終盤を迎えたプロ野球。木佐貫,松山,そして大和と,鹿児島出身の3選手の活躍が光る。
>>>実直・研究熱心 日本ハム・木佐貫洋
鹿児島県薩摩川内市出身、プロ11年目の北海道日本ハム・木佐貫洋。プロ1年目から、巨人のローテーションの一角を任され、10勝7敗,奪三振180個という好成績をマーク。
150キロを超える直球に、落差鋭いフォークボールが武器。3年目以降は故障に苦しんだ。2007年、12勝がピークで09年は1軍登板1試合のみ。同年、トレードで関西のオリックスへと移籍し、さらに今季、開幕前の電撃トレードで糸井嘉男(オリックス)らとのトレードで北海道日本ハムへと移籍。
今季は8月31日現在で8勝をマーク。2桁勝利まであと2つと、全盛期の2007年に近いペースで勝ち星を積み重ねている。木佐貫の性格はいたって真面目であり、研究熱心という。登板時に気づいたことがあればベンチに戻ってすぐにメモを取る。また、ファンサービスも怠りなく,カバンの中には自らがサインしたカードを忍ばせ、ファンに求められればすぐに渡せるようにしている。今年はすでに2000枚近くを配ったという。
彼は野球のほかに『鉄道マニア』の一面を持つ。いまや地元・北海道のテレビや新聞で『乗り鉄・木佐貫』の特集が組まれるほど,北海道のファンの心をつかんでいる。
*全球団勝利を達成
5月20日の巨人戦では7回を1失点で勝利投手となり、史上12人目の全球団勝利(近鉄を除く12球団)を達成した。なお、この試合では、同い年で同じ鹿児島県内の高校出身の巨人先発の杉内俊哉投手に投げ勝っている。[
>>>遅れてやってきたヒーロー 広島・松山竜平
鹿児島県曽於市大崎出身、プロ6年目の松山竜平。広島のニューヒーローである。昨年までの不甲斐なさを乗り越え、いまや主力への階段を駆け上がろうとしている。顔はまるく、頬はうっすらと赤らみ,愛らしい表情。カープファンは親しみを込め、彼を「アンパンマン」と呼ぶ。
4月21日の巨人戦では,松山のサヨナラ打で広島は巨人に今季初勝利。
8月4日のヤクルト戦で松山の圧巻のパフォーマンスがカープファンを魅了した。初回、1死満塁のチャンスでレフトフェンス直撃の先制二塁打。この一打で勢いに乗ると、4回には弾丸ライナーで右中間スタンドへ叩き込んだ。5回の2死満塁で迎えた第3打席では、江村将也の外角のストレートをシャープに振り抜くと、打球はショートのグラブをはじきレフト線へ転がり,三塁打に。
サイクルヒット――。チームとファンの期待を背負った第4打席、右中間に鋭い打球を放つもセンター・上田剛史のファインプレーに阻まれ、第5打席もライトへ豪快に打ち上げたがフェンス手前で失速。球団史上6人目の快挙は夢と消えた。
規定打席にこそ到達していないが、80試合に出場し打率は3割2厘と安定した数字を残し、得点圏打率3割6分とチャンスにも滅法強い(成績は8月6日現在)。
>>>無念,骨折 阪神・大和
阪神タイガースの前田 大和(まえだ やまと )は、鹿屋市出身。2007年から登録名を「大和」に変更。昨シーズン最も頭角を現した野手として評価されている。内野登録ながら、2012年以降は公式戦ではもっぱら外野手として出場している。
今年,6月29日の対広島戦(甲子園)では、両親や地元・鹿屋市から来場したツアー客の前で、プロ入り後初のサヨナラ安打を放って男を上げた。しかし、8月20日の横浜DeNAベイスターズ戦(横浜)9回表の打席で、大田阿斗里から右手に死球を受け交代。その後の診断で右手中指の骨折が判明したため、翌21日に出場選手登録を抹消された。鳴尾浜でリハビリに励むが、今季中の復帰は絶望的。
甲子園球場では、今年から、大和の好物を盛り込んだコラボレーションメニューとして「若虎大和の大和魂肉弁当」を場内限定で発売している。
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