成長の可能性大 寿司チェーン 「銚子丸」・その1
志が人と組織を育てる グルメ回転寿司「銚子丸」が吉田松陰から学んだ理念 | |
成長し続ける会社には、受け継がれている理念がある。日本初のグルメ回転寿司「銚子丸」が、革新的な成長を遂げる契機となった吉田松陰の教えを明かす! | |
廣済堂出版 1404円 |
自宅の近くにあり,手頃価格でおいしいことから,回転寿司「すし銚子丸」 http://www.choushimaru.co.jp/ には,時折,足を運んでいる。面識はないが創業者の堀地速男(ほりち・はやお)さんが,かつて加盟店の店舗活性化でお手伝いさせていただいたスーパーのボランタリーチェン「セルコ」の幹部社員であったことも,「すし銚子丸」に親しみを持ちファンになった理由の一つである。
外食産業が軒並み苦戦状況にあるといわれている中, 関東を中心に展開しているグルメ回転寿司「銚子丸」は,年々成長を続けている。 業界筋の分析・評価によると,「すし銚子丸」は, 外食産業の中でも特に競争が激しいと言われている回転寿司業界では中堅どころとして,売上を伸ばしている。 銚子丸人気の要因は,産地直送で鮮度の高い厳選された旬の食材を提供していることにある。また,ネタの鮮度もさることながら,「サービスの良さ」でも定評がある。
各店舗を「劇場」と呼び,スタッフを「劇団員」,板前を「座長」と呼ぶ「銚子丸一座」という組織は, 「主従」で成り立っている組織ではなく, お客を喜ばすための「配役」という考えに基づいている点が特記される。
銚子丸の2016年5月期の売上高が197億円(前年同期比3.4%増)である。業界最大手の「スシロー」の2015年9月期の売上高は1,350億円であることから,規模面では格段の差があrが,今後の可能性が十分に見込めると,評価されている。
銚子丸の心意気 | |
「寿司を売るな、理念を売れ」「魚は世界中の海から仕入れよ」「スタッフ全員が銚子丸劇場の劇団員たれ」夫婦ではじめた小さなおもちゃ屋が、従業員3,500人、売上164億円の回転寿司チェーンに。その軌跡を裏方で支えた妻の立場から描いた悪戦苦闘の創業ストーリー。 | |
PHP研究所刊 堀地 ヒロ子 (著):創業者堀地速男氏の夫人 |
◆会社も魚も頭のほうから腐っていく
『銚子丸の心意気』 (p128~131)より 堀地 ヒロ子 (著)
私は「会社は,魚と同じく,頭から腐る」ものだと思っています。 社員たちはみんな,ふつうは経営陣よりも若い人たちですから,たとえ現状はダメ社員であっても,大きな可能性を持っています。社員たちに交じって一緒に働いてきた期間が長い私には,彼らそれぞれがすばらしい才能を秘めているのがよくわかるのです。
もしも彼らの才能が発揮されないとしたら,それはその才能を活かし切れていない私たちが能力不足なのです。 ただし,若い社員たちは,みんな押しなべて真面目で謙虚です。むしろ,見ていて歯がゆいくらい。ですから,私たちlのほうから動いてあげないといけません。成長の跡が見えれば積極的にチャンスを与え,彼らが能力を開花させるきっかけをつくってあげるのです。 「地位が人をつくる」という言葉に,私は非常によく共感できます。
現状の力量より,少しだけ高いポジションにつけてあげるのがいい。これは,いわば適性検査です。もちろん,その人にとっては飛躍のチャンスということになります。 そのうえで,「一年間は黙って見ています。この適性検査で,あなたが進化を遂げたと見えたら合格だから,そのままポジションに留まってもらう。でも,ちょっとまだ力が足りないなと判断したら,チェンジしてもらいます。それだけのことです。ダメだったら仕切り直して,また何度でも出直せばいい」と,どっしり構えて見守ればいいのです。
ですから,私は抜擢人事には大賛成。才能が開花したと見たら,年齢も,学歴も,社内序列も関係なく,能力相応と判断した高いポジションを任せてみればいいと思います。単純に学歴や経歴で人事を決めるのではなくて,あくまで 「人」を見て決めないといけないのです。
銚子丸の心意気 | |
「寿司を売るな、理念を売れ」「魚は世界中の海から仕入れよ」「スタッフ全員が銚子丸劇場の劇団員たれ」夫婦ではじめた小さなおもちゃ屋が、従業員3,500人、売上164億円の回転寿司チェーンに。その軌跡を裏方で支えた妻の立場から描いた悪戦苦闘の創業ストーリー。 | |
PHP研究所刊 堀地 ヒロ子 (著) |