しまむら,来期から都市部に重点ー出店の7割,政令市中心に
衣料専門店のしまむらは2012年2月期から都市部への出店を加速する。年間70以上を予定する新規出店の7割程度を東京都区部や政令指定都市などにする計画。さらに小型店を加えることで加速度的に店舗数を増やし,しまむらレディースと合わせ中長期的に2000店体制にしたい考えだ。
同社は全国で主力業態店を約1200店運営するが,都市部の店舗比率は約15%にとどまる。このため東京都区部では07年に高田馬場,09年には三軒茶屋に出店するなど,都市部での店舗運営のノウハウ蓄積を進めていた。
都市部は店舗物件の均一化が難しいため,1100平方メートルを標準としてきた売り場面積を330~1600平方メートルと多様化する。これまで主力としてきた郊外の幹線道路沿いの立地は全国展開が一巡したことから,手薄だった都市部に店舗網を広げる。
>>>しまむら,都市部出店拡大 郊外展開ほぼ一巡
婦人衣料・雑貨特化の小型店,名古屋に1号店
しまむらは婦人衣料・雑貨に特化した新型店を開発し,都市部への出店を拡大する。広さを従来の店舗よりも3~6割に縮小し,商業ビルなどに機動的に出す狙い。昨年,9月に名古屋市中心部に1号店を出店した。郊外の幹線道路沿いに売り場面積約1000平方メートルの店を単独で出してきたが,全国展開がほぼ一巡したことから,小型店をテコに手薄な都市部を開拓する。
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しまむらの店舗戦略は,地域集中出店と小商圏対応にあります。この点に関して同社は経営戦略について,HPで次のように示しています。(全文転載)
1)店舗と商圏 http://www.shimamura.gr.jp/company/business/13/
1-1 ドミナント開発(地域集中出店)
ドミナント出店はチェーンストアにとって運営管理、物流などの効率化と高度化の基本原則です。しまむらは人口10万人当たり1店舗の出店を目指しており、こうすることで知名度の向上と運営の効率化が一気に進んで業績が目覚しく向上します。
1-2 適正規模と快適性(小商圏対応)
お客様の買いやすさは店舗、売場へのアクセスのしやすさと、商品の選びやすさです。私たちはデイリーファッションの店舗としては売場の広さを 1000㎡と1300㎡が最適規模と考えています。一時はとにかく大きい店舗をという風潮が世界中に蔓延しましたが、しまむらは全てに適正を追求する考えから、規模と店舗グレードの向上に対応しています。
2)立地開発 http://www.shimamura.gr.jp/company/business/14/
2-1 小商圏で高寡占
日本の平均世帯あたりのデイリーファションの購買額は、総理府の統計によると5000~7000世帯の商圏での購買力は約10億円となります。しまむらはその商圏購買力の1/3以上の占有率を占める3.3億円の売上が1店舗の基本です。
2-2 適正立地と用地開発
店舗業績を左右する立地の開発を、多くの小売業では不動産業者に任せているため、適正を欠いているものが多く見られます。私たちしまむらでは、店舗の適正立地と用地の基準をマニュアルに規定し、商圏調査から始まって、地主との交渉、契約に至るまでしまむらの開発部で行っており、これも業界で高い注目を集めています。
3)エリアマーケティング・立地戦略--小商圏で高寡占
日本の平均世帯あたりのデイリーファションの購買額は、総理府の統計によると5000~7000世帯の商圏での購買力は約10億円となります。しまむらはその商圏購買力の1/3以上の占有率を占める3.3億円の売上が1店舗の基本です。
▼「しまむら」-バックナンバー
・しまむらのエリアマーケティング-店舗戦略
・しまむらのビジネスモデル-小商圏・地域集中出店 / 物流優先
・身の丈経営 「しまむら」の物流力の凄み 2
・身の丈経営 「しまむら」の物流力の凄み 1
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財界 2012年 1/24号 [雑誌] |
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