2012年9月5日、中国新聞網によると、8月29日、中国河南省洛陽にある凌波遊泳場で河の深みで溺れた女性2人の救助に当たった24歳の男性が溺死するという事故が起きた。女性2人は死亡した男性の友人らに救助されたが、女性2人は現場からこっそり立ち去ってしまったという。
近頃、あるネットユーザーが投稿を行った。投稿によると、8月29日、彼とほかの友人4人が洛陽の凌波遊泳場に行き、楽しく遊んでいる時、突然、若い女性2人の助けを求める声が聞こえた。彼らは自らの身を顧みず、水の深いエリアにはまりこんだ女性を救助した。みんなの協力で女性2人は安全に岸に助け上げられたが、救助にあたった24歳の若者・劉文波(リュウ・ウェンボー)さんが、河の深みにはまり溺死したという。
「(勇気を持って正しい行いをしたという「見義勇為」を申請したい)、しかし、この女性2人が見つからない」と、このネットユーザーは話している。
その後、記者はこの投稿者の楊崑崙(ヤン・クンルン)さんと連絡を取った。楊さんの話によると、自身も女性を救助した全過程に携わり、溺死した劉文波さんは彼の友人だという。また、この女性2人はいずれも20歳前後で、救助された後、こっそりと現場から立ち去ってしまった。
この遊泳場のスタッフによると、当日は確かに事故が起き、現在、遊泳場は営業停止し自粛を行っているという。
河に入って人命救助を行った場合は洛陽市の定める「見義勇為」の申請条件に符合しない
劉文波さんの行動は「見義勇為」に属するのか?これに対し、記者が河南省見義勇為基金会洛陽分会秘書長である袁主任に電話で取材を行ったところ、彼は「河に入っての人命救助は洛陽市の『見義勇為』条例の適用範囲に属しない」とはっきりと述べた。
2002年洛陽市第十一回人民代表大会常務委員会第三十一回会議で通過した《洛陽市社会治安の保護と維持 見義勇為人員条例》によると、
「河での遊泳は《条例》に規定されている「見義勇為」の適用範囲には属さない。例え女性2人が現れて証言したとしても、第二条の規定に符合しない。第二条では国家の利益、集団の利益、他人の身の安全、財産安全が“不法侵害”を受けた場合が強調されている」と、袁主任は言う。記者はこの《条例》が「見義勇為」の範囲を縮小し、ただ社会社会治安維持の方面の救助活動のみが「見義勇為」とみなされているのではないかという質問に対し、袁主任は、現在、彼らはこの《条例》のみに則り仕事を展開していると述べている。
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何なんだろう、この不公平感は!
これは、8月29日に河南省洛陽で起こった事件だが、この洛陽市の事故では、救助にあたり亡くなった劉文波さんの行動は市の《条例》が定める「見義勇為」(正義の行動)申請条件に符合しないという。しかし、この事件の約1ヶ月前の7月31日、同じく河南省内にある南陽市では劉金顕(リュウ・ジンシエン)さんという50歳の男性が市の中心を流れる白河で遊泳中、溺れた女性を助けて亡くなったが、こちらの劉さんの行動は「見義勇為」と認められている。
同じ河南省で起きた事故で、同じように河で溺れた人を救助し溺死したのに市の《条例》の違いによって、「見義勇為」に認定されないというのは、やはり不公平感を感じずにはいられない。
では、「見義勇為」に認定されると何があるのかというと、見義勇為基金会から遺族に「見義勇為保険金」が出るのだ。
金額は地区によって異なるそうだが、2011年10月に広西チワン族自治区巴馬県で、川でおぼれた友達2人を救い出すため、命を落とした小学生・楊勝(ヤン・ション)ちゃん9歳のケースでは、「見義勇為」と認定され、遺族に25万元(約300万円)の「見義勇為保険金」が手渡されたという。
「見義勇為」に認定され「見義勇為保険金」支給の対象になるかどうかは別にして、自分の身を顧みず溺れた人を救助しに行くなんて、なかなかできない立派な行動だし、残念ながら亡くなった劉さんも含め、救助活動を行った人たちは賞賛されるべきだと思う。
しかし、私が許せないのは救出されて起きながら、現場からこっそりと逃げ去った女性2人だ!
元はと言えば、劉さんが溺死した原因も彼女たちが溺れたのを助けに行ったからだと思うが、こんな感謝の気持ちの欠片もなさそうな女性が生き残り、勇気を出して救助に向かった劉さんが結果的に亡くなってしまうなんて、「良い人は長生きできない」、「良い人だから死んでしまった」と感じてしまう。
この女性たちが少しでも感謝の気持ちや申し訳ないという気持ちがあるのなら、どうか行動で示してほしいものだが、この女性たちはこれからどんな気持ちで生きていくのだろうか?自分たちを救助するために、1人の尊い人命が失われたのに、「自分たちには関係ない」、「自分は悪くない」、「溺れたやつが悪い」とか、そんな風には思わないで欲しい。
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