4月のスーパー売上高1・3%減、買いだめ反動でマイナスに
日本チェーンストア協会が発表した4月の全国のスーパー売上高は既存店ベースで前年同月比1.3%減となり、3月の0.3%増からマイナスに転じた。東日本大震災による買いだめの反動や販売促進活動の減少、花見の自粛などが影響した。
商品分野別では、食料品が1.5%減と、3月の3.5%増から大幅に下落した。震災後に特需が発生したコメやカップ麺が反動で売れなくなったほか、昨年は天候不順で高騰した野菜が反動で安値になっていることが主な要因。野菜に関しては福島第1原発事故による風評被害も「一因となった」(協会)ほか、水産品は震災による水揚げ不足から不調だった。花見を自粛する向きがあったことからビールや総菜なども低調だった。
住関連では新学期による需要で学習机や収納用品が好調だったが,ソファなど高価格帯の商品は振るわなかった。節電対応のニーズで,冷感素材などを使用した夏向けの寝具は好調だった。衣料品は気温上昇から夏物衣料が売れ始め、増減率は3月の16.0%減から4月は2.3%減とマイナス幅は大幅に縮小した。
5月前半については、衣料品や住関連が気温上昇で夏向け商品の売れ行きは好調であったが,食料品は野菜の安値が続いていることや特売セールの実施やチラシ量が減っていることなどから依然低調であった。
消費構造の変化-サイフをしめるだけではない-環境&省エネには金を惜しまず
東京電力福島第1原子力発電所の事故に端を発した電力不足。政府の企業や家庭に一律15%の節電の求めが,消費者の節電,環境意識を全国的に高めている。エコポイントが3月に終了し,その反動減が予想された家電販売が4月以降,節電需要が活発である。日本電機工業会が25日発表した「民生用電気機器 2011 年4月度 国内出荷実績」によると,
4月のエアコン出荷台数は8割増。扇風機は2.4倍である。(http://www.jema-net.or.jp/Japanese/data/2011/11.04/1104ds-comment.pdf)
日経新聞,5月29日付けによると,ヨドバシカメラ新宿西口本店では扇風機の販売台数が3倍近く増え,1万円を超える機種で品切れも出ている。エアコンも10万円以下の機種が売れるこの時期に,今年は20万円前後の省エネ性能の高い機種が売れているという。
中部地区が地盤の家電量販店,エイデンでは「中部電力が浜岡原発の停止を決めてから節電家電の販売が伸び始めた」。家電量販店4位のケーズホールディングスでは5月,九州地方の全店売上高が前年同期比43%増と,関東地方の3割増を上回る。九州電力が15%の節電を求めたのがきっかけだという。
◆民生用電気機器 2011 年4月度 国内出荷実績
http://www.jema-net.or.jp/Japanese/data/2011/11.04/1104ds-comment.pdf
【概況】
民生用電気機器の2011 年4月の国内出荷金額は、1,753 億円の前年同月比(以下前年比と略記)119.7%とプラスとなった。昨年7月から二桁の伸びが続き、3月には一旦前年割れと落ち込んだものの、4月は再びプラスに転じ大幅増となった。
製品別の国内出荷金額を見ると、ルームエアコンが、457 億円の前年比159.6%と11ヵ月連続のプラス、電気冷蔵庫も317 億円の同108.5%と4ヵ月ぶりのプラス、電気洗濯機も、259 億円の同113.4%と5ヵ月ぶりのプラスとなり、いずれの品目も高伸長となった。
節電意識の向上から、今まで以上に省エネ型製品への関心が高まり、買い替え需要が拡大したことに加え、被災地向けの出荷が増加したことにより、好調に推移した。
>>>経済産業省の第3次産業指数6%減 3月,22年ぶりの下げ幅
◆概況
・ 第3次産業活動指数(総合)は,93.5,前月比▲6.0%の低下。
・ 業種別にみると,卸売業,小売業,情報通信業,生活関連サービス業,娯楽業,運輸業,郵便業,宿泊業,飲食サービス業,金融業,保険業,学術研究,専門・技術サービス業,不動産業,物品賃貸業,電気・ガス・熱供給・水道業,医療,福祉,学習支援業,その他サービス業(公務等を除く),複合サービス事業が低下。
経済産業省発表の3月の第3次産業活動指数(速報,2005年=100,季節調整値)は93.5で,前月比6.0%低下した。東日本大震災で生産が停止した家電製品の輸出減や個人消費の落ち込みが影響した。低下は2カ月ぶりで,消費税を導入した89年4月以来22年ぶりの下げ幅となった。
全13業種で指数が低下したのは,現行基準で初めて。卸売・小売業(8.9%減)では,大震災で液晶テレビやビデオカメラの生産が滞り,輸出が減少した。東京電力福島第1原子力発電所の事故で,農水産物の卸売りにも影響が出た。
生活関連サービス・娯楽業(15.8%減)では,興行の中止や延期が相次いだコンサートやプロ野球関係の売り上げ減が目立った。旅行業も前月比11.00%低下と低調だった。
4月以降の動きについて,経産省は「3月だけで震災の影響が終結するとは考えにくい」との見通しを示している。ただし,不動産業など一部の業種では,持ち直しの動きがみられるとしている。
*第3次産業活動指数:第3次産業活動指数は,第3次産業に属する業種の生産活動を総合的に捉えることを目的としている。
*季節調整済指数(きせつちょうせいずみしすう):seasonal adjustment Index):原指数に季節調整を行った指数。
季節調整済指数 = 原指数 ÷ 季節指数により算出する。
動向をみる場合には前月比が主に使用される。
▼関連ブログ
・4月の消費動向調査 費者心理,震災で落ち込み
http://blog.goo.ne.jp/rk_kobayashi/e/d3e5c8ead378c2caa673f942be592f35
・東日本大震災が個人消費に及ぼす影響 9 茨城県 GW期間中の観光客21%減
http://blog.goo.ne.jp/rk_kobayashi/e/7939f038b2652887235eeadf088b7b6d
・東日本大震災が個人消費に及ぼす影響8 大型連休で九州新幹線は賑わう
http://blog.goo.ne.jp/rk_kobayashi/c/a27548f4a134e2edc45852495d5a6e52
・東日本大震災が個人消費に及ぼす影響7 3月の消費動向調査 - 2004年4月以降で最大の落ち込み
http://blog.goo.ne.jp/rk_kobayashi/e/d6f52145c70e63dd1699807e0e9b2e40
・東日本大震災が個人消費に及ぼす影響 6 -ゴールデンウィークに関する意識調査
http://blog.goo.ne.jp/rk_kobayashi/e/5a3c47713395abf9f158746e0eeb18fd
参考 消費動向調査(全国,平成23 年4月実施分)---------
http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/1104kekkanoyouten.pdf
内閣府発表の4月の消費動向調査(http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/1104kekkanoyouten.pdf)で,消費者心理を示す消費者態度指数(季節調整値)は,東日本大震災の影響や,物価上昇への懸念から,3月の38.6 から5.5ポイント低下の33.1となり,3カ月連続で前月を下回った。これは,比較可能な「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」の4つの構成項目全てが,全ての意識指標が低下したためである。
調査結果の要点
平成23 年4月の一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)は,3月の38.6 から5.5 ポイント低下して33.1 となり,3か月連続で前月を下回った。これは,消費者態度指数を構成する4項目全ての意識指標が低下したためである。
消費者態度指数の動きから見た4月の消費者マインドは,悪化している。(下方修正,前月:弱い動きがみられる。)
調査は全国の6720世帯を対象に「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」の4項目について,今後半年間の見通しを「良くなる」から「悪くなる」までの5段階評価で集計している。今回の調査基準日は4月15日,有効回答数は4981世帯(回答率74.1%)だった。3月調査(回答基準日3月15日)では,3月11日に発生した東日本大震災前の回収が32.9%,震災後が67.1%だったのに対して,4月調査は震災の影響が全面的に反映された。
《source: http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/1003chousagaiyou.pdf )
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⇒ 関連HP ⇒ 県民性-風土記
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