周平の『コトノハノハコ』

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『夢馬鹿』~第6話~(シューピー散文クッキング第1弾)

2021年10月27日 | シューピー散文クッキング
周平本人が目を瞑りながら国語辞典を適当なページで開いて適当な場所を指差し、目を開けた時に指が指している単語(1話につき5個)を全て文章のどこかに組み込まなければいけない「シューピー散文クッキング」の第1弾『夢馬鹿』、久々の更新となる第6話です!

さて、今回の材料は…

「見知らぬ」…小さじ2杯
「人生」…小さじ1杯
「近頃」…小さじ2杯
「貝塚」…大さじ4杯
「雪男」…大さじ5杯

ついにUMAの雪男まで登場!? 何がテーマか分からなくなってきた第6話スタート!!

『夢馬鹿』~第6話~

私の勘違いの所為で"見知らぬ"女性と長話をしてしまった結果、会社へ遅刻してしまった私は、皆の前で上司から説教を食らってしまった。
"近頃"、上司からは説教ばかり受けていて、ますます「自分の"人生"、このままで良いのか?」と考えてしまう。
今の会社で昇進するよりも、ラーメン屋を開いて成功する方が簡単な気さえしてきた。

そんな事を考えながら、昼休みに弁当を買うため、会社の近くのコンビニへ向かっていると、目の前から"雪男"が歩いてきた。
ちなみに「ゆきおとこ」ではなく「ゆきお」と読む。
私の大学時代の友人だ。
大雪の日に生まれたからという理由で"雪男"と名付けられた、配慮に欠けるご両親の間に生まれてきた奴だが、本人は周りに色々と配慮のできる本当に良い奴だ。

「おぉ、"雪男"! 久しぶりじゃん!」

「おぉ、"貝塚"! 久しぶり!! 元気そう… でもない感じか?」

さすが、"雪男”は何でもお見通しだ。
そして、申し遅れてしまいましたが、私の苗字は"貝塚"という。

「どうだ? 仕事終わったら久々に一杯!」
"雪男”はビールを飲むジェスチャーをしながら私に提案してきた。

正直、最近の家内の機嫌を考えたら、誘いを断って真っ直ぐ帰宅したいところだったが、”雪男”はきっと私が何かに悩んでる事に気付き、話を聞いてくれようとしているのだと思い、「おう! じゃあ仕事終わったら連絡するわ。」と返事をした。

私は恐る恐る家内に今日の夕飯は要らない旨の連絡をし、再びコンビニへと向かい歩き出した。

《第7話へ続く》