元社長 三ケ尻久美子被告
2011年に経営破綻した安愚楽牧場(栃木県)による特定商品預託法違反事件で、同法違反(不実の告知)罪に問われた元社長三ケ尻久美子(69)、元専務大石勝也(74)両被告の判決が1月9日、東京地裁であった。芦沢政治裁判長は、三ケ尻被告に懲役2年10月(求刑懲役3年)、大石被告に懲役2年4月(同2年6月)の実刑を言い渡した。
芦沢裁判長は「保有する牛が大幅に不足していると知りながら、会社を維持するため、さらに顧客を獲得しようとした。刑事責任は非常に重い」と指摘。起訴内容を認め、反省の態度を示していることを考慮しても、執行猶予は相当でないと述べた。
◆「安愚楽牧場」
安愚楽(あぐら)牧場 1981年12月に有限会社安愚楽共済牧場として設立。繁殖牛の権利を出資者と売買し、生まれた子牛の売却益を還元する「和牛オーナー制度」を始めた。90年代に詐欺容疑などで相次いで摘発された和牛商法業者の最古参で、17社程度あった業者の中で唯一生き残っていた。破綻した2011年8月までに集めた出資金は全国約7万人から約4200億円に上る。同社資料によると、牛肉料理を楽しむ庶民の姿を描いた小説「安愚楽鍋」が会社名の由来。
>>>詐欺容疑に関しては不起訴
安愚楽牧場をめぐる事件で、詐欺容疑で告訴された元社長三ケ尻久美子被告(69),元専務大石勝也被告(74)=特定商品預託法違反罪で公判中=ら3人について、東京地検は10月11日、嫌疑不十分で不起訴処分とした。
このうち元専務の増渕進(59)被告については、同法違反容疑も処分保留となっていたが、同じく不起訴とした。
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◆関連情報:債権者に返還できる配当金は出資金の約5%
安愚楽牧場の第3回債権者集会が,東京都千代田区の日比谷公会堂で7月17日に開かれ、破産管財人の渡辺顕弁護士は、回収した資産総額は約243億2700万円で、債権者に返還できる配当金はそれぞれの出資金の約5%になることを明らかにした。
実質的に確定した配当率となる見通しで、10月初旬に各債権者に配当額を通知し、年内に一律配当する方針である。
債権総額は約4265億円。出資者の和牛オーナーは全国に約7万3000人いる。
◆関連情報:近畿地方の出資者9人 安愚楽牧場幹部を提訴へ -2013年11月07日
経営破綻した安愚楽牧場(をめぐる事件で、近畿地方の出資者9人が、同社の元幹部ら29人と関連会社3社を相手に約1億6000万円の損害賠償を求める訴 訟を近く大阪地裁に起こした。原告側弁護士によると、一連の事件で出資者が経営陣を提訴するのは初めて。 訴状によると、大阪や滋賀の40~70代の男女 9人は、関連会社を含めた安愚楽牧場グループによる詐欺的な和牛商法に出資して多額の損害を被った、と訴えている。弁護団は「訴訟で安愚楽グループの実態 にメスを入れ、被害救済の一助にしたい」としている。
▼「安愚楽牧場」関連ブログー・アーカイブ
・安愚楽牧場の投資被害事件 「9/24 初公判」
・安愚楽牧場事件捜査終結へ 警視庁と栃木県警の合同捜査本部が詐欺での立件断念へ
・安愚楽牧場元社長ら3人逮捕 <特定商品預託法違反の疑い>
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・安愚楽牧場関連・もう一つの破たん-宮崎県小林市のコスモス牧場が休園
・安愚楽問題で国賠訴訟検討 弁護団「行政の失態-被害拡大の一因」
・安愚楽牧場のその後 -詐欺被害はなぜ繰り返されるのか-2
・安愚楽牧場のその後 - 「詐欺被害はなぜ繰り返されるのか-1」
・安愚楽牧場のその後 -栃木の子会社破産 / 鹿児島の会社(カミチク)が一部継承
- 東京地裁安愚楽牧場に管理命令
- 安愚楽牧場-「自転車操業」の疑い,「景品表示法」違反の疑い
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和牛詐欺 人を騙す犯罪はなぜなくならないのか | |
被害額4300億円、被害者7万人と、戦後最大規模の消費者被害事件となった安愚楽牧場事件。1990年代、そして2000年代後半に起こった「ふるさと 牧場事件」など、怪しい和牛預託商法が行われ、そして摘発されてきた歴史があるにもかかわらず、悲劇はまたもや繰り返されたのはなぜなのか? 自他共に「詐欺専門記者」と認める共同通信社記者が、徹底取材で分析した「詐欺犯罪はなぜなくならないのか」 |
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