黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

青梅 #09 昭和幻燈館~後編

2013-12-09 00:08:22 | 東京 URBEX
シリーズでお送りしている青梅。
異空間の街をずっと見て来ましたが、
最後はそんな青梅を凝縮したような場所、
『昭和幻燈館』の後編です。

青梅

『濹東の色街 東京 向島』と題されたジオラマは、
拙ブログで以前アップした『鳩の街私娼窟跡』に隣接して、
鳩の街より古い玉ノ井の花街。





青梅

二階の部屋を見ると、
仕事が終わったのかそれとこれから仕事なのか、
髪を整える全裸の女性がいます。





青梅

花街の中でたまたま出くわしたのは、
親父と息子か、それとも会社の上司と部下か、
あるいは女性の旦那が右のメガネの人でしょうか。
「ぬけられます」とは、
警察の手入れ対策でわざと迷路状に造った道の案内。
芸が細かいですね。





青梅

カフェーの壁面下部のタイル貼りまで、
しっかりと造り込まれています。





青梅

ハート型の窓がみえる花街の裏側では、
ひとときの癒しを求めて、
ノラ猫に餌をあげている様子まで造られていて、
涙を誘います。





青梅

『本郷 樋口一葉と井戸』は、
以前、拙ブログでもアップした記事、
東京ノスタルジア:本郷 #02』の、
上から2番目の画像の場所ですね。





青梅

その他、バラックの用に積み上げられた、
戦後の雰囲気を残す『浦安 川べりの家々』や、





青梅

今では大寅興行だけになってしまった見世物小屋など、





青梅

また覗き込む作りになっているストリップ小屋の中など、
どれもこれも昭和の原風景を切り取った秀逸なジオラマです。



映画の看板で街興しをしているだけだろうと、
たかをくくって出向いた青梅でしたが、
実際に見た青梅は、他のどの街にもない、
唯一無二の異空間っぷりをいかんなく発揮した街でした。
ただの昭和レトロというだけに留まらず、
独自の発展を遂げた街は、もはやレトロというより、
新手のテーマパークのようにも感じました。


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