「焼肉酒家えびす」-ユッケ集団食中毒事件の顛末
焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」で,生牛肉の「ユッケ」を食べた幼い子ども2人を含む4人が死亡した集団食中毒事件。事件の真相,責任が明らかとなり,一件落着とはいかないようである。
この事件は,菌が付着しやすい肉の外側を削るトリミングを怠ったフーズ・フォーラス側の過失はもとより,肉の卸業者側にも問題があった。報道によると,卸業者は腸管出血性大腸菌O(オー)111が牛の腸内に付着しているにもかかわらず,卸業者は牛の内臓処理をした包丁やまな板を使い他の部位も加工していた。また,「加熱用」の肉を「生食用」のユッケとして販売するよう勧めるメールを送っていたことも明らかになっている。
こうした点から,焼き肉チェーン店の責任とともに,肉の卸業者の過失責任も問われてしかるべきであろう。だが,食肉卸会社への富山県警の家宅捜索はあったが,いまの所,おとがめ無しである。
なお,えびすを運営していた旧フーズ・フォーラスの社長は所在不明で,任意整理での清算手続きにも,支障をきたしているようである。
ことの真相はウヤムヤのまま闇に葬られ,「泣きをみたのは被害者だけ」となってしまうのであろうか。
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