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七〇歳年下の君たちへ: こころが挫けそうになった日に | |
エリート高校生たちを相手に、「人生の危機」からの脱出術をやわらかく |
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新潮社 単行本:1458円 |
五木寛之氏は,今年9月30日で86歳。「さらばモスクワ愚連隊」で小説現代新人賞を受賞してデビューされたのが昭和四十一年ですから、作家歴も五十二年の長さになります。ミリオンセラーを何冊も出すなど半世紀以上も小説界のトップランナーであり続けています。
この本『七〇歳年下の君たちへ: こころが挫けそうになった日に』は「こころが挫けそうになった日に」という副題が付いているように、五木さんがこれまでの人生を振り返りながら、心が折れそうになった時をいかにやり過ごすかの貴重なヒントを高校生たちに語っています。
五木さんご自身が,憂鬱な時を何度もくぐり抜けてきたからこそ賭けた本だと思います。本の中にもありますが、まず大きかったのは終戦の時、平壌から内地へ引き揚げてくる時に大変な苦労をされています。
五木さんは語っています。「祖国に帰れなかった人びとへの申訳なさを背負って、世間の片隅でひっそり生きていきたい、という気持ちをずっと持っていた。そのギャップでだんだん鬱っぼくなってきましてね。結局、仕事を整理して、ソ連と北欧に逃げだしたのです。その旅で見聞したものを小説の形で残しておきたいなと思ったのが、デビューのきっかけです。」
出典:「波」2018年11月号 58~63ページ 新潮社刊
七〇歳年下の君たちへ―こころが挫けそうになった日に― | |
才能の質量は人によって違いますか?何を「生きる目的」にしていますか? |
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新潮社 Kindle版 1166円 |