「身の丈」経営,「身の程」人生

身の丈,身の程を知って生きる・・・・・

陽はまたのぼる・14  「鹿児島県内企業の経営破たん止まらず」

2013-06-11 02:14:46 | 九州経済(地域経済)

  安倍政権発足後,日本経済は円安と株高による先行き期待感が強まっていた内閣府が10日発表した1~3月期の国内総生産(GDP)改定値は物価変動の影響を除いた実質で前期比1.0%増、年率換算で4.1%増と伸びた。特に高額品の売れ行きが良かったことから個人消費が同0.9%増と堅調だった

 消費動向調査では1年後の物価見通しは、83.1%が「上昇する」と答えている。電気料金の引き上げや円安による輸入品の値上がり、消費増税など景気の不安要因は絶えない。さらに株式市場の混乱が長引けば、期待が先行して高成長となった日本経済の先行きに不透明感が強まるであろう。

 地方経済は依然として,閉塞感が漂う。鹿児島県でも企業破たんの事例は絶えない。

 ■------------------------------------------------------------------■
  霧島市 「薩摩麦酒」と関連会社「黄金酒造」が自己破産   
  ■------------------------------------------------------------------■

  不景気.com http://www.fukeiki.com/ によると,酒造業の「薩摩麦酒」(鹿児島県霧島市国分姫城3080-1 資本金:1億1,250万円)と及び関連会社「黄金酒造)(鹿児島県霧島市国分敷根2804)は、5月31日付で東京地方裁判所へ自己破産を申請し倒産した。

 1995年に設立の薩摩麦酒は、地ビールの製造販売に加え「薩摩ビール園」の名でテーマパークおよびレストランを経営していた。また,1949年に「五領酒造」として設立の黄金酒造は、1997年に現商号へ改称し,遠赤焙煎仕込みの独自製法による焼酎の製造販売を主力に事業展開していた。

 関係会社だった健康補助食品販売の「健康医学社」(東京都港区)が2012年8月に経営破綻したことにより,両社の信用も失墜し厳しい資金繰りを余儀なくされた。このため事業継続は困難と自己破産を申請した模様である。

 信用調査会社 http://ib-tousan.jp/2013/06/07/post_16_t1324_1.html ,健康医学社被害者の会などによると、薩摩麦酒の負債額は約24億3,500万円,黄金酒造の負債額は約7億7,000万円で2社合計の負債総額は約32億200万円。

(株)健康医学社 第三者破産申立 

 (株)健康医学社(東京都港区芝、設立昭和1967年7月27日、資本金7200万円、黒岩裕勇起社長)に対して2012年8月7日、債権者37名(債権額4億800万円)が東京地裁に破産を申し立てた。
 負債総額は70億円以上になるとも聞かれるが、現時点では詳細は判明しない。

 黒酢を主力とした健康食品のほか医療器具の製造、さらに健康医学書の販売などを手掛け、当初は全国の代理店(18社)を通じて販売し、ピーク時には年商約15億円を計上していた。しかし、「ここ10年間で売上高が大きく落ち込んだため、従来の代理店経由の販売方法をやめ、直接販売体制に切り替え強化を図ってきた」(会社)。

 一方で、現代表者が就任した頃からM&Aによる関連会社を増やすとともに、鹿児島工場(鹿児島県霧島市)内にあるとする温泉の使用権を債券化し1口200万円、3年間利回り2%などと謳い一般個人から出資を募っていた。この配当や償還に関連しインターネット上でもトラブルが伝えられていたなか、支払いに応じてもらっていないとする「被害者の会」が2012年6月に発足していた。

 会社側では「確かに一部の支払いに遅れが生じていたが、その後、解消している」と話していたが、同会代理人の野村弁護士によると「全国で被害者は約700人、被害額は70億円にのぼるとみられる。従来の販売代理店のなかには商品(健康食品)の供給が途絶えたり販売手数料を受け取っていない業者もある」などとし、法的措置を検討していた。
  出典:「東京商工リサーチHP」 http://www.tsr-net.co.jp/news/flash/1220951_1588.html

 

■------------------------------------------------------------------■
  南九州市 (株)秀王牧場(牧場)~破産手続開始決定   
  ■------------------------------------------------------------------■

 肉用牛の(株)秀王牧場(鹿児島県南九州市知覧町)は4月30日,鹿児島地裁知覧支部において破産手続きの開始決定を受けた。


■------------------------------------------------------------------■
     鹿児島の海運業「共同組海運」が民事再生法申請    
  ■------------------------------------------------------------------■

 鹿児島市に本拠を置く海運業の「共同組海運」は,5月7日付で鹿児島地方裁判所へ民事再生法の適用を申請したことが明らかになった。

 1950年に設立の同社は,コンテナ・建材・車輌など離島向け貨物フェリーの運航を主力に事業を展開し,鹿児島本土と種子島・屋久島・奄美諸島を結ぶ輸送サービスとして事業を拡大していた。

 しかし,積極的な設備投資による借入金が資金繰りを逼迫したため,自力での再建を断念し今回の措置に至ったようである。
 読売新聞(電子版)などによると,負債総額は約15億円の見通しとのこと。


■------------------------------------------------------------------■
  鹿児島の建設業「サンケイ建設」が自己破産申請し倒産
 ■------------------------------------------------------------------■

 鹿児島県鹿児島市に本拠を置く建設業の「サンケイ建設」(鹿児島市薬師1,従業員35人)は,5月1日付で鹿児島地方裁判所へ自己破産を申請し倒産した。

 1972年に設立の同社は,橋梁工事を主力に事業を展開し,大手ゼネコンの下請け工事を中心に事業を拡大していた。

 しかし,競争激化による工事採算の悪化で厳しい環境に陥ると,借入金が資金繰りを逼迫したため,これ以上の事業継続は困難と判断し今回の措置に至ったようである。

 帝国データバンクおよび東京商工リサーチによると負債総額は約33億円の見通しで,今年に入って県内最大の倒産となる。福証上場の「南日本銀行」が貸出債権12億8600万円について取立不能または取立遅延のおそれを明らかにしている。

債権の取立不能又は取立遅延のおそれに関するお知らせ
                                    -- 南 日 本 銀 行HPより

 当行の取引先であるサンケイ建設株式会社が,平成25 年5 月1 日付で鹿児島地方裁判所に破産の申し立てを行ったことに伴い,下記のとおり,同社に対する債権について取立不能及び取立遅延のおそれが生じましたのでお知らせします。
            記
1.サンケイ建設株式会社の概要
(1)商 号 サンケイ建設株式会社
(2)所 在 地 鹿児島県鹿児島市
(3)代表者の氏名 ◎◎◎
(4)資 本 の 額 30百万円
(5)事 業 の 内 容 建設業
2.サンケイ建設株式会社に対する債権の種類及び金額
  貸 出 金 1,286 百万円
3.今後の見通し
上記債権額につきましては,担保・引当金等により全額保全されており,本日公表の
平成25 年3月期通期の業績予想に変更はありません。



■------------------------------------------------------------------■
  (鹿児島県鹿屋市)養豚農場経営「西田ファーム」が事業清算か 
  ■------------------------------------------------------------------■

 東証1部上場の飼料メーカー「協同飼料」は,取引先の養豚農場経営「西田ファーム」(鹿児島県鹿屋市)が事業清算に向け2月に養豚農場設備を売却したほか,3月に家畜を売却することとなり残余の財産がほとんどなくなることから,売掛債権など4億7900万円について取立不能のおそれが発生したことをあきらかにした。


■------------------------------------------------------------------■
 「ふるさと観光ホテル」が破産開始決定受け倒産             
   ■------------------------------------------------------------------■

 鹿児島県鹿児島市に本拠を置くホテル経営の「古里観光」は,2012年10月2日付で鹿児島地方裁判所より破産手続の開始決定を受け倒産した。

 1935年に創業の同社は,鹿児島・桜島の古里温泉にて客室数24室の温泉宿泊施設「ふるさと観光ホテル」を経営し,海を見渡す絶景の露天風呂が人気を得ていました。

 しかし,景気低迷による旅行需要の落ち込みや桜島の降灰の影響で業績が悪化すると,資金繰りの行き詰まりから事業継続を断念し今回の措置に至ったようである。読売新聞(電子版)が伝えたところによると,負債総額は約7億6000万円の見通し。


■------------------------------------------------------------------■
  ス-パー「まるいストア」 日置市 (株)やまぐちの破たん 
   ■------------------------------------------------------------------■

◆まるいストアが2012年9月末で全店舗を閉鎖
 鹿児島市内を中心に県内で11店舗を展開している「まるいストア」が,2012年9月末ですべての店舗を閉鎖した。東京商工リサーチによると,「まるいストア」は鹿児島市に1965年創業,鹿児島市を中心に霧島市などでも出店し,年間の売上高はピーク時には50億円台に達した。だが,個人消費の低迷や,大手コンビニなどとの競争激化で,売上高は2002年に50億円を割り込み,その後は減少傾向で推移,2009年度からは3期連続で赤字決算となり,去年6月期決算で,売上高はおよそ29億円にまで落ち込んでいた。

◆日置市のスーパー「やまぐち」が自己破産
 鹿児島県内では,2012年8月,日置市などでスーパー「やまぐちバリュー」を展開していた「やまぐち」が営業を停止し自己破産の手続きに入っている。

 

財界九州 2013年 06月号 [雑誌]
  • TOP INTERVIEW:
    【さがトップ対談】古川 康 佐賀県 知事 × 佛淵 孝夫 佐賀大学 学長
    「先端医…
  • 業界・地域レポート
    山口FGに「融資一本化」した井筒屋/旧取引金融団との間にはしこりも…!?
    維持された「みどりブランド」と「大分県の酪農業」/九州乳業が阪神酒販グループ傘下に
財界九州社

 

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 鹿児島の「薩摩麦酒」と「黄... | トップ | 千葉県八千代市 量販店での... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

九州経済(地域経済)」カテゴリの最新記事