我輩は凛太郎である/そしてその母紗夢猫(しゃむねこ)である+ワン!

凛太郎♂(18歳)ミニチュアダックスとハク♂(13歳)和犬雑種+その飼い主ニンゲンの皮を被ったネコ婆♀が繰り広げる日常

茫然自失鳥

2006-06-19 22:43:31 | 雑記
 旧青山町高尾地区を車で走っていた時のことだ。道路に山鳥らしきものが立っていた。この鳥は足が長いので立っているという表現が似合う。道路に接する山の斜面を何かしらじっと見ているようにも見えた。
 車が近づいたら飛び立つだろうと思っていたが、その気配がない。鳥を見つけた時からスピードは落としていたが、全く飛び立つ気配を見せないので、鳥を迂回し、反対車線に出ての運転となった。
 こんなことってあるんやろか。鳥やったら車が近づいてきたら、飛び立つのとちゃうとか心の中でぶつぶつ。鳥はピクリとも動かず、じっと同じ方向を見ている。鳥を迂回して元の車線に戻り、バックミラーを見たら、鳥はまだ同じ場所に立っている。 私は車を止めて、降りた。ドアを閉める音で、鳥は我に返ったのか、私が鳥の方に近づこうと1歩踏み出したら飛び立っていった。鳥が見ていたと思われる方を見たら、草や熊笹が刈られ、竹や木などが伐採されていた。そこに鳥の巣があったのだろうか。あの様子は茫然自失、まさしく身の安全も忘れて立ち尽くしていて、身にせまる危機、車にも気がついていなかったような感じだった。
 しばらく走ると、地区のかなりの人が同じように山の斜面の道路に面したところの整備をしておられた。きっと道路の見通しや安全のために刈っておられたのだろうと思うのだが、さっきの鳥はこの整備で巣がなくなってしまったのかもしれない。道路に近いようなところに巣をつくるのかどうかはわからないが、あの様子はただごとではなかったと思う。
 ちょっと留守にした間に、帰るべきところがなくなってしまい、どうしていいかわからない状態だったのだろうかと鳥のことを思い、それにしても鳥にも茫然自失があるのだろうか、ニンゲンみたいだと、鳥の不幸?な身の上を思いながらも、つい微笑んでしまった私だった。