エマニュエル・トッドの「グローバリズム以後 ~アメリカ帝国主義の失墜と日本の運命」の中で、いま中東で起こっていることについて書いている部分が強く印象に残りました。
(1)アラブ世界の弱点のひとつは、国家建設能力の低さです。イラクやシリアで起きたことは生まれつつあった国家の破壊でした。フセインのイラクもアサドのシリアも酷いものではありましたが、国家建設の始まりでもあったのです。その国家建設をアメリカが破壊したのは最悪のことでした。
(2)中東は近代への移行に向けて苦しんでいる過程にあります。歴史的にみれば、フランスは革命と戦争を何度も繰り返し、ドイツには宗教革命やナチズムの時代があり、ロシアでは共産主義革命があり、この過程で多大の犠牲者を出しました。これらに比べるといま中東で起こっていることはまだ数年であるし、犠牲者の数でいってもまだずっと少ないのです。フランス革命やナチズム、ロシア革命の犠牲者はこれとは比較にならない大虐殺でした。
読んでいて、佐藤優氏が何処かで書いていたくだりを思い出しました。ヨーロッパは第2次大戦までの歴史の中で、もうこれ以上殺し合いたくないと思うようになり戦争を辞めた。中東での争いも、みんながもうこれ以上殺し合いたくないと思うまで終わらないのではないか。そんな内容でした。
(1)アラブ世界の弱点のひとつは、国家建設能力の低さです。イラクやシリアで起きたことは生まれつつあった国家の破壊でした。フセインのイラクもアサドのシリアも酷いものではありましたが、国家建設の始まりでもあったのです。その国家建設をアメリカが破壊したのは最悪のことでした。
(2)中東は近代への移行に向けて苦しんでいる過程にあります。歴史的にみれば、フランスは革命と戦争を何度も繰り返し、ドイツには宗教革命やナチズムの時代があり、ロシアでは共産主義革命があり、この過程で多大の犠牲者を出しました。これらに比べるといま中東で起こっていることはまだ数年であるし、犠牲者の数でいってもまだずっと少ないのです。フランス革命やナチズム、ロシア革命の犠牲者はこれとは比較にならない大虐殺でした。
読んでいて、佐藤優氏が何処かで書いていたくだりを思い出しました。ヨーロッパは第2次大戦までの歴史の中で、もうこれ以上殺し合いたくないと思うようになり戦争を辞めた。中東での争いも、みんながもうこれ以上殺し合いたくないと思うまで終わらないのではないか。そんな内容でした。