周平の『コトノハノハコ』

作詞家・周平の作詞作品や歌詞提供作品の告知、オリジナル曲、小説、制作日誌などを公開しております☆

『ブサメンの音楽隊』~最終話~(シューピー散文クッキング第2弾)

2022年11月03日 | シューピー散文クッキング
周平本人が目を瞑りながら国語辞典を適当なページで開いて適当な場所を指差し、目を開けた時に指が指している単語(1話につき5個)を全て文章のどこかに組み込まなければいけない「シューピー散文クッキング」の第2弾『ブサメンの音楽隊』、ついに最終話です!

さて、今回の材料は…

「ピンチヒッター」…小さじ3杯
「殻」…小さじ2杯
「実験」…大さじ1杯
「申し送る」…大さじ4杯
「人ごみ」…小さじ3杯

最後にとんでもない結末が待っている最終話スタート!!

『ブサメンの音楽隊』~最終話~

文化祭まで残り2週間を切った。
「ねぇ、文化祭本番前に僕らの曲を"実験"的にネット上にあげてみない?」とネコが言い出した。

「なんでよ?」イヌが訊いた。

「ネット上での反応を見るんだよ。ここはもっとこうした方が良いとか。こう歌った方が良いとかアドバイスもらえるかもだし。」

「うん、いいかも。僕も、なんかこう、うまく言えないけど、もっと”殻”を破りたい感じがする。」と、ニワトリが答えた。

「でもどうやってアップするの?」今度は僕(ロバ)が訊いた。

「僕の知り合いにオリジナル曲をネットにアップしている周平さんっていう人がいるんだ。その人のページにアップさせてもらおうかと。」ネコが答えた。

「なるほど。その前にちょっとだけ歌詞を書き直したいかな。」
歌詞を書いてからだいぶ月日が経っていたので、心境の変化もかなりあった。
僕は今現在の気持ちも踏まえて歌詞を一部書き直した。

こうして僕らのオリジナル曲『ブサメンの音楽隊による行進曲』は文化祭で公開される前に、ネット上で全世界に公開されてしまった。
もちろんネコから周平さんに「僕らの曲が酷すぎて、コメント欄に罵詈雑言が飛び交ったらすみません。」と”申し送る”事はしてくれたらしい。

そして、ついに迎えた文化祭当日。

4組のバンドの中で僕らが最初に演奏する事になった。もちろん僕らが一番レベルが下だし、その方がハードルも低くて助かった。
僕は文化祭1週間前に風邪を引いてしまったが、もちろん”ピンチヒッター”なんていないし、ここまで来て誰かに譲るつもりもなかった。
根性で風邪を治して、なんとか今日を迎えた。

体育館内は全校生徒や先生達、そして保護者や他校の生徒、教育委員会のお偉いさん達で”人ごみ”になっていた。

「よし、行こうか。」僕は3人に声をかけた。

「おう!」とイヌ。

「やっと、だね。」とニワトリ。

「悔いのないようにやろう! 3人ともこの時を半年間も待ってくれてありがとう!」とネコ。

ついに、ついに、この瞬間を迎えた。
4人とも目が潤み、ネコ以外の3人は手が震えていた。

「皆さん、はじめまして! ブサメンの音楽隊です。」

バンド名を聞いて体育館内に笑いが起こる。

「聴いてください! 『ブサメンの音楽隊による行進曲』です。」

と言っても、文化祭にお越しいただけなかった皆様にはどんな曲なのか伝わらないかと思いますので、この物語の筆者でもある周平のオリジナル曲がアップされているサイトの方で『ブサメンの音楽隊による行進曲』をお聴きくださいませ♪

「musictrack」の周平のページです。
ここで『ブサメンの音楽隊による行進曲』や周平のオリジナル曲も簡単に聴けます↓
http://musictrack.jp/user/22036

《完》