地域再生プランナーの久繁哲之介氏がブログ「商店街を活性化したいなら,顧客&よそ者の声を聞こう!」http://hisa21k.blog2.fc2.com/blog-entry-167.htmlで,鹿児島市を事例に手厳しい論評を寄せています。参考までにそのあらましを転載します。
私も,氏の意見に同感です。だが,“鹿児島の名誉”のために,一言,添えておきます。 鹿児島にも永年にわたり知恵を絞り独自性を発揮して,顧客や識者の声を取り入れながら商店街の発展に取り組んでいる商店街もあります。宇宿商店街振興組合 http://www.usuki.or.jp/index.htm (理事長 河井達志・組合員数 39名) は,「頑張らないけどあきらめない 楽しむこと」をまちづくりの精神にとして,「よその成功事例,それを真似して作る箱物や商品」づくりに陥ることなく,独自性に富むさまざまなアイデアと企画で商店街の活性化に取り組んでいます。
久繁哲之介氏の叱責にあわせて,「鹿児島発の商店街繁盛に向けての取り組み」の一端を紹介します。
-------久繁哲之介氏の論評--------------------------------------------------
◆商店街を活性化したいなら,顧客&よそ者の声を聞こう!
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http://hisa21k.blog2.fc2.com/blog-entry-167.html
商店街活性化をテーマに鹿児島市で商店主や市役所職員を対象に講演した2月26日の話です。
鹿児島で最も賑わう商店街「天文館」も,他都市の商店街と同じように,かつての賑わいを失い,空店舗が増えています。 そこで,鹿児島市の事業として「商店街の活性化と,空店舗を埋める方法」をテーマに講演しました。
私は,たぶん皆さんが「顧客として感じた」通りの視点から話をしました。しかし,地元の商店主・市役所職員は,私(顧客&よそ者)の話には全く無関心で「どんな施設・商品を新たに作れば,賑わう商店街・観光地になるかよその成功事例を教えろ」と言うのです。
これは鹿児島に限らない衰退する都市に共通する深刻な問題です。つまり,「顧客&よそ者が,自分の商店街や観光地をどう感じているか,気がつけない」「顧客&よそ者が感じたことを伝えてあげても,関心をもてない」
関心事は「よその成功事例,それを真似して作る箱物や商品」にしかないのです。
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┃★┃ 鹿児島市 宇宿商店街振興組合の取り組み
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JR宇宿駅・市電脇田電停を中心に鹿児島市宇宿1丁目・3丁目・4丁目・宇宿町にまたがる地区で宇宿本通りと旧国道に面した通称宇宿商店街と呼ばれる区域です。近年,半径2㎞圏の臨海工業地にイオンなど次々と大型ショッピングセンターが開店しました。
1000台規模の駐車場を備えた大型ショッピングセンターの集客力はすさまじく,宇宿商店街の目抜き通りはショッピングセンターに向かう車の通り道となりました。だが,宇宿商店街の年間小売販売額はショッピングセンター開業前の水準を維持しています。
◆活性化活動
宇宿商店街振興組合 http://www.usuki.or.jp/index.htm(理事長 河井達志・組合員数 39名) は,「頑張らないけどあきらめない 楽しむこと」をまちづくりの精神として,宇宿商店街の活性化に取り組んでいます。
賑わい創造集客事業として「宇宿商店街夏祭り」の開催や人と人との交流拠点「まちの駅宇宿」の開設,担い手育成としての「中学生商人選手権」の開催,鹿児島B級グルメ「S-1グルメグランプリ」の開催と,商店街活性化に地道に取り組んでいます。
◎活性化の7プラン (宇宿商店街振興組合HPより)
1.商店街「地域学教室」の開校。
2.地域住民と学生および商店主の協働(コラボレーション)による「裏路地文化空間創造事業」の実証実験。
3.新たな担い手によるチャレンジショップの開店。
4.市電(路面電車)沿線の商店街連携による沿線商店街の集客性の向上。
5.高齢者や乳母車を利用する母親の視点でみる安心安全な街づくりに関する環境整備実験。
6.「まちの駅」「エコステーション」ネットワーク活用による水平展開による安心安全の品揃えによる全国商店街連携物産展の開催。
7.県内外のアドバイザーの招致による「比較商店街論」の展開。
出典:「宇宿商店街まちづくり研究会」
◆活動実績
河井理事長は,「2011(平成23)年度鹿児島県協働による地域リーダー発掘・養成講座」の講師も務め,“地域が原点,人が接点”のまちづくり案を紹介しています。
2010(平成22)年度には 鹿児島県で初めて地方商店街活性化法に基づく第1号認定を受け,高齢者や子育て家庭向けの見守りマンションの整備等を内容とする「地域密着型見守り・情報発信する街づくり事業」に取り組んでいる。
遡る2008年には,意欲的な商業の担い手を育成し,活性化の起爆剤にしようと「チャレンジショップ」を企画開店しています。築40年,木造2階建ての空き家を利用したショップには6店が入居。1店2坪ほどの小さい店だが,個性的で魅力あふれる空間を生み出しました。その成果は,西日本新聞で紹介され話題を呼びました。
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┗■ チャレンジショップ,オープン1カ月 6店の個性が光る 鹿児島市宇宿商店街」
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鹿児島市南部の宇宿商店街にチャレンジショップ「宇宿ワールドアパートメント」がオープンして1カ月。大型店出店が相次ぐ中,同商店街が意欲的な商業の担い手を育成し,活性化の起爆剤にしようと企画したものだ。築40年,木造2階建ての空き家を利用したショップには6店が入居。1店2坪ほどの小さい店だが,個性的で魅力あふれる空間を生み出している。
★鹿児島国際大学とのコラボレーション
チャレンジショップ開設に当たっては,地元の鹿児島国際大学にも協力を呼びかけ,同学地域創生学科が,「創生児,c@m」を出店。同学科の学生15人が交代で店番。ホームページの作成が主な業務だが,手作りアクセサリーなども販売し,休日には子どもたちに紙芝居も披露し,好評を博した。
これに参加した学生の一人は,卒業に当たり「普通の大学生では体験できないようなことができ,有意義だった」とし,次のような感想を寄せています。
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私は,地域創生学科の一期生として,鹿児島市南部の宇宿商店街活性化活動に参加しました。商店街の生き残り戦略の一環として,空き店舗を利用してのチャレンジショップの経営,物産展の企画・運営,商店街夏祭りでの屋台出店などの諸活動を通じて,協力することの重要性や,経営の難しさなどを学びました。
★慶応大学とのコラボレーション
慶應義塾大学の情報管理学科加藤文俊ゼミの学生が2008(平成20)年5月17日に宇宿を訪れ,鹿児島国際大学の学生と一緒に宇宿商店街の1分間PRビデオを作成した。
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◆天文館に関する私のブログ記事
⇒⇒ 事例1 宮崎駅前 大型複合商業施設 集客効果は微少にとどまる
http://blog.goo.ne.jp/rk_kobayashi/e/c8916aa60c24c3869b9f59e0c63fdf0b
⇒⇒ 事例2 大分駅前に建つ「大分開発ビル」-商業ビルの継続を断念
http://blog.goo.ne.jp/rk_kobayashi/e/c8916aa60c24c3869b9f59e0c63fdf0b
⇒⇒宮崎駅西口地区拠点施設検討 報告書(案)平成18年3月 宮崎駅西口拠点施設検討委員会
http://www.city.miyazaki.miyazaki.jp/www/contents/1170059956720/files/03siryou.pdf
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