働き方改革関連法ノート

労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)や厚生労働省労働基準局などが開催する検討会の資料・議事録に関する雑記帳

裁量労働制実態調査に関する専門家検討会 傍聴の感想

2018年11月03日 | 裁量労働制
第2回裁量労働制実態調査に関する専門家検討会が2018年11月2日に開催されましたが、傍聴しました。

出席構成員
小倉一哉・早稲田大商学学術院教授
小島茂・連合総合生活開発研究所客員研究員
川口大司・東京大大学院経済学研究科教授
黒田祥子・早稲田大教育・総合科学学術院教授
西郷浩(座長)・早稲田大政治経済学術院教授
鈴木重也・日本経済団体連合会労働法制本部統括主幹

欠席構成員
樋田勉・獨協大経済学部教授

傍聴した個人的な感想
JILPT(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)の調査票に自由意見欄(社員が自由に意見を記載する欄)があったということで、各構成員から意見が出されました。

川口構成員より「統計調査の目的は、全体的、中間的な姿をとらえること。自由回答は、極端な意見が出てきたときに、代表性が必ずしもあるとも言えない自由回答が、全体の印象をひっぱってしまうということもある」(上西充子氏の傍聴メモより抜粋させていただきましたが、私のメモにも自由回答、極端な意見が出てきた時、全体の印象をひっぱるとあります。)との旨の意見が述べられました。

私は統計調査の理解はないので「個人的な感想」として書くことにします。川口構成員の意見は、自由意見記載欄が設けられると「極端な意見」が記載され、それが裁量労働制の実態であるかのような印象を与えかねないとの懸念だと思われます。

しかし、極端な意見とはいいかえると少数意見であり、統計調査学的な判断は別としても、政策立案過程でも法案審議過程でも少数意見を切り捨てないという姿勢は大切だと思います。

裁量労働制実態調査後には、労働政策審議会において労働者代表委員・使用者代表委員・公益(学識者)代表委員による議論が予定されています。この労政審の議論でも、国会の審議でも、同様に「少数意見を切り捨てない」という姿勢が必要です。

民主主義のルールは多数決原理だけではなく、少数意見を切り捨てないということが重要です。なぜなら、多数意見が必ずしも真実ではなく、少数意見の中にも真実があるからです。

安倍首相、安倍政権は徹底的に少数意見の中にある真実を直視しようとしないし、ただただ少数意見を切り捨ててきたとしか言いようがありません。

配布資料等リンク

裁量労働制実態調査に関する専門家検討会のページ

第2回裁量労働制実態調査に関する専門家検討会(資料)のページ

裁量労働制実態調査のイメージ案(PDFファイル)


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