音した作品なので、とても難しい作品だったのですが
  なんとかなるか・・・と思っていたのですが、やっぱり難しい
  作品に変わりありませんでした(^^;

  初めてミュージカル作品と言うことを強く意識して書いた
  作品だったので、兎に角“歌”が多くて難しい・・・(>_<)
  でも、私達の実力も当時に比べると、多少上がっているかな
  ・・・と思えるので・・・(^_^;)・・・ま・・・なんとかなるでしょう
  ・・・(^^;

  今月中に録音予定です♪




























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