高齢期の備え

高齢期の備えを考えます

高齢期リテラシー ━有料老人ホームの前払金━

2021年01月08日 | 高齢期の備え
・高齢者住宅の一つである有料老人ホームでトラブルになりやすいのが途中退居の場合の「前払金の返還」です。

・有料老人ホームに入居する際、一部の有料老人ホームでは前払金が必要です。もともと前払金は、生涯にわたって施設を使う権利の対価とされていました。長生きしても費用の心配がないという面がある一方で早く亡くなると費用が実質非常に高くなるという面もありました。

・2011年に老人福祉法が改正され、権利金としての法的性格はなく、家賃、施設の利用料、介護や食事の提供、その他の日常生活に必要な便宜供与の対価の前払金であるという性格であることが明確にされています。

・このトラブルについては、入居者側の知識不足によるときもあります。前払金は、退居するときが「償却期間」と呼ばれる間であれば「初期償却」と呼ばれる分を差し引いて残った金額が退居した時期に応じて返還されます。

・たとえば、償却期間5年、初期償却30%として、80歳のときに1000万円の前払金を支払って入居した場合、83歳で退居すると280万円(1000万円×70%×(1-3年/5年)が返還されます。85歳以降に退居すれば返還されません。

・このことを知っていないと、入居している有料老人ホームを退居して別の有料老人ホームに入居しようとしたとき、前払金の返還金を当てにしていたとすると思った以上に少なく困惑することにもなりかねません。

・前払金を必要とするところは少なくなってきていますが、それでも用心に越したことはありません。


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