かつて軍艦島で、盆踊りの時にかけられていた端島音頭。
音楽とは不思議なもので、
その時代にどんなに最先端だった音楽も、
10年も経てば古めかしく懐かし音に変化します。
そして同時に、その時代の空気感をがっちりと封じ込められるのも、
また音楽の持つ特殊な効果です。
幼少の頃聞いた音楽をふと耳にすると、
突然その時のことを、匂いや色と一緒に鮮明に思い出します。
この音源は軍艦島が閉山の時に、
それを記念して労働組合が録音したソノシートですが、
作られたのは戦後すぐの事だったようで、
島民の方々は端島音頭でよく踊ったそうです。

写真は軍艦島資料館より。
テロップは全てソノシートのジャケットに書かれたもの。
2番3段のテロップは
「今日もおひさん 笑顔でのぞきゃ」ですが、
歌を聴くと
「今日もおひさん 笑顔でのぼりゃ」ですね。
また3番に登場する「九階建て」は、
島内最大の建物、65号棟のことか、
または大正時代に建てられた日給社宅のことか、
どちらも軍艦島「自慢」の建物だとは思いますが、
閉山時から一代前の労働組合の組合長さんにうかがったところ、
これは日給社宅のことだそうです。
アパートを自慢したくだりがあったり、
銀恋を思わせる映画館のデートの歌詞があったりと、
地方の小さな島の歌とは思えない内容ではあるものの、
それらを特殊な感覚ではなく、
どっぷりと昭和の感覚で受け止めていた、
島の人達の生活感覚がかいま見れる曲だと思います。

なお、B面は『軽音楽 端島音頭』というタイトルで、
メロ入りインストバージョンが収録されています。
音楽とは不思議なもので、
その時代にどんなに最先端だった音楽も、
10年も経てば古めかしく懐かし音に変化します。
そして同時に、その時代の空気感をがっちりと封じ込められるのも、
また音楽の持つ特殊な効果です。
幼少の頃聞いた音楽をふと耳にすると、
突然その時のことを、匂いや色と一緒に鮮明に思い出します。
この音源は軍艦島が閉山の時に、
それを記念して労働組合が録音したソノシートですが、
作られたのは戦後すぐの事だったようで、
島民の方々は端島音頭でよく踊ったそうです。

写真は軍艦島資料館より。
テロップは全てソノシートのジャケットに書かれたもの。
2番3段のテロップは
「今日もおひさん 笑顔でのぞきゃ」ですが、
歌を聴くと
「今日もおひさん 笑顔でのぼりゃ」ですね。
また3番に登場する「九階建て」は、
島内最大の建物、65号棟のことか、
または大正時代に建てられた日給社宅のことか、
どちらも軍艦島「自慢」の建物だとは思いますが、
閉山時から一代前の労働組合の組合長さんにうかがったところ、
これは日給社宅のことだそうです。
アパートを自慢したくだりがあったり、
銀恋を思わせる映画館のデートの歌詞があったりと、
地方の小さな島の歌とは思えない内容ではあるものの、
それらを特殊な感覚ではなく、
どっぷりと昭和の感覚で受け止めていた、
島の人達の生活感覚がかいま見れる曲だと思います。

なお、B面は『軽音楽 端島音頭』というタイトルで、
メロ入りインストバージョンが収録されています。
かつてはアマチュアのバンド等が安価なので、ソノシートを頒布したそうですが、今は簡単にCDやDVDを焼けるので便利です。しかし情報の劣化が心配ですね。デジタル化された情報が、いつまでどの程度保存できるのか・・・。
日々の生活や仕事が忙しいと、つい故郷の記憶も断片的になってしまいますが、ふと鮮明に思い出すときもあるのです。
そのきっかけが、懐かしいメロディであったりお祭りごとに集う人々の笑顔であったり。
端島音頭も、そんな大切なメロディとして記憶に残っているのでしょうね。
デジタル化は便利な反面、劣化もそうですが、読み出せない、
とかの問題もありそうで、怖いですね。
端島音頭は、歌詞が端島限定ののものが多いので、
それほど普及はしなかったと思いますが、
それでも端島の方々にとっては、
おそらくどんな写真よりも、鮮明に島の匂いや空気を、
思い出すものではないかと感じます。
「9階建て」というフレーズが印象的でした。
自分が聞いた事がある音頭は、ほとんど神社や自然がフレーズになって出ていたように思いますが
端島独特の音頭だなあとしみじみ聴かせて頂きました。
確かに「9階建て」というフレーズは、
常識的には音頭にはでてこない歌詞ですね(笑)
最後に月が出て来るのは、やはり炭鉱節を意識したのかと思います。
私は曲も覚えていますし下手だけど歌えますよ。(^^) 歌詞の一番は次のとおり。
♪長崎チョイと出りゃ〜野母半島をヨイヤサ〜ト
前に緑のほんに緑の高島が ホリャ
掘出せ積出せ、底の底まで黒ダイヤ ホリャヨ〜♫
この音源もありますか?
音楽は、写真とはまた違った意味で、リアルにその時を思い出すことができますね。
きっとグラウンドでの盆踊りを、鮮明に思い越されたことと思います。
もう一つの曲はまさに『高島音頭』ですね。
情景的な端島音頭と違って、高島音頭は高島と端島の石炭がニッポンを支えているといことを強調した歌詞。
端島音頭には高島のことは出てきませんが、端島のことが何度も出てくる高島音頭は、本山ならではの音頭だと思います。
高島音頭の音源は持ち合わせておりませんが、いずれ入手できたら、ウェブで公開したいと思います。
ちなみにこれは聞いたこともありませんが、『高島節』というのもあったようですね。
♫
島と名の付きゃ何の島もかわい
まして、まして高島なを可愛い
アラショカ ショネカ
ご存知でしょうか?