時々アップしている川崎の千鳥町です。
おだやかな黄昏時の千鳥運河の左側が、
ケミカルな工場が林立する千鳥町、
右側が以前の記事で取りあげた夜光町、
そして正面が東亜石油のある水江町です。
様々な想像を掻き立てられる<夜光町>という響き。
その名前の由来に関しては、上記の以前の記事で、
海中で光る弘法大師の仏像の話を取りあげましたが、
先日コメントを頂いたのんじさんから、
夜光にまつわる新たな情報を教えて頂きました。
むかしむかし大師河原の浜辺に漁師の父と娘がいて、
いつも娘は浜で松明を焚き、父に浜辺の位置を知らせていましたが、
ある猛吹雪の夜、
娘の必至の灯明と父の漕ぎも虚しく、
娘は松明を抱いたまま浜で冷たくなり、
その横に無惨な姿の父が打ち上げられていたそうです。
不憫に思った村人が二人を松の下に丁寧に葬ると、
夜な夜なその松の上に灯りが灯ったことから、
夜光町と名付けられたという、
『不知火の松』という話が、川崎の民話・伝説にあるそうです。
話の冒頭に「大師河原の浜辺に~」とあるので、
少なくとも川崎大師ができた後の伝説だと思いますが、
こちらは海中で光り輝く弘法大師の彫像の話とは違い、
かなり悲しい話が<夜光>の由来になっています。
今、千鳥町や夜光町は、
そんな伝説も民話も全部塗りつぶして、
昼も夜もモクモクと煙を吐き続けていますが、、
それはまた、かつての大公害の街としての、
悲しい<伝説>を背負う光景なのかもしれませんね。
■シリーズ:川崎千鳥町■
・#01 夜の工業地帯
・#02 廃墟としての工業地帯
・#03 浅野総一郎の野望
・#04 テクノスケープのデザイン
・#05 光の生き物
・#06 千鳥線
・#07 飛行機からの臨海工業地帯
・#08 ブレードランナーと京浜工業地帯
・#09 夜光町 その由来1
なんて事を言っていたのは今は昔
そんな言葉は幻のようですね
この場所も何時か「昔むかし、この地には高い煙突があって何時も煙を吐いていたモンじゃよ」
なんて伝説が出来る時が来るのでしょうか
鶴見線の石油支線の記事で少し触れましたが、
かつての「おおげさ」な工場の跡地には、
今ゲノム研究所などの「主張しない」ラボが、
続々と造られているそうです。
おっしゃるように「伝説」の光景になるのも、
時間の問題かと思います。
感覚的には
「2000年の頭頃はまだこんな風景があったんだ~」(2036年)
的なところもありますね。
川崎大師参詣の後、浮島、千鳥町、東扇島と巡りました。
ちょうど黄昏時には、夜光近くのプールで泳いじゃってて、
このシリーズのような風景が見らなかったのが少々残念ですが。
石油支線などもっと西のほうもいずれ探検したいと思ってます。
鶴見川河口、末広町の端っこにプール&お風呂があるようなので。
えいはちさんの日記や写真館も、今日久しぶりにみました。
随分と行動されてるご様子。羨ましい限りです。
川崎の埋め立て地へ行かれたのですね!
最近はあの辺も行ってないので、また充電しに行きたいところです。
千鳥、浮島の西側の埋め立て地は、さすが元祖工業埋立地だけあって、
それぞれ風格(?)があると思いますので、是非。
でもえいはちさんの遠征基準って、お風呂&プールなんですよね。