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第1弾:蒼い時のドリームキャッチャー<4>

2019-12-23 10:29:23 | 第1弾:蒼い時のドリームキャッチャー




最後の直也と久美子のクリスマス

クリスマスのイベントは終わった。
寒い裏庭の縁側に座る二人は、ただ空を眺めていた。
直也と久美子は、ちゃんちゃんこを着て。

「クーコ、にあってるよ」
「ほんとう?」
久美子が着ているのは、赤のストライプのちゃんちゃんこ。
「ケーキ食べ過ぎちゃったね」
「美味しかったね、まだ食べられそう?」
「もう少しだったらね」

なぜかわからないが、久美子はショートケーキに、
ろうそくを立て火をつけた。

ちらりちらりと降る雪を見ながら。
ろうそくの火は舞い散る雪の中でユラユラと。

とても綺麗だった。

直也と久美子は、綺麗なろうそくの灯火を見ながら、
ケーキを食べるのを忘れていた。

指先がとても冷たかった。
息を吹きかけると、真っ白な息が、かすかに手を暖める。

寒さも忘れ、縁側に座る直也と久美子。
「直兄ちゃん、クーコのこと忘れないでね」
「忘れないよ」

久美子、小学六年生最後のクリスマスで直也に渡されるもの。
「直兄ちゃん、これ持っていてね」
「これって何?」
「直兄ちゃんへのお守り」
「お守りって?」
「直兄ちゃんを守ってくれる魔除けのドリームキャッチャーだよ」
「いつまでも大切に持っておくよ、ありがとう」

久美子と離れ離れになって、直也は気づいた事があった。
保育園からの一緒だった、あの子の事が気になった。


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