ゼネラル・エレクトリック(GE)の伝説的CEOジャック・クエルチの信奉者は、GEの戦略はすべての事業で一位か二位になることだという(さもなければ撤退だ!)。
ゼネラルモーターズ(GM)のCEOダン・アカーソンは、「新生」GMを再上場させた日のインタビューで、GMがようやく負の遺産から解放され、競争する態勢が整ったといい、「最高の自動車が勝利しますように!」と言った。
日本では,精密小型モーターの開発・製造で世界一のシェアを持つ日本電産社長の社長,永守重信氏が,著書『「人を動かす人」になれ!― 』で,「二番というのは,一番の次ぎではない」と持論を展開している。
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┗■ 二番というのは,一番の次ぎではない」
-淘汰の時代の,この考え方
バブル崩壊以降の長期化する不況によって企業の二極化、すなわち勝ち組と負け組の差がはっきりとあらわれはじめてきた。バブルが崩壊する以前は、ほぼどの業界も上位の四、五社がバランスよくシェアを分け合い、それぞれ利益を確保してきた。しかし、これからは淘汰の時代に突入していく。
たとえば、業界トップの会社が過半数を上回る60パーセントのシェアをとれば、二位の会社のシェアは15パーセント、三位はその半分の7.5パーセントで、四位は4パーセント未満のシェアに甘んじなければならない。
これを利益で換算すると、二位は一位の一〇分の一、三位は同じく一〇〇分の一、四位なら利益どころか赤字に転落してしまう。
わたしは、小さなときから「一番以外はどリ」だという発想をしていた。学校の成績はもとより、スポーツでも、暗唾でも、昼の弁当を食べるのも一番でなければ気が済まず、人に負けるのは絶対にイヤだと思っていた。わたしにとって二番というのは一番の次ではなく、ビリの方に近く、三番ならビリと同じで、何の価値もないと考えていた。そんな「一番以外はビリ」という時代がやってこようとしているのだ。
その勝負を決するのは、
・スピードが50%
・ハードワークが30%
・トータル的能力が15%
・学歴や経験が3%
・社歴や知名度が2%
だというのが、わたしの分析である。
開発や製造はもちろん、トップの判断や決断、改革や変革にもスピードが求められる。時代の変化が激しいだけに、この変北の波に乗り切れない、あるいは自らが変化をつくり出していくという姿勢のない会社は淘汰されてしまう運命にある。しかも、従来のような学歴や経験、会社の歴史や知名度といったものは、およそ役に立たなくなってしまう。
スピードの時代に重要なのは、強力なリーダーシップであることはいうまでもないが、この状況をリーダーがピンチと見るのかチャンスととらえるのか、これが勝負の大きな分かれ目である。
◆永守 重信(ながもり しげのぶ、1944年8月28日 - )日本電産の創業者。
1967年、職業訓練大学校(現在の職業能力開発総合大学校)を首席の学業成績で卒業。ティアック社員、同社子会社である山科精器取締役の経歴を経て、ティアックの持ち株を元に1973年7月、日本電産を創業。
以後,日本電産の代表取締役社長として、同社を日本を代表する小型モーター製造会社に育て、モーター事業分野で有数の企業に育て上げた。
* 『 「人を動かす人」になれ!―すぐやる、必ずやる、出来るまでやる 』 永守重信 p46~47 三笠書房
「人を動かす人」になれ!―すぐやる、必ずやる、出来るまでやる | |
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