◆五木ひろしさん-- 紅白歌合戦には過去のヒット曲で出たくはない。--
歌手・五木ひろし(73)さんは,大みそかの「第72回NHK紅白歌合戦」に出場しない。大阪・新歌舞伎座で開催したデビュー50周年記念コンサートで,ファンに直接伝えたという。
昨年の紅白では「山河」を歌い,1971年から50回連続出場。出場回数では北島三郎(85)と並び,歴代最多タイとなっていた。
関係者によると,五木にとってラッキーナンバーである「5」にちなんだ昨年50回連続出場したことで決断したという。「この辺が引き際」と,腹をくくったのであろ。
五木さんは,2016年12月のニッポン放送「徳光和夫とくモリ歌謡サタディ」に出演した際に,紅白歌合戦への思いを通じて,「引き際」を次のように語っていた。
・以前の紅白歌合戦は,その年今年活躍した歌手だけが出ていた。自分はそれが本筋だと思う。
・私は,過去のヒット曲で紅白歌合戦に出たいとは思わない。毎年ヒット曲を出し,それで選んでもらいたい。
・事実,これまで45回出演しているが,そうち39回はその年に出した曲(ヒット曲)を歌った。
・70歳になるが新たな発想・挑戦,努力を続けて行くつもりだ。
◆引き際の美学- 引き際の潔さ,去り際の美しさ
大相撲の横綱白鵬やプロ野球西武の松坂大輔投手など,今年は一時代を築いたスポーツ選手の引退が相次いでいる。引き際は人それぞれであるが,著名人の引き際」を追ってみた。人の真価は出処進退で決まるとも言う。引き際を見事に飾れた人と誤った人は,何が違ったのだろうか。
・一代でホンダを世界的自動車メーカーにした本田宗一郎氏が,社長を辞めたのは六十六歳。次の社長は四十五歳であった。(『私の履歴書』日本経済新聞社)
・元ヤマト運輸社長の小倉昌男氏は,退任後も自らの顔色をうかがう役員の多さに気づき,「実は自分の存在がマイナスになっていたのか」と一切の役職から退いた。(『私の履歴書』日本経済新聞社)
◆引退拒否 小沢一郎氏--ツイッターを投稿「新たなる闘いが始まります」--
連続17回目の当選の立憲民主党の小沢一郎氏(79)は,10月31日に行われた第49回衆議院総選挙の小選挙区で自由民主党公認候補に約9千票の差をつけられて敗北。比例東北ブロックでの復活となった。小選挙区で敗北し比例復活は,52年に及ぶ議員生活で初の敗北であった。
小沢氏は,第2次岸田内閣が発足したタイミングでツイッターを更新。今後に向けた決意を、次のようにつづった。「新たなる闘いが始まりました。今後ますます国会は形骸化・空洞化し,議会制民主主義は崩壊の危機に瀕するでしょう」と岸田内閣を厳しく批判。
さらに「権力の暴走に対するチェック機能は働かず,権力の私物化や濫用はますます進むでしょう。ここで野党をしっかりと立て直し,民主主義の再生のため,全力で取り組みたいと考えております」と闘争心むきだしである。