ベストプラクティスとは,「最適なる実践」のことです。平たく言えば,優れた事例や成功事例を手本としての物真似です。ここで強調しておきたい点は,単なる物真似というのではなく,優れたあるいは成功した事例や手法を研究し,そこに独自性を加えて,自社の経営風土に合致委したかたちで採用をしていくことにあります。
一時業績が低迷した無印商品ブランドの良品計画は,衣料品チェーンの<しまむら>の経営手法,特に店舗開発,店舗運営の手法をお手本とし,自社流のマネジメントシステムを再構築し,V字回復を果たしました。
急速に加速し,かつ,深化する景気後退のもとでは,小手先の対症療法で問題解決をはかるのではなく,長期的視野に立っての課題形成が必要であります。とは言っても,おいそれと斬新な発想が浮かぶものでもありません。そこで,成功事例や優れた考え方,その成功の秘訣をじっくり研究(ベンチマーク)して,企業の次代に向けての「あるべき姿」を練るうえでの参考にしていこうとするものです。
◇ ◇
東横インは,日本各地に展開する大手ビジネスホテルチェーンである。鹿児島市内にも,鹿児島天文館1,2と二つのホテルがあり,立地の良さと5千円台の低料金で出張客に人気のホテルのひとつである。
名称の「東横」は,発祥の地が東京と横浜のほぼ中間に位置する蒲田だったことに由来し,東急グループとは無関係である。2006年にハートビル法に関連した法令違反で,創業者の西田憲正(元会長)が批判を浴びた。それはさておき,このホテルのマーケティング,経営戦略に着目する。
◇ ◇
「駅前旅館の鉄筋版」をコンセプトにする東横インは,シティホテルにあるような宴会場やレストラン、バーなどを置かず,「寝る場所」の提供に特化している。すなわち,ビジネスパーソンの出張時に宿泊するホテルに求める機能・サービスの提供に徹底しているのである。
繁華街に立地のホテルならば,館内にバーやレストランがなくても,宿泊客は不便を感じない。約5畳の室内であるが,セミダブルサイズのベッドを設置。室内には高速LANを配備しており,客はパソコンを持参すればインターネットに無料で接続できるようにしている。室には空らの冷蔵庫があるので,客はコンビニエンスストアなどで買ってきたものを自由に冷やせる。
つまり,宿泊客自身が処理可能なサービスに関しては,ホテルでは一切提供せず、宿泊客,すなわちサラリーマンの出張者の最低限のニーズ<快適な眠り>に必要な設備やサービスの提供に特化することで、低価格料金を実現している。
なお,朝食はおにぎりや味噌汁,パン、コーヒーなどがロビーでセルフサービスで無料提供される(実質的には,宿泊料金に含まれていると推察する)。
多くのホテルでは、宿泊以外にも宴会場やレストラン,バー,など,幅広いホテル利用客の要望に応えるべく設備や人的サービスを提供している。当然のことながら,その分は宿泊料金に加算され高額となる。
東横インでは,従来のホテルが顧客に提供しているサービスを洗い出し,その中からビジネスの出張客に必要最低限のサービスを組み合わせた。その結果,ビジネスパーソンを対象にした低料金の宿泊特化型ホテル業態を生み出し,広く支持されている。
流通業界にあっても,良品計画,ユニクロ,しまむらやニトリといったSPA型アパレルチェーンが台頭したように、市場が成熟化すると,ターゲットを絞り込ん店が繁盛している。
この東横インのやり方は、ホテル業界以外でも、新たなビジネスモデルを創る手法の1つとして応用できる。全く新しいことを発想しようとするのではなく,「新しい組み合わせ」を考えることも,成功へつながる。
▼関連ブログ
・ベストプラクティス5 きみまろさんに学ぶ ドラッカーの教えを実践
・ベストプラクティス 4- きみまろさんに学ぶ 先用後利
・ベストプラクティス 3- きみまろさんに学ぶ 先用後利-損して得取れ
・ベストプラクティス2- きみまろさんに学ぶ 「先用後利」の精神
・成功事例に学ぶ-ベストプラクティス-1
▼関連HP:
マーケティング講座 -売れて儲かるしくみづくり-
http://kobayashi.clever.mepage.jp/area/area_index.htm
-----------------------------------------------------------------------------
★東横インの本 なぜあの会社は儲かるのか★
一時業績が低迷した無印商品ブランドの良品計画は,衣料品チェーンの<しまむら>の経営手法,特に店舗開発,店舗運営の手法をお手本とし,自社流のマネジメントシステムを再構築し,V字回復を果たしました。
急速に加速し,かつ,深化する景気後退のもとでは,小手先の対症療法で問題解決をはかるのではなく,長期的視野に立っての課題形成が必要であります。とは言っても,おいそれと斬新な発想が浮かぶものでもありません。そこで,成功事例や優れた考え方,その成功の秘訣をじっくり研究(ベンチマーク)して,企業の次代に向けての「あるべき姿」を練るうえでの参考にしていこうとするものです。
◇ ◇
東横インは,日本各地に展開する大手ビジネスホテルチェーンである。鹿児島市内にも,鹿児島天文館1,2と二つのホテルがあり,立地の良さと5千円台の低料金で出張客に人気のホテルのひとつである。
名称の「東横」は,発祥の地が東京と横浜のほぼ中間に位置する蒲田だったことに由来し,東急グループとは無関係である。2006年にハートビル法に関連した法令違反で,創業者の西田憲正(元会長)が批判を浴びた。それはさておき,このホテルのマーケティング,経営戦略に着目する。
◇ ◇
「駅前旅館の鉄筋版」をコンセプトにする東横インは,シティホテルにあるような宴会場やレストラン、バーなどを置かず,「寝る場所」の提供に特化している。すなわち,ビジネスパーソンの出張時に宿泊するホテルに求める機能・サービスの提供に徹底しているのである。
繁華街に立地のホテルならば,館内にバーやレストランがなくても,宿泊客は不便を感じない。約5畳の室内であるが,セミダブルサイズのベッドを設置。室内には高速LANを配備しており,客はパソコンを持参すればインターネットに無料で接続できるようにしている。室には空らの冷蔵庫があるので,客はコンビニエンスストアなどで買ってきたものを自由に冷やせる。
つまり,宿泊客自身が処理可能なサービスに関しては,ホテルでは一切提供せず、宿泊客,すなわちサラリーマンの出張者の最低限のニーズ<快適な眠り>に必要な設備やサービスの提供に特化することで、低価格料金を実現している。
なお,朝食はおにぎりや味噌汁,パン、コーヒーなどがロビーでセルフサービスで無料提供される(実質的には,宿泊料金に含まれていると推察する)。
多くのホテルでは、宿泊以外にも宴会場やレストラン,バー,など,幅広いホテル利用客の要望に応えるべく設備や人的サービスを提供している。当然のことながら,その分は宿泊料金に加算され高額となる。
東横インでは,従来のホテルが顧客に提供しているサービスを洗い出し,その中からビジネスの出張客に必要最低限のサービスを組み合わせた。その結果,ビジネスパーソンを対象にした低料金の宿泊特化型ホテル業態を生み出し,広く支持されている。
流通業界にあっても,良品計画,ユニクロ,しまむらやニトリといったSPA型アパレルチェーンが台頭したように、市場が成熟化すると,ターゲットを絞り込ん店が繁盛している。
この東横インのやり方は、ホテル業界以外でも、新たなビジネスモデルを創る手法の1つとして応用できる。全く新しいことを発想しようとするのではなく,「新しい組み合わせ」を考えることも,成功へつながる。
▼関連ブログ
・ベストプラクティス5 きみまろさんに学ぶ ドラッカーの教えを実践
・ベストプラクティス 4- きみまろさんに学ぶ 先用後利
・ベストプラクティス 3- きみまろさんに学ぶ 先用後利-損して得取れ
・ベストプラクティス2- きみまろさんに学ぶ 「先用後利」の精神
・成功事例に学ぶ-ベストプラクティス-1
▼関連HP:
マーケティング講座 -売れて儲かるしくみづくり-
http://kobayashi.clever.mepage.jp/area/area_index.htm
-----------------------------------------------------------------------------
★東横インの本 なぜあの会社は儲かるのか★