【アーカイブより当記事に加筆】第1回感想。(9月8日マチネ~東京前楽)
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2013年9月8日
上川隆也さん主演の『真田十勇士』 行ってきました!
結論。
上川さんっ!!!
何てカッコイイ!!!
台詞回しも声もいい。お芝居もいい。
身のこなしも殺陣も素晴らしい。
着物も鎧も似合ってステキ。
まさに「殿」オーラ半端ないです。
一生ついていきます!←
そこはそれとして。
・時代物ではなく、戦隊モノとして観る。
・上川隆也のコスプレPVを3時間ひたすら堪能する気持ちになる。
・さすがの里見浩太朗さん、ブレない時代劇クオリティ。
(9/8)
シナリオはもう、ね、最後の黒船の名前とか「ぶはっ 」と吹きそうになりましたし…無茶ありすぎでしょ、という佐助の設定とか、鎌之助はいったい幾つなんだとかw(苦笑)いやいやそれでこそ王道娯楽時代劇なんだ!と「理屈抜きで」楽しんでおりました。←まあ中島かずきさんだし新感線っぽいノリを期待して行ったのでそれは間違いなく楽しかった!
衣装はこの冬にはまった「ロックオペラモーツァルト」の有村淳さん。(「ドレッサー」も素敵だった)この方のデザインしたビジュアル系戦国武将・上川幸村サマの衣装替え、どれもこれもホントに絢爛豪華、華麗でしたね。金襴の鮮やかなぶっさき羽織とか、格子と○の柄の赤と藍の着物も、冬の陣での白地に鮮やかな血飛沫が散ったような染めの紅梅柄の着物も、夏の陣の鎧+羽織と真紅の鉢巻も!!ステキすぎて溜息が。いやもう主人公にしてヒロインですからいいんです!
最大のツッコミどころ。
それはいきなり流れ出すエンディングテーマ曲の「中島みゆき」…これはもう、どうして良いか分からないくらい一瞬茫然wせっかくのクライマックスが!折角の見せ場が~~!曲自体はよかったと思うのですが、カテコで流すとか、劇中はちょっと浮いている感が否めなく。何とかならなかったのでしょうか。(※それでも6公演観るころには慣れたw)
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(9月15日前楽)
初見がA席で「観れたらいいや」と思っていたのに、すっかり上川幸村に惚れてしまい…。
気が付けば「ザ・三度目の正直」
…というか、 誘惑 に負けた。(何の?)
真田シート!S席のさらに上、SS席ってやつです。(Sanada Seatではない)1回目が2階後方のA席で、見えにくかったので、2回目(9月13日ソワレ)は奮発して!2階2列目中央というS良席を入手して、「何!客席に幸村サマたちが?!」と知り…最後の観劇チャンスだと思い、相当気合いを入れて行きました!
↑
これが最後の観劇と思っていたのに、惚れすぎて大阪まで追っかけてしまった残念な自分…orz
あんな素晴らしい大千秋楽を見届けることができたので、反省はしているが後悔はしていない。
会場でチケット受け取って、席を探したら、なんと中央通路のすぐ前の列、センター!
「こ…この位置ということは…」
一幕のクライマックス、冬の陣で幸村サマ(と十勇士)が後ろに立たれる!まさに真後ろ、真横…生・幸村サマが手の届くような距離に降臨されるとは…!開演前から心臓がバクバク。ドキドキ。こういう時(3回目だから)心の準備ができるのはいいことなのか、どうなのか?!
ところで今日はH列=前から8列目、このあたりは観劇で一番好きな位置。劇場にもよるけれど、7~12列目あたりは役者さんと視線の高さが同じになるから、表情がよく見える。声も(マイクはつけているが)限りなく生に近い感触で聞くことができる。最前とか~3列目みたいに近すぎるとミーハー魂・炸裂!で「その人しか見えなくなる」から、今日は投資しただけの価値がある席だったと思う。舞台の近さ、役者の視線の高さ、どれも最高!!!もちろんこれまでも感じていたけれど、上川さん、こんなに良い声だったんだ…とウットリ聞き惚れ、息遣いまで伝わってくるようなナマの舞台の感覚にゾクゾク。お芝居、細やかな動きや表情の変化、マイクの拾わないかすかな息遣いや溜め息のようなセリフ回しまで、まさに「手に取るよう」に見ることができた。
そして第一幕クライマックス!大坂冬の陣で真田丸の奮闘ぶりを描く場面、鉄砲足軽たちが一階後ろのドアから喚声を上げて突撃してくる!来た!あのシーン!振り向いて待ち構える(他のお客さんは知らない人もいて、私が後ろを向いたのを見て怪訝な顔をしてた人もいた)――横ドアから駆け込んでくる幸村サマ!すぐ後に十勇士が続き、私の後ろでザッ!と立ち止まった。
うわあああああッ!!!
目の前に幸村サマの
白地紅梅柄の鮮やかな羽織がぁ~!
「この戦の帰趨、我らの働きにかかっている!ものども、続けーっ!!!」
耳元で響く台詞のものすごい迫力、ものすごい声量。
空気が、こちらの身体が、ビリビリ震える。
眩しいのは照明のせいだけじゃない、まさに正視できないくらいのエネルギーの塊!
ちなみにキメシーンで、上川幸村サマのポジションは私の「1つ半隣」の席の真後ろだったので、ガン見!真後ろだったら見られないw(後ろには大助くんが居た)殿の隣は葛山才蔵!うっわ背高い!マジかっこいい!そして逆サイド端には松田鎌之助!渋い!かっこいい!←一時的に言語不自由化…語彙が枯れた。
カッコ良すぎるぜ!!!!!
第二幕でもそのライブ疾走感は止まらない。上川幸村の動きの優雅さ、速さ、重さ、刀と槍を縦横に使いこなす鮮やかな殺陣、まさに「最高のクライマックス」!これを目の前で観れただけでも今日の舞台の価値はあった!と大満足。
さすがだ、真田シート!
ダテに12,000円じゃねえ!
もう一生ついて行きます、殿!
…という訳で完全にフワフワ舞い上がって半分朦朧とした状態で終幕。
真田シート恐るべし。
上川隆也恐るべし。
このわたしに(駆け込みとはいえ)舞台3回観に行かせた役者さんは、そういないぜ。
※しかし、この後大阪まで参戦することになるとは、この時の自分は知る由もなかった。
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惚れた勢いで思わず脚本やインタビュー記事の乗った「シアターガイド」8月号をアマゾンで取り寄せて購入してしまったので、そちらの感想も合わせて。
台詞、ト書き、本当にあっさり。軽く1時間で読み終えました。もちろんスピード感はあるのだけど、殺陣(チャンバラ)なんかは「激しくぶつかり合う」としか書いてなかったりするわけだから当たり前です。
そこで脳内メモリー(映像と音声)を呼び出すわけですが、微妙な台詞回しや言葉の端々はやはり「役者さんの引き出しの多さ深さ」で全然変わってくるなあ、と。そこに所作が入ると一気に「板についたものか、そうでないか」は歴然…そういったものが身に纏う「空気感」となって舞台を支配するんでしょうね。
公演パンフレットによると中島かずきさんも「基本はあて書き」の方だそうです。役者さんのことを余程知っていないとこの台詞は書けないだろうなあ…と思うシーンがあったり、これは逆に演出の方や稽古中の「化学変化」でアレンジを期待して、あまりクドクド書き込まなかったのかな?と思うシーンもあったり。「台本」レベルでの言葉遣いは所々現代劇のようでしたが、見事に違和感なく「ビジュアル系時代物」として見せてくれた主要キャストの方々には拍手を送りたいです。殿と才蔵の諍いシーンのト書きと実際のお芝居が余りにも違い過ぎて、やっぱり役者さんって!演出って!と思ったのも大きな収穫の一つでした♪
(以上、アーカイブより12月12日加筆)
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【アーカイブ】2013年10月7日(大千秋楽を終えて)
舞台『真田十勇士』は「大坂の陣」の滅びの中に一筋の希望を語るもの。とはいえ日本人特有の判官贔屓で「弱者の意地(by真田昌幸遺言)」に惹かれるというよりは、最後の一瞬まで爆発的なエネルギーで生き切った人間の姿が良いなあと思ったからこそ、あれほど通い詰めた気がします。
全体的な印象は「いい意味での歴史エンターテインメント!」さまざまな媒体の中には演出が物足りない、殺陣がもたつく場面もある、ひたすらカッコ良さを追求するライトな女性ファン向け、と辛口に評しているものもありました。商業演劇なのでそういった面も否定できないと思いますし、むしろ当然かと。
ただ主役に限らず「こんな人がいたらいいな」という見る側の憧れや爽快感、切ないながらも未来への希望、そして脚本にも強く打ち出されていた気がする「滅んで終わりの美学だけでない」というのは伝わったのではないかと思います。
家康の描いた新しい国家のビジョン、秀頼や幸村の託した次の時代への夢、彼らの作った歴史の大河の流れる先にいる、現代の私たちへのメッセージまで引き出してくれるような、感覚的な(誤解を恐れず言うと極めて女性的な)繊細な演出を感じる部分もあって、私はよかったと思います。
幸村も完全無欠ではなく多分に中二病的な(爆)コンプレックスと自己承認欲求、青臭いまでの正義感、不遜なまでの自信、お約束の挫折と再生とか、モヤモヤしたものを抱えているわけで…アテ書きとして上川さんが演じるのだったら「何かを抱えている」方が絶対に奥深く魅力的に見えるでしょう。
それに劇中で松田鎌之助に「全く…殿には敵いませんよ。弱いんだか強いんだかよくわからねえお方だ、でもそれが幸村って男の強さかな?」なんて言わせているのは、見る側の心境を代弁してるのかとw思ったくらい。←そこに続く幸村サマの台詞「そう思ってくれるか」にキュンキュンしたことは内密ニナ!
最大の「歴史の中のフィクション」となる結末はもとより、人間ドラマの軸になる「父と子」の関係性も、それぞれに立場の異なる数組が入れ代わり立ち代わり「見せ場」を作ってくれたことが、私がここまでハマるきっかけにもなりました。
≪お芝居への感想≫
上川隆也さんの舞台声は素晴らしい。そして「真田幸村」としての佇まいは時に典雅で時に激しく、所作も殺陣もやはり「主役の華やかさ」で観る者の目を奪う。舞台至近の席では息遣いまで聞こえるナマの感覚もさりながら、裂帛の気合い、刃のような緊張感で気圧される。
頬のあたりも、いつも映像で見る穏やかな雰囲気を漂わせる横顔がガラリと変わっている。ある場面ではグッと奥歯をかみ締め、神経を極限まで張り詰めさせて、居合の如く次の台詞を待ち構えている…こちらも思わず呼吸を忘れるような「空気」。身のこなしも「静」から「動」に一瞬で切り替わる速さは、年齢や身体能力の優劣とは関係なく、段違いに鮮やか。彼が動けば、舞台の空気が動く。立ち止まっている姿が、急に走り出す――その一瞬で観ている側は「何かが起こる!」と期待する。
そこに輪をかけるような視線の鋭さ。くっきり引いたアイラインに強調された黒い眼が、ピンで絞って落とされた照明を反射して、キラリと白く光っている。観客席をあたかも「仮想敵」に見立てるかのような鋭く厳しい視線、あるいは真田隊に語りかけ鼓舞するような優しくも力強い眼差し。
かと思えば、戦の合間に若い佐助や十蔵を気遣う時のふわりとした包容力あふれる笑顔、「企みが成功したぞ!」と言わんばかりな悪童めいたニヤリ笑い、鎌之助の胸にある真実に迫りたい、と片膝をつく真摯な眼…くるくる変化する魅力的な表情に、こちらも吸い込まれるように魅入られてしまう。
十勇士たちが「あれが真田幸村というお方…!」と慕う気持ちが観客席にもごく自然に共有されていく。あれぞ「真のリーダーシップ」!盛国のようなポジションも申し分なく魅力的だが、上川さんはやはりセンターが似合う方だと思う。
それはほかの役者さんも同様で、私の大好きな「年長組」才蔵、鎌之助、そして半蔵!このあたりのお芝居、細やかな動きや表情の変化、マイクの拾わないかすかな息遣いや溜め息のようなセリフ回しまで、まさに「手に取るよう」に見ることができたのは至福でした。
他に小須田康人さんの大野修理も実は好き。官僚的な豊臣体制を体現しつつもコミカルであり、重くも憎々しくもなり過ぎず、重要なエピソードでも周囲をうまくフォローしながら切り抜けていく…上川幸村と1対1の芝居でも、群像の中の一員での場面でも、味があるなあ…と。
小須田治長は頭もよさそうだし冷静沈着で、台詞の声もわりと静かだけど3階までちゃんと届いて聴きやすく、つっかかり役(兄の威を借る何とやら?ラブリーw)の弟・治房(=俊藤光利さん)も含めて、後から「よかったなあ…」とじわじわくるキャラクターでした。
植本潤さんの望月六郎は個人的に一、二を争う羨ましいポジション!(ナンバー2萌えとしての対抗馬は才蔵w)「ご無事でしたか!」の時に抱きついたり、ほっぺたを撫でたりして殿を困らせてるのも可愛くて微笑ましくて、大好きでした。「うわー六郎さん羨ましい!私も触りたい!」と心の中で絶叫してましたがw←コラ
どんなにコミカルなシーンでも「崩れない」のは、あのお品の良さですよね…すり足や扇を持つ手つきも美しくてうっとり見惚れるほど素敵でした。白塗りで前髪立ちの可愛らしい小姓姿もよく似合い、扇をお銚子がわりにグィーッとか、思わず客席が笑ってしまうような場面も。
ひざまずく時の所作も両手の指がピン!と(少し反り気味に)伸びて綺麗ですし、何というか、殿にじゃれつく姿も若(大助)のお守役でワタワタしている姿も、可愛い!可愛い!!可愛い!!!客席の雰囲気と舞台をうまく繋いでくれるアドリブや台詞回し、今日は何が出るか?と毎回ワクワクしていました。
根津甚八(=粟根まことさん)憎めないキャラ、実は居合の達人! ゲキ×シネで観た『蛮幽鬼』の音津空麿役が強烈なインプレッション!!!思わず「空麿って甚八さんじゃん!」と心の中で叫んだほどでした。こういう役すごく似合う!!!ホントにステキです。
芸人さん?と言うほどのコミカルな小芝居から、シリアスもきっちり締めてくるし、そして刀の扱いが上手い!「居合の達人」設定、剣戟の最中では鞘口を見ずに刀身を鞘に納め→また抜き打ちに斬る、の繰り返し、(時々入ってなかったこともあったけど?) 腰が据わってて、さすがでした。一番リアルに侍っぽかった!話でよく絡んでるのが若い穴山小介(玉置玲央さん 28)で、彼の「田舎のヤンキー兄ちゃん」みたいな風貌も好対照で、難しいことわかんねーけどよー、な彼を観客に見立てて話の筋をうまく説明する役回りも、知性派の面目躍如ってところでしょうか。
賀来千賀子さん@淀の方、権高でヒステリックな部分もありつつ、母の悲しさ、弱さ、強さもよく出ていました。もう一人のヒロインと言っても過言ではないでしょう。
大阪公演ではお疲れが出たのか、時々喉が掠れてしまっていたのが残念と言えば残念。二幕「天下人とは天下のためにはわが身の命を惜しまぬ人のこと。秀頼さまのご覚悟、淀は嬉しゅうございます。ですが母としてのわたくしは、秀頼さま…いえ、秀頼。そなたに永久(とわ)の命を願います!」このシーンは元々の脚本には無かったけれども、すごく良かった!大坂方最高権力者・淀の方、としてではなく「一人の母」としての親心に、客席には涙する姿もたくさんありました。
≪衣装≫
今公演の劇中衣装はこの冬にはまった「ロックオペラ・モーツァルト」の有村淳さん。(三谷幸喜「ドレッサー」も素敵だった!)この方のデザイン、どれもこれもホントに絢爛豪華、華麗。計4回とは淀の方よりお色直しが多い、と上川クラスタの友人評…いやもう主人公にしてヒロインだから。(力説!)
美しさ際立つ「動」の場面は冬の陣での上川幸村。血飛沫のような紅梅を散らした紅白の羽織の裾が翻る度に、赤い袴に鉢巻きした栗色ポニーテール(笑)も流れるように靡いて、実に絵になるイイ男っぷり。大阪城に咲く梅の花が薫るような優美さと、腹の底から響き渡る気合いに劇場が酔いしれる。
続く夏の陣では金襴緞子の長陣羽織に真紅の鎧具足、太刀と槍を自在に操り鬼神の如き咆哮!身を翻す度に羽織裏地の「孔雀緑」が鮮やかに目に焼きつき、手にした太刀の鞘の赤さも鮮やかで、全身に返り血を浴びた壮絶な戦装束に見えてくる。(赤と真逆の配色、これは本当に素晴らしい!)
≪印象的な場面≫
「静」で一番好きな場面のひとつ。夏の陣前、廃寺での会談。家康から徳川方への参陣を求められる幸村。ここは里見家康とがっぷり四つの芝居対決。上川さん48歳vs.里見さん76歳。奇しくも劇中設定では真田幸村が上川さんと同じく48歳、史実では徳川家康は72歳のはず。
まさに歴史がオーバーラップするような臨場感溢れる対面に、客席内も居ずまいを正して見入る人多数。どちらも時代劇の現場は数多く踏んできてるはずだけど、この里見家康の重厚感、迫力、気合、あれほどに魅力的な上川幸村がここでは「青二才」にしか見えない!
「理屈を超えた説得力」この役を演る必然性…みたいなものが、背後オーラになって立ち上っていた。家康に完全に「位負け」して、刀を床に突き立てて己のふがいなさに怒る幸村の「青臭さ」も、役者やキャラクターの実年齢以上に生々しく匂い立つような強烈な場面だった。
しかし徳川家康役の里見浩太朗さんはもう「徳川家康・ご本人にしか見えません!」(爆)誰が何と言おうとあれは徳川家康さまです。リアル大御所様です。←異論は認めん!
あの台詞回し、タメ、間合い、何よりあの御歳で上川幸村とガチンコ殺陣勝負やっちゃうか!な驚きも。そしてあんなに魅力的な上川幸村サマが、ひとたび里見家康に相対すると若造・青二才にしか見えない!良い意味での格の違い感全開!(これは若造感満載で受けて立つ上川さんのお芝居も素晴らしいw)
中島さんや里見さんご本人がおっしゃっていた「全力で立ち向かうべき巨大な壁」そのままでした。最後の決め台詞なんか、里見家康にしかできない重みと深みで劇場中が痺れてました。戦死の報に接して「ぐっ」と瞑目、幸村を想う所なんか…物語を通して最強最大の「父性」を演じきる!という気迫と覚悟を受け止めるようで、こちらも泣けました。いいとこ全部持ってかれた感じです。
戯曲本の台詞をなぞっていくと、里見家康の持つ巨大な存在感がさらにヒシヒシと迫る。里見家康の「自分が死んでも徳川は揺るがぬ。百年、二百年その先まで…」という眼差しの前には、上川幸村の語る「弱者の意地」が個の帰結に過ぎないと思わされ…何よりやるせないのは、里見家康がただ上川幸村のラスボス的存在というよりも、幸村を誰より認めている一番の理解者であり、力を評価し何度も彼を救おう(=戦以外に活躍の場を与えよう)と手を差しのべていることか。
ただ「戦以外に己が身の証を立てられない」タイプの幸村には、大御所様の描いた国づくりのビジョン、その正しさは理解できても、きっと「自分がその仕組みの中に入る」ことはできなかっただろう…(それもまた物語の必然として描かれていた)。
付け加えるなら、その後ろで控えている山口馬木也さん演じる服部半蔵の芝居がこれまた物凄く好きだったりする。家康の護衛と言う役回りなので当然ながら、その所作、視線の投げ方、幸村を牽制する細かな姿勢の変化や動き…この場面を全部一度に堪能するには目が三対欲しかった!
で、もう一つ大好きなシーンが続く。大阪城内の真田屋敷に帰ってきてヤケ酒飲んでる幸村サマの「千鳥足」と「ちょっと呂律のまわらないセリフ回し」が可愛くて、可愛くて、可愛くて、可愛くて(以下エンドレス)…それを見守る葛山才蔵の登場~ ^^
「殿のご様子は?!」
「何にも言わずに、壁に向かって一人酒を飲んでおられる…」
この台詞を言う時の「しょうがないなー」的笑顔が、葛山さんの優しい顔立ちにとても似合っていて、どっちかと言えば厳しい表情の多い才蔵の珍しい可愛いシーンである。
ところで!「この舞台は絶対ビジュアル系戦隊モノだろ」と皆で言っていた(笑) ――まあ今いろいろ流行っているとはいえ(苦笑)どっちかと言うとオトナ向けの「Over40s万歳!」な中身として見ていたのは言うまでもないw
赤はもちろん、幸村サマ!もう(一昔前の)特撮ストーリーにありがちな主人公としての全ての要件を備えてますが何か?というくらい正統派の赤キャラwww 正義感、自信とコンプレックス、挫折、再生とか、もうお約束通り過ぎて、何度「カワイイ…!」と呟いたことか。
そして青は「熱しやすい赤を制するクールな参謀」チームのまとめ役、ナンバー2!ここは霧隠才蔵を演じる葛山信吾さんのステキさを讃えるべきだろう。才蔵、皆に見せない裏での殿とのやり取りがいっぱいあるんだろうなとか想像すると…www
上にも書いた二幕、真田屋敷に揃った皆が「遅いな、才蔵は…」とヤキモキしてて、何で遅いのかな?→あ!殿の様子見に行ってたんだね♪→「黙って酒を…」…これって実は殿とその後のシナリオ打ち合わせしてたんだ!と今更(爆)合点が行きまして…感動MAX!流石は特撮的赤青コンビ!
だいたいあの後の軍議シーンも、わざとらしいほど声張り上げて怒鳴る幸村サマとか、「ならば私も言わせて頂きます!」とガッツリ反抗しちゃう才蔵とか、しかも取り成そうとした治長さんにまで「お前は引っ込んでろ!」状態だし…知らず見ている方がヒヤヒヤハラハラして胃が痛むというもの。
果てはかの衝撃的名台詞「小賢しいわぁーッ!」(爆)に劇場中がビビりまくる→まさかの実力行使で黙らせるとはっ!→刀の柄で突くなんて幸村サマってば酷い(泣)…などと観客の心理を手玉に取っていたお二人であった。踊らされる快感…さすがは謀略詭計の主従w
ただ、葛山才蔵について私の「最高の激萌えシーン」は何か、と聞かれたら…「最期の台詞」に尽きる!夏の陣ラストの殺陣は三人同時背面刃止めからの派手なぶっ飛ばし斬り→槍で串刺し→致命傷を負う→絶命まで思いっ切り舞台センター下段の、その場面。カッと見開いた目が空を泳ぎ、一瞬何かを捉えて静止…咳き込むように口元がかすかに動き、倒れこむ。その声は東京ではオフマイクだったから、ホントに間近でしか聞けなかったのだが、彼は確かにこう言った「…殿」と!その表情と眼に釘付け!!!
物語を通じて常に幸村の傍で支え、私心を見せず時に仲間に疎まれようとも「殿の為、真田の為」だけに徹してきた才蔵が、絶命寸前に胸の内から零れ落としてしまった一言、決して聞いてはいけなかった「彼の心の声」を聴いたような気がして、ハっとする思いだった。
それにしても「お前にも死んでもらわねばならぬな…」とか、お約束の「対立→離反と裏切り→やっぱり戻って来て殿の為に死ぬ!(まあ計画通りなんだけどさ)」どこから突っ込んでいいのかわからないのだが、これは反則過ぎる!戦隊モノ王道の役どころを見事に見せてくれたのは感謝www
残る黒は「ひと癖もふた癖もあります」と全身から渋くオーラを発している「はぐれ忍び」松田賢二さん演じる由利鎌之助!「鎖鎌使い」ということで鎖分銅と鎌のアクションにビックリ!そして低く掠れ気味の声の色気にもゾクゾク♪
松田鎌之助は柳下大くん演じる猿飛佐助の育ての親設定、もちろん佐助激愛なんだけど、その父性の表れ方がいちばん「ガンコ親父」みたいで、口よりも手が先に出る!(笑)いいね~こういうシンプルなオヤジがいてもいいじゃないか!大好きだ!!w
何やかや言いながら佐助のピンチには真っ先に飛び込んで行ったり(西方寺のシーン)、空を見上げて「お前がいなけりゃ、オレは何処かの戦場でとっくに野垂れ死んでたよ…」と呟いたり、何かふわりと漂う「草の者の情愛」いいなあ…と何度も思っていました。
最期も派手に見せてくれて、中段センターで松田さんの鎌之助が一旦鎖鎌を捨てて、丸腰になってから見事な二刀流の殺陣を披露して「おおおおおおおーっ!」「佐助ぇ―――!」と咆哮するのも素晴らしかった!これは涙出そうになった。
☆
閑話休題。再び上川幸村サマについて。←と言うか全ての場面において「一晩は語っていられるくらい」なので、来春に真田DVDが出たらいっそ上川クラスタでPVでもやりたいところだ…w持参物は「戯曲本」「酒」「ツマミ」「うちわ・サイリウム・タオマフ・旗指物など応援グッズ何でも可」(嘘)
しかし…そんな私でもどうしても突っ込まざるを得なかった場面はココ。幸村「四十を過ぎてこんな青臭いことを言っている俺はおかしいか、大助?」私(全力で)「中二か!!!」(爆)だって渡部大助の方が断然落ち着いた衣装なのにw何ですか、上川幸村サマの派手派手しい御着物は!www
それでもこの親子は真田三代の父子のドラマの宿命を見事にお芝居で見せてくれて…「少しは父親らしい姿を見せてやれるかな」「もう、十分に見ております」のくだりは内心(大助、無理しなくていいんだぞw)と思いつつもじわっとくる親子の情愛。佐助と大助の言い争いと仲直りをやや目を背けて痛いような表情で立ち尽くしていた(決して『ほほえましく見守る』なんかじゃなかった)幸村の顔も、ここでようやく吹っ切れたいい顔に♪
その後、奮戦むなしく十勇士が悉く討ち死にし、そこに独り現れる上川幸村。息子の大助が「カッと目を見開いたまま」絶命しているのを見つけ、さすがの彼もたじろいだように見えた。そっと傍らに膝をつき、瞼を閉じさせて「ポンポン…」と髪を撫でてやる仕草が、何とも哀しみを誘ってやまない。
この直後に追手の徳川方の兵と交える殺陣のド迫力と言ったら!剣戟の効果音が入るわけではないのだけど、上川幸村の動きの優雅さ、速さ、重さ。刀と槍を縦横に操る鮮やかな動き、まさに「最高のクライマックス」!これを目の前で観れただけでも価値はあった!と大満足。
ただ戦う表情は二つの戦でそれぞれ対照的。冬の陣では真田軍とともに「勝利」を目指す確固たる意志に満ちていたが、夏の陣では「ただ一人死に場所を探して最後まで足掻く」ような悲壮感が漂って、殺陣の激しさは増しているだけに終末に向けて観る側の心が千々に乱れる。
☆
そういえば以前「上川隆也の殺陣は柔剛自在な風をまとっている」と書いたけれど(これは別の上川クラスタさんの評でもある)彼が刀身を薙ぎ払うと舞台いっぱいに風が巻き起こるような錯覚を覚える、と言ったら「舞台すぐ前では本気で剣圧を感じることがある」とのこと。
上川幸村の殺陣を観ていて感じたのは「華麗にして重厚、そして何より『見せ方』が上手い!」文字で言うなら「止め跳ね払い」が水際立っているというか、静と動の切り替わるタイミングがただただ鮮烈。静止状態からトップスピードに乗るまでが「コンマ何秒!?」と何度思ったか!
そして殺陣に華を添えるのが「気合い」!一対多数の乱戦模様はさながら旋風が巻き起こるようで、槍を突き通す時の「はぁぁぁッ!」という叫び声、太刀を振るう時の雄叫び、どれも低い声でありながら3階席の最後列にいても叩きつける風圧のように届き、観る者の胸を躍らせる。
動と静のコントラストは「動き」だけではない。夏の陣のクライマックス、上川幸村が雑兵たちの槍に貫かれ致命傷を負うシーン――「がはっ」と喉から血が迸ったのでは――という苦悶の後、空を見上げてほんの一瞬、幸村の表情が「笑み」を湛える…「漸く死場所を見つけた」そんな声が聞こえる顔で。
(直前までの鬼神のように戦う顔からは思いも寄らない、穏やかと言ってもいい一瞬の微笑は、上川幸村が最後の敵兵を突き伏せ絶命してからも、私の脳裏に焼き付いて消えなかった。急傾斜の舞台中央、顔を覆う乱れた髪と真紅の戦装束の裾が、さながら月下に大輪の緋牡丹が散り落ちたように美しかった。)
家康「真田幸村、この戦の前までは何者でもなかった男が、見事なサムライの顔になりおった…まこと、日本一の…つわものよ」(暫し瞑目)
里見家康のこの台詞は、里見さんにしかできない重みと深みで胸を二重に打つ。この舞台のキャスティング、お芝居が素晴らしかった!と噛みしめる瞬間でした。
オーラス、真田の赤備えに身を包んだ十勇士と上川幸村が「我ら真田十勇士、時の流れに逆らい、義を貫くものなり!」を唱和して得物を構える姿、背後に輝く赤い月と掲げた太刀の影は一幅の絵のようでどこまでも美しく――そこにあの音楽が重なる光景は一生忘れないだろうと思います。
カーテンコールもステージ前端まで来て挨拶してくれる上川幸村サマのおかげで、超至近距離、もう自分も一緒に討死したような感覚に。席から同じ高さで視線が合った瞬間の笑顔の晴れやかさ!「ありがとう!」と口パクしたらニッコリ頷いてくれたことも素敵な思い出です。
☆
実は「年少組」こと20sでも素敵な役者さんだな…!と思った人がいます。
それはまず一等賞を上げたい、真田大助を演じた渡部秀くん!
今回観ていて、毎回の成長がホントに頼もしかった!☆大楽では珍しく?アドリブがあり(@出丸普請場)「(重い材木を担ぎながら)こんなこともう今日で最後だしな!」と言いながら笑顔でハケて行くのに会場笑い&ホンワカ~♪可愛かったです。渡部大助のアドリブは観た限り東京前楽での同じ場面で、材木を担ぎ上げて「意外にささくれてますねえ」と人足たちに話しかける場面だけだったので、大楽の祝祭気分をいっそう盛り上げてくれました^^
上川クラスタ同士、大楽帰りの新幹線で語っていた時も「東京より断然インパクトあった。理屈抜きに上手くなった!って思った」「上川さんの持つ殺陣に凄く似てきて驚いた」「ジャンプの高さとか、踏みしめる足の音とかイイね」「暑苦しい一本気な青年の役だけど、きっと上川幸村も若いころはあんな感じで…と自然に思えるほどいい空気感を身に纏ってた」「動きがキレイ!BGMちゃんと聞いてて、歌舞伎的な大見得切るタイミングを完璧に計算してて、カッコ良かった!」などとベタ褒めといいますか、全然知らなかっただけに、逆に舞台好きな面々を素直に唸らせた…という感じで、話題は持ちきり。最期も(オフマイクだった時でもちゃんと)その表情が「父上…」と最後に呼びかけるように聞こえたので、役者が「声が無くとも語るシーン」として大好きでした。
舞台、映画やドラマでも「親子」の役を観ることは多々ありますが、顔の造作や背格好よりも、ふとした仕草や話す声音のトーン、もっと言えば「空気」にこそフィクションを越えた芝居の妙を感じます。今回は3代にわたる真田親子の物語、彼のおかげで素晴らしいものに完成されたと思っています。お芝居中に彼の見せ場を心待ちにしてしまうほど、渡部大助、本当に素晴らしかったです。決してエラそうな意味ではなくて、本当に観る公演ごとにめきめきと成長していく姿、リアルに「真田大助」と重なりました。
個人的には殺陣のシーンで「上川隆也の殺陣は柔剛自在な風をまとっている」と思っていたのが、大阪公演に至って「渡部大助の殺陣は一陣の突風のよう」と自然に思えたこと、彼が出てくると舞台にザッと風が吹く、それが一番の「この二人、ホントに真田の親子だなあ…!(嬉)」と思ったところでした。同じように「その存在が舞台に風を呼ぶ」空気感に加えて、私がもうひとつ「真田の血をひく親子だな!」「凄くイイ!」と思ったのは、殺陣のシーンでの「腹の底からの咆哮」!声が大きいだけでは絶対にできない、3階席最後列でも風圧を感じるような雄叫び、昨今見ない迫力で素敵でした。 まあ上川さんの声量の半分くらいでしたので、頑張ってこれから鍛えてほしいものですw
思えば東京公演の前楽日、客席勢揃いの場面で通路すぐ前に座っていた私の「真後ろ」に立ったのが渡部大助どのでした。あの時と比べて大阪での再会は「立派になって…!」いやいや嬉しかったです(^^) これがご縁となって、いつか大河ドラマ等で上川さんと「親子役で再共演!」とか実現したら、そりゃ真田の再演並みに嬉しいサプライズかと思いまする…v
ところで渡部秀さん、若冠21歳?!見えないほどいい意味で大人びてました。史実の大助=真田幸昌は当時14~16歳とはいえ、当時の「大人として扱われる」年齢は現代の五割増しと思って問題はないのですから!そりゃ上川幸村サマとは親子だわ!歳の差27歳w
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「年少組」では、もうひとり気になった役者さんが。
真田大助がサムライの子として直情径行を体現しているのと、まさに対照的なあの人。「封印されたプリンス」こと、豊臣秀頼!!!演じたのは相馬圭祐さん。これまた上川クラスタの観劇後の会話ではありますが「最初はそれほどでなかったけど、公演が進むにつれて何か憑依してる瞬間があった」「芝居うんぬんを超えて、役者さん自身が『役を生きている』リアル感が日増しに凄くなってた」と、絶賛でした。
某大人気特撮番組の方と知ったのも、実は公演初回を観てからパンフを買い→読み→「そうか!」の話で。そこについては「恵まれた身体条件&能力を持ちながら、その動きを【あえて】封じられたキャスティングを相馬秀頼がどう解釈し芝居するか?!」が、上川クラスタの話題と興味の中心でした。
ご本人のブログを拝見して、「秀頼としての生を一公演ごとに全力で生きている」というような文面を見たとき、まさに見る側も同じことを感じていたなぁ…と思ったものです。台詞も、立ち位置も、あの物語の中では重要極まりない役どころですから、彼に説得力がなければ、芝居全体が説得力がなくなる――あれほどに魅力的な上川幸村の「命を懸ける先」が「え~?!こんなヤツ?!」状態では哀しい!ですが、今回ホントに「ステレオタイプの秀頼」を脱した中島脚本+相馬秀頼には脱帽でした。
史実の秀頼は、一説によると身長190cm近い美丈夫で、それゆえに家康が将来のカリスマ化を懸念し大坂の陣に至った、といいます。今回の相馬秀頼も長身痩躯で大変に舞台映えしましたし、母たる淀の方や側近の大野兄弟ほかに囲まれて「ままならぬ我が身」を痛いほど知りつつも、真実を見抜く眼を持った若き総帥、のイメージがすごく綺麗に表れていたのではないかと思いました。
大阪千秋楽後のおしゃべりで「アクションいけるのに『封じられてる』部分のお芝居を要求するって、どんだけキャスティング側はSっぽく期待してるのだ?」「御曹司設定は時として嫌味になるけど、彼はどこか歌うようなセリフ回しがすごく似合ってた」と、これまた話題は尽きず…相馬秀頼、強さを持ちつつも透き通るような舞台声がとても良いですね。純粋さとわが身の置かれた状況を理解し、透徹した眼差しで「私が死なねば、戦乱の世は収まらぬ…そうであろう、幸村」とつぶやくシーン、とても好きでした。
明らかに観客の反応が変わってきたお芝居は佐助と出会う夜「何者だ。人の寝顔だけ見て去るなどと気持ちの悪いことをするな」ここで東京では必ずクスクス笑いが。なのに、大阪では秀頼の挙措に観客が集中して、妙に緊迫した場面に変貌!面白い場面だしw笑っていいとは思うけれど、それ以上に醸し出す雰囲気が「生半可にツッコめない空気感」というか、その前の秀頼の台詞が全て途中で他者に遮られている分「キタ!秀頼、やっと喋るか?!」みたいな期待感が緊張をはらんでいたのかも…と今にして思います。
舞台声も、最初はちょっと高いな…と思って観ていたのですが、東京公演終盤からはどんどん緩急高低のついた良い感じに。「曲者じゃ!出会え、出会え!!」と近習を呼ぶ場面も、単なる大声ではなくて、腹の据わった感じになったのは殿様らしくていいねー(笑) と。佐助に「我儘坊ちゃんかよ!」と言われる場面も、最初のほうの公演では「ハハハ、だよなーw」と思っていたのが、中盤以降は「ん…?でも、そうは思えないよな…何かありそう?」と観る側の心に良い意味での「違和感のさざ波」を起こしていたように思います。
「歌うような台詞回し」と前にも書きましたが、少し話し方にクセがあるというか、他のキャストとは一線を画す浮世離れ感を醸し出していました。これも最初はトーンがやや高く迫力と言うには正直足りないと思いましたが、どんどんメリハリがついて、見事!サマになってる!良く響く透明感のある声なので、是非将来はマイクなし舞台でも最後列までガツーンと通るくらい鍛えて頂きたい…と楽しみになりました^^「役を生きる」を体感した方ならいずれ「役の心がグッと動くとき、観客の心も一緒に激しく揺れ動く」ようなお芝居がきっとできるかと。期待♪
大坂大楽の前に安居神社や三光神社をめぐりましたが、時間が許せば大阪城は見てみたかったですね。これまで何度も訪れていますが、相馬秀頼が天守で思わず台詞が口をついて出た気持ち、今なら理解できるような気がしたものですから…その台詞はきっと「あの場面」じゃないかと思いながら。
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舞台は良い脚本と的確な演出、その役に応じたベストのキャストの方々があってこそアンサンブルで物語が成り立つ&説得力があると思っております。
今回は「真田十勇士」という素晴らしい舞台と演者の皆さんに出会うことができて、心から感謝しています。
ありがとうございました。(終)