妹の社会復帰(?)も、着々と進んでいる。
居住地の文京区役所も、動いてくれている。
介護認定の審査のために、わざわざ、江東区の病院まで、出向いてくれるそうだ。
介護の認定を受けられれば、老人ホームへの入居もできる。
いくら、体は元気になったとはいえ、一人で生活が営める頭の状態ではない。
マンションの清掃が終わり、生活できる状態になったとはいえ、壊れてしまった妹
には、もう、毎日の生活は一人では無理だ。
どこか、介護してくれるホームを探すからね…という私の言葉に、
「マンションに帰るわ。」
「ゴミだらけで、住めないわよ!」
「誰が、そんなにごみを溜めたの~?」
「あなたよ!」
「嘘よ! 誰か、よその人がしたのよ! 私じゃないわ。」
「・・・・」
ひょっとして、姉の私にまで、疑いの目を向けてくる妹に、涙が出そう…。
昔の妹ではないと、割り切らないと、ママが壊れるよ…と、息子は覚めた思いで
私に言う。
お金のない(?)妹が入れるような施設は、待機者143名だそうな…。
亡き父の遺産や、もろもろの資産を合わせて、億近いお金を持っていた妹だ。
いつも、ピーピーしていた姉を、薄ら笑いで見ていた妹。
旅行や歌舞伎三昧の妹だったけれど、わずか数年で消えてしまうものなのか…。
それらのお金はどこに行ってしまったのか…。
不思議でならない。
それにしても、お金さえあれば…。
素晴らしいホテルのような施設も、世の中には、うじゃうじゃ、ある。
この国は、どうなっているのだろう…。