周平の『コトノハノハコ』

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『ブサメンの音楽隊』~第3話~(シューピー散文クッキング第2弾)

2022年06月04日 | シューピー散文クッキング
周平本人が目を瞑りながら国語辞典を適当なページで開いて適当な場所を指差し、目を開けた時に指が指している単語(1話につき5個)を全て文章のどこかに組み込まなければいけない「シューピー散文クッキング」の第2弾『ブサメンの音楽隊』の第3話です!

さて、今回の材料は…

「海水浴」…小さじ5杯(群馬県に海ないよ~)
「面倒」…小さじ2杯
「丁寧」…小さじ2杯
「自由平等」…大さじ3杯
「つむぐ」…大さじ4杯

こんな企画、"面倒"だから辞めたいけど、そうも行かずに第3話スタート!!

『ブサメンの音楽隊』~第3話~

イヌだけじゃなく、ニワトリ(元・大将)も含め3人で行動する事が増えてから1週間くらい経った日の事。
僕たちは昼休みを相変わらず校舎の屋上で過ごしていた。

「午後の授業"面倒"だなぁ。帰りてぇなぁ。」と僕。

「でも、僕たち帰ってもゲームくらいしかやることないでしょ?」とニワトリ。

「それな。」とイヌ。

「夏までには彼女作って、一緒に"海水浴"とか行きてぇなぁ。」僕がまたぼやいた。

その後もこんな感じで生産性の無い会話を繰り返していた。

そこに一人の男子生徒が現れた。

「君たち、真冬に屋上なんかにいたら風邪引いちゃうよ?」

僕たちにそう声をかけてきたのは隣のクラスの学級委員長で、来年度は生徒会長間違いなしと言われてる西園寺”つむぐ”(さいおんじ・”つむぐ”)だ。

僕は「おぅ! 次期生徒会長がこんなトコに何しに来たのよ?」と声をかけた。

「いや、ちょっと、彼女にフラれちゃって…。一人になりたくてココに来たんだ。」西園寺くんは答えた。

「おいおい、早まるなよ! 俺たちなんてふってくれる彼女すらいないんだからな!」イヌが吠えた。

するとニワトリが、「たしか西園寺くん、生徒会長の選挙の演説で”自由平等”な学校にしたいとか言ってたよね? じゃあ僕たちにも彼女を与えてよ? そうじゃないと"自由平等"とは言えないよ。」と、僕とイヌもビックリな滅茶苦茶な事を要求しだした。

「君たち、そんなに女子にモテたいならバンドとかやってみたらどう? 僕もバンドでライヴをやってる時にお客さんとして来ていた他校の生徒が彼女になったんだ。もう、元・彼女だけどね。」

「バンドか! なぜそれを思いつかなかったんだ!!」イヌがまた吠えた。

「もしバンドやるなら僕が”丁寧”に教えてあげるよ?」
西園寺くんがそう言ってくれた事で、僕たち3人の不純なバンド計画が始動した。

《第4話へ続く》