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『七剣/セブンソード』劇場版パンフレット執筆後談

2005年10月10日 17時27分08秒 | お仕事日記
10月1~5日まで国慶節の為、我社も5日間の連休となった。…しかし、休みの間も10月1日より、日本で公開された『セブンソード』の事が気になって、何だか休んだ気がしなかった。
6日に休み明けで会社に出勤すると、机の上に松竹株式会社から送られて来た『セブンソード』の劇場版パンフレットが有った。急いで包みを開けてみると、これが何とも結構な作りでオールカラー…、感激
8月に日本で『セブンソード』の公開が急遽決定され、私のブログを読んで下さった、松竹のパンフレット制作担当者の方が、劇場版パンフレットの為に執筆のオファーを下さり、電影工作室訪問記及びドニー・イェンさんのインタビューの取材記事を執筆した。

カメラ目線のドニーさん。顔が…

私の会社のアニメ新聞を持ってポーズをとる気前の良いドニーさん。

今回、松竹株式会社の好意で、パンフレット上に我社で制作した『七剣・序章』(公式漫画設定資料集)の記事を少し載せる事が出来た。問い合わせ先には、私のメールアドレスを載せておいたが、映画が公開されてから数日…、既に20人ほどの方が連絡を下さり、日本で『七剣・序章』を購入出来ないかとの問い合わせや、グッズ購入についての問い合わせ、中にはファンレターを下さった人も
やっぱり、香港映画好きには気になる商品らしいが、日本では大阪に在る“中華中心”(チャイナ・センター)で、取り扱っているので、ここの記事を読んだ方で、『七剣・序章』が欲しい方はチャイナ・センターさんへ連絡してみると良いだろう。今の所、購入の便利さからYESASIA.comで購入された方も多い様だ。一体、どの位の日本人が『七剣・序章』を認知して下ったのか。制作にも関わった私からすれば、今後の香港・中国漫画を日本で紹介すると言うプロジェクトの鍵となっているので、とても気になっている。
現在、只今制作進行の漫画版『七剣下天山』(漫画:廖光祖)も、中国でのドラマ版『七剣下天山』の放映にあわせ、10月末の第一巻出版を目指して制作進行中である。実は、今、日本の出版社と漫画版『七剣下天山』の出版に関して連絡を取っているが、日本国内での外国漫画への門戸は硬く閉ざされ、鎖国状態である。また、漫画大国を自負する日本の漫画業界の壁は厚くて高い、ただ厚い壁とは言っても、どこかに潜り込めるような、穴が開いているとも限らないので、血眼になって、その穴を探している。

ただ、言っておくが、これらの漫画はそんじょ、そこらの中国漫画ではない。何と言っても、香港の電影工作室と正式に契約を結んで制作されたと言う“売り”(宣伝文句)もあり、列記とした作品だと言う所もアピールしている。しかも、香港の漫画家、廖光祖氏は88年にデビューして依頼、多くの漫画作品を手掛ける香港の人気漫画の一人だ。
彼の作風は、他の香港の漫画の作品とは一線を画している。多くの香港漫画はアメリカンコミック風の硬さの有る絵が特徴だが、彼の作品は、彼の優しい人間性や細やかな性格を表したかの様な繊細さがあり、日本人受けする絵と言えよう。確かに中国の漫画の技術は、日本の漫画に比べて稚拙な部分も有るかも知れない。しかし、それは日本でも言える事で、中国でも日本でも、他の国に置いても絵が下手糞な漫画家なんて者は、掃いて捨てるほどいる。どんな分野でもそうだが、上や下を見ていたら埒が空かない。そう言うもんだ。
ここからは、毒吐き気味で語ります
日本のとある出版社の人はこう語った。『所詮、中国の漫画なんて日本人の感覚には合わない。』…と、以前、記事を書いた事がある、例の“ウンチク日本人”(私の天敵)だ。『中国の漫画なんて』と言うけれど、この方は一体どれだけの中国漫画を読んだ事があるのだろう。何しろ、ツイ・ハーク監督の名前すら知らず、初対面の時に『香港映画なんて韓国映画と同じで下らない』等と、私の命とも言える香港映画を侮辱する悪態をつく程の“殿様”である。下手したら、本当は中国の漫画なんて、ちゃんと読んだ事が無いような方だろう。
私だって、漫画と香港映画、執筆なんかで飯を食ってる身なので、『はい、そうですか』と簡単には引き下がる訳には行かなかったが、話す相手が間違っていた。相手は、自分=日本人読者代表のつもりで話をしているのだから、頭の中は『自分が知らない物=日本人は全員知らない』、『自分に興味が無いもの=日本人は全員興味無し』と言う前提で話をしている。
…そうじゃないだろう!
日本に入って来る海外漫画なんて、合っても輸入書籍程度もので、日本人の殆どが海外の漫画を読む機会を与えられていないのが現実でしょう!絵が下手とか上手いとか、それ以前の問題で、日本人の一般読者には海外の漫画作品を選ぶという選択権すらないじゃないか。例え欲しくても、日本では通信販売などで輸入品を買う事しか出来ない。そんな状態なのに、日本の漫画と同じレベル、同じ土俵では勝負出来ないのは当たり前だ。
私だって、日本人が皆、武侠漫画や中国漫画に興味が有るとは思わない。だけど、私にメールを下さった方々がいるように、興味をもっておられる方も沢山いるはず。

現在、日本の出版関連会社と連絡と取り合っている状況だが、それでも状況は思わしくない。なぜなら、日本で国外漫画を出版して成功した例も無く、武侠漫画を出版した会社もほぼ無い状態だからだ。
本当に頭が痛くなる仕事だが、この企画を成功させる鍵は、中国漫画=日本人には合わないと言う、先入観を如何に払拭して行くかだと思う。
頑張るぞ~!

ちなみにこれらの写真は、私が自分で撮影して来たものです。
コメント (2)
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