周平の『コトノハノハコ』

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小説第3弾『Extra Dream』~第2章~

2013年01月08日 | 小説
「歩夢」という主人公の名前を聞いて、読者は何歳くらいの人間を想像しただろうか?
10代の若い男性を想像しただろうか?
いや、この名前だと女性でもおかしくはない。
20代前半の可愛らしい女性を想像した読者もいるだろうか?

残念ながらどれも不正解だ。
答えは「52歳の冴えないオッサン」である。

歩夢(52歳独身・男性・アルバイト)は1991年(平成3年)に岐阜県に生まれた。
19歳の頃に俳優になりたいという夢を追いかけて上京した。
しかし10年以上経っても全く芽が出ず、夢をあきらめ、30歳を過ぎてから定職に就こうとしたが、時すでに遅し。
結局、34歳の時に東京を去ることになり、現在は実家で年老いた両親と3人暮らし。
岐阜でも定職に就く事はできず、アルバイトを掛け持ちして自分と両親の生活費を稼いでいた。
昼間は定食屋で、深夜はコンビ二でアルバイトの日々。

ちなみに歩夢が定食屋で働こうと思ったのは"定食"屋で働く事で"定職"に就いた様な気になれるからという安易な理由であるかどうかは定かではない。

「こんなはずじゃなかったのになぁ…」

歩夢は20代前半のうちにさっさと夢をあきらめ、定職に就かなかった事を激しく後悔していた。

「あぁ、あの頃に戻ってやり直せたらなぁ…」

歩夢は休日に実家の居間でそうつぶやくと、特に見たい番組も無いのにテレビをつけて、体を横にした。
テレビでは、俳優としても活躍している若手の男性タレントが「東京コスモツリー」の中にあるレストラン街のリポートをしていた。
まさに歩夢が昔、思い描いていた姿がそこにはあった。

「東京コスモツリーかぁ… すげぇよなぁ… だってタイムマシンまであるんだもんなぁ…

うん!? タイムマシン!? そうだ!その手があった!!」

52歳のオッサンになっても馬鹿なままの歩夢は、
下手したら俳優として成功するよりも可能性の低い賭けに出る事にした。

(第3章へ続く)

4 コメント

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Unknown (如月 ゆめ)
2013-01-09 01:17:26
私の想像では主人公は20代前半の男子。
現代なら正解なのになー(笑)

読んでいてドキドキワクワク♪
物語の展開が楽しみになるねー(*^○^*)
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30年後 (ちえこ)
2013-01-09 17:02:50
超~リアルなんですけど~(≧∇≦)

30年後、ウチの息子がさえないオッサンになってそうだわ(^_^)vそして年老いた両親と…そう、まさに息子は平成3年生まれ!
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>如月 ゆめさん (周平)
2013-01-09 23:50:34
たぶん20代前半の歩夢も登場しますよ!
そしてまさかの展開も待ってますw
お楽しみに!
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>ちえこさん (周平)
2013-01-09 23:52:41
え?そうだったんですか!?
すみません。。。
でもちえこさんの息子さんは絶対に歩夢のようにはならないから大丈夫ですよ!
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