・歳を重ねるごとに心身の衰えを感じるようになります。生活の張りの視点で最も影響があるのは、行動範囲が狭くなることです。80歳代前半で数百メートル歩くことを難しいと感じる方は、平均的にみると男性は10人に2人、女性は10人に4人となります。
・そのため、行動範囲が住まいのある地域に限られてくることで生活の張りも変わり、また変えざるを得なくなります。介助を受けて旅行などを楽しむことができますが、それまでと違って制約を受けることになります。
・このように心身が衰えたときの生活の張りをどうするかです。もちろん個人の性格によるところも大きく、そうなったときには家の中でテレビを見ていれば十分生活の張りがあるという方もおられるでしょう。
・そんな先の話を今考える必要はないと思う方も多いでしょう。しかし心身が衰えた後では新しく生活の張りを考えることは難しくなります。さらに心身が衰えて外出が難しくなったり介護が必要となったりすると、住まいから外出する機会が減ります。一人暮らしになっている場合には、他者との会話も少なくなり孤独の不安が募る一方で生活の張りもなくなってきます。
・歩くことが難しくなっても外出が可能な場合には、住んでいる地域の高齢者の交流の場に参加するという生活の張りが考えられます。たとえば住まいの近くの高齢者が集まってお茶や会話を楽しむといったことが挙げられます。
(続く)