業務&ITコンサルタントのひとり言

コンサルティング活動を通じて感じることを勝手気ままに記載

円高傾向が止まらない

2022年04月16日 12時00分00秒 | 経済
円高がかなり進んできた。表面的な原因は、世界の主要国家が金融の引締めを行っているが、日本ではまだデフレが続いていて、引締めができない事が主要原因と云われている。一部の価格は上がっているが、まだまだ物価が上がったとは云えない。少なくともインフレ傾向にあるとは云えない状況にある。

しかし、誰もデフレが続く根本的な原因を語っていない。その根本的な原因は、日本人の特性(または国民性、文化、性格)にあり、次の2個の特性にある。そして一つの悪政がこれを後押ししている事が根本的な原因である。

一つ目はコスト削減と安く売る事が殆どの企業の重要目標となっている事にある。この考え方はもはや病的なレベルになっており、自身や同僚の給料を下げてまで実現しようとしている。コスト削減のみで、しかも自身や同僚の給料を少しずつ上げた上でのコスト削減であれば問題ないのだが、そうではない病的な次元になっている事が問題であり、もはやコスト削減と安売りは”美徳”の領域に到達している。
その結果、日本は最も物価の安い国になってしまっている。自分の本にも記載したが、40年以上前の地方都市でのランチが400~500円で、ほぼアルバイトの時給と同じだったのだが、今でもワンコインでランチを食べられる所は沢山ある。そしてお弁当を300円以下で販売している所もある。これでは何時までたってもインフレにはならない。

二つ目の理由は、暖簾分けの文化にある。これは東南アジアにもみられる傾向ではあるが、自分が慣れしたんだ、または知っている業界で新たにビジネスを起こす人が多すぎる事にある。その結果、その業界が過当競争に陥り、競争の為に値段を下げざるを得ない状況にある。お弁当やランチは正にそれである。これ以外にも一般消費者向けの沢山の多くの業界が過当競争下にある。具体的にはコンビニ、薬局、美容院、不動産、スーパー、衣料店、家電量販店、ホームセンター等々きりがない程過当競争下にある。都会のコンビニや薬局、そして美容院などは、現状の半分以下、または3分の一の店舗数でも十分である。所によっては5分の一でも十分である。
そして一番の問題点は、次に述べる事にある。例えば薬局で食料品を販売している所が沢山あるが、薬局では薬の販売で儲ける事ができればOKと判断しているので、食料品を格安価格で販売し、スーパーやコンビニにプレッシャーを与えている。そして最近はコンビニでも薬を販売できる様になってきたので、今度はコンビニでも薬を販売し始めている。類似の事をホームセンターや家電量販店でも行っており、消費者に取っては有難い事ではあるが、この超が付く過当競争は愚かとしか思えない。

そして愚かとしか思えない政策が、外国人労働者の積極的な受入れである。外国人労働者の受入れは、殆どの先進国で行っている事ではあるが、アメリカの不法移民を除けば、ある程度のルール下で行っている。日本の場合、法律でワザと抜け道を作って、必要以上の外国人労働者を受入れており、その結果国内の給料が何時まで経っても上がらない構造を作ってしまった。その抜け道とは、
・語学留学性との形で、安価な労働者を受け入れている。因みにアメリカでは留学生のアルバイトは禁止している。アルバイトが見つかると、強制退去させられる。
・技能実習生と称して、安価な労働者を受け入れている。これも建前は技能を教育する目的だが、実態は安価な労働者の受け入れである。

この様な事を続けている限りデフレからの脱却は大変難しく、日本の経済がより一層弱くなり、近いうちに三流国になり下がってしまうだろう。それを阻止する為には、日本人の特性を変えるしか方法がない。または正しい哲学を持った水戸黄門の様な指導者が出てきて、日本を変えてくれるのを待つしかない。
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