本日(12月19日)観てまいりました。
改めて感想を書く前に…
「3分ください」ではなく
「ひとことだけ!」言わせてください。
ある意味今年一番の トンデモ舞台 だった…orz
ランキングつけるの、早まったかも…?(悩)
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『マクベス』 (12月20日加筆)
リピートとしてではなく初見ではこれが今年ラストとなります。
シアターコクーンの『マクベス』公演!(長塚圭史演出)
≪HPより≫
快進撃を続ける長塚圭史。2013年の締めくくりとして、最大の話題作がついに登場!演劇ファンが待ち望んだ、シェイクスピアへの初挑戦!四大悲劇のなかでも、傑作の呼び声が高い「マクベス」!!異彩かつ刺激的なキャストたちが観客と共犯関係を結び、祝祭的な「マクベス」が誕生します。
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/13_macbeth/index.html
≪キャスト≫
マクベス:堤真一
マクベス夫人:常盤貴子
マクダフ:白井晃
マルカム:小松和重
バンクォー:風間杜夫
ダンカン:中嶋しゅう
魔女たち:江口のりこ 平田敦子 三田和代
横田栄司 市川しんぺー 玉置孝匡 福田転球 斉藤直樹 山下禎啓 他(敬称略)
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さあさあ皆さま、お目とお耳を拝借!
シェイクスピアですよ!『マクベス』ですよ!
一年の締めくくりに相応しいじゃありませんか?(←舞台の前説風に)
チケットは完売。しかも風の噂では「センターステージ」「観客巻き込み型」と聞く。
『おのれナポレオン』では三方を観客が取り巻くスタイルだったが、今回は完全にプロレスリング状態らしい。
役者の逃げ場はなく、美術やセットも最低限にせざるを得ない。この舞台装置で「観客と一緒にマクベスをどこまでも追い詰めてみたい」という長塚氏の言葉もS的な意味でワクワクする。
そして予想の範囲内だが長いらしい!(長塚舞台だから仕方ない)←結果的に正味2時間半、いろいろ含めて3時間でしたがね…。※以前KAATで『浮標』を観た時、危うく終電を逃しかけたことがある!
この日に確実に定時上がりするため、忘年会の誘いを悉く蹴った私が雨の中シアターコクーンにたどり着いたのは、ちょうど開場の刻限でありました…。
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本日の席は2階最前列。いつもなら普通の値段で売られているのにコクーンシート扱いでお値打ちになっていた。やはり話題の舞台をこの値段で観に行けるのは有難い。←私とて無限に金の湧き出る打ち出の小槌を持っておるわけではないのだ!(by真田幸村様)
しかし…周囲を見回すと2列目以降が来る気配がない。まさかチケット売れてないの?!(後に、センターステージで視界が狭められる→客が身を乗り出して観ることができるよう最前列しか販売していないことが判明。役者の前説で聞かされて思わず「やった~♪」w)
見下ろせばまさしく「プロレスリング状態」で、端を金属の簀子で縁どりした、そっけない六角形の板貼舞台が組んである。役者の出入口らしき跳ね上げ扉(平面の床に同化している)がある以外は、小道具も背景も、いっそ潔いほどに何もない。まるで処刑台だ。周囲をわらわらと歩き回る観客たち。舞台の脇、まだらな白塗りに黒々としたアイシャドーを施した役者が4~5名立っているのに気付く。彼らのスタッフ然とした雰囲気に「往時の見世物小屋」のイメージが閃いた。となると、私たちは小屋にマクベスの転落劇を見に来た群衆、あるいは処刑を見に集まった野次馬役と言ったところか。
(なるほど。「舞台」は既に始まっているんだ…)
席につくと、隣に傘がセットしてあった。
誰かの持ち物ではない。何らかの意志で「其処に据えられている」。
何の変哲もないビニール傘。ちなみに色は緑色。
ははーん…マクベスでこれを「何かに使う」なら「アレ」しかないではないか!!!
知識はともかく古典作品に疎い私でも、そのくらいは分かるぞw
ということはこの傘の出番は第二幕の後半の後半か、と勝手にネタバレ状態である。
そして悟った。シェイクスピアは歌舞伎と一緒だ。誰でも史実に基づいたそのストーリーと結末を知っている。もちろん各登場人物の決め台詞も見せ場も、すべてを「知ってて分かった上で」観に来るのだ。しかもこれまで世界中で数えきれないほど上演され、映像化され、人々の目に触れてきた作品ばかり。
オチの分かっている芝居を長塚圭史氏がどうひっくり返してくれるのか?
観客を巻き込むことが一つの試みだとしたら、それはそれで面白いではないか。^^
そして2階席は舞台から距離はあるが、演じる役者、それを観る観客まで全てを見下ろせる、観察好きとしてはなかなかオイシイ席かもしれない。
…とまあ、巻き込まれるネタは分かっちゃったけど想定の範囲内でもあったので(苦笑)おとなしく開演を待つことにした。
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19時。開演に先立ち、舞台脇でそれまで立っていた市川しんペーさん&福田転球さんによる前説が始まる。(しんぺーさんを見て「おお、ロパーヒン!(@櫻の園)」とテンションが上がってしまったのはナイミツニナ!)
観客席から「長いのかよ!」と女の声でヤジが飛ぶ。席の中に既に役者が紛れ込んでいる。一気に「場末の見世物小屋感」加速(笑)――例の緑の傘の使い方の説明、合図などなど、観客もクスクス笑いながら稽古をする。無理やりに笑いやリアクションを強要される舞台演出は白けるが、まあこの程度ならOKかな。出番待ちの役者気分で、第一幕開演。
≪あらすじ1≫
11世紀中頃、スコットランド。ダンカン王に仕える将軍マクベスとバンクォーは勝ち戦の帰り道、荒野で魔女3人に出会う。魔女たちは「マクベスはコーダの領主となり、王となる」「バンクォーの息子は将来の王となる」と予言を残す。やがて予言通りマクベスがコーダ領主となると、マクベスの妻は夫を王にすべくダンカン王殺害を謀り、心の底には野心を抱えていたマクベスは妻にそそのかされて短剣で王を刺し、殺害してしまう。
こうして王となり権力の頂点に立ったマクベスだったが、もう一つの予言による不安を解消するため、バンクォーの元へ刺客を送るが、バンクォーの息子だけは難を逃れる。一方マクベスは、バンクォーの亡霊を見て狼狽し、さらなる不安に陥り、マクベス夫人も良心の呵責から精神を蝕まれてゆく。
くどいようだが誰でも知っている芝居の筋である。
でも「一般的なシェイクスピア劇のイメージと違う所」を列挙すると、こうなる。(辛口注意)
■衣装がイマドキのもの。
・マクベスはベスト付き白シャツ黒ズボンに黒トレンチ、革靴(第二幕は即位して金襴のマントを羽織るが、あくまでも現代風)
・バンクォーは19世紀っぽいツイードの背広。
・マクダフは例えるなら「自分ではオシャレと思っているチャラいおっさん」で、白っぽい薄手のコート着用。
・マルカムは冴えない大学生?シャツ+ズボン+上着に、ヒョロヒョロ感をいや増すロングトレンチコート。しかも野比のび太か、お前は!
・ロスは帽子をかぶったルンペン(死語!)みたいだった。
・唯一、マクベス夫人だけが赤と深緑と黒のロングドレスだが、胸が不必要に「寄せて上げて」状態で、正直「胸だけが」悪目立ち。
・女神ヘカテがキンキンキラキラのマントにタイツだったので、何かのコメディかと…。
・従者、貴族、その他の面々もいまひとつ中途半端で薄汚れた現代風の装い。
■剣が傘!!!
・こうもり傘持って「剣」だって言われてもねえ…。
・傘でチャンバラ、下手な人だともれなく小学生…もはや殺陣ではない…orz
■鎧はどこ?
・鉄の胴鎧と肩当のみ(マクベス)、コートの上から小手だけ着けてたり(マルカム)、胴巻を着てコートを腰に巻いたり(マクダフ)…これで「せめて鎧を着て死のう」って言われても…。その鎧、学校で作った工作じゃないんだからさ。お金なかったのかしら。
■舞台上の大道具小道具はほとんど無し。
・城の宴会では、何と金色に塗ったパイプ椅子が円形に並べられた。ここは役者が控室で弁当でも食う場面なのか?
■メイク
・衣装以外特筆すべきところのないマクベス夫人、男:まだら白塗り、魔女:白塗りになまずヒゲ、といったところ。
素人があえて申し上げると。
誰でも知ってるシェイクスピア、しかも舞台装置・衣装・小道具の視覚効果なし。
これほどに「役者個々の力量と全体の芝居の質が問われる」設定はないんじゃない?
で、そこまで挑戦的な設定を仕込んでおいて、肝心のお芝居はどうか?
これまた素人が正直に申しあげると。
滑舌が悪く台詞が聞き取れない役者が多かった。人によっては膨大な台詞量で、独白は多いし、しかも大袈裟に持って回った言い回しなのはシェイクスピア劇の宿命…とはいえ!「素」にちかい状態で料理されたその芝居、ちょっと厳しいな…と思う人がいたのは事実。
「舞台芸術」というくらいだから私たち観客にとって役者のメイクや纏う衣装、背景美術や大小道具は「空気感」を醸し出すのに不可欠な存在だが、良くも悪くも「目くらまし」を取り去ってしまうことでアラもまた目立ってしまう。現代風の服を着せて芝居させるなら、台詞もいっそ現代風の言い回しに翻案してしまった方が、ヘンテコな違和感に振り回されず、パラレルワールドに迷い込んだマクベスたちを素直に笑って楽しめたのではと思う。(だって台詞を「言えてない」人、結構いたもん…)
第一幕の中盤以降、実はかなり飽きてしまって(苦笑)「これ後半に出番(=傘のこと)がなかったら、帰っちゃう客多いんじゃないか?」と、要らぬ心配をしたくらいである。
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さてここらで一息。
個々の役者さんと役どころについての勝手な感想はこちら。
☆マクベス:堤真一さん
実はこの人のお芝居はもとより、声が特に好きでして。舞台に乗せたらどうなるか、生で是非観たいと思っていた役者さんの一人です。背もそこそこあるし、厚みもあるし、斜め上から見た限りでは一見奇妙な扮装もそれなりに似合ってました(←出番最初からザンバラ髪なのが惜しいなあ)。
文句なしに熱演です。今回のマクベスの造詣が「崇高な英雄豪傑ではなく、有能だが小市民的な弱さも抱える人物」ということなので、中の人の「シュっとしてたらカッコいいのに、実は限りなく3枚目に近い」持ち味とも良く合っていたと思います。台詞回しもなぜか時々「べらんめぇ口調」というか?「堤さん、それマクベスやない。ただの西宮のオッチャンや!」と盛大にツッコミたくなってしまうような…(爆)オロオロフラフラと恐慌する姿も悪くないですが、私は攻め込まれてからの「開き直った」姿でようやく「カッコいいマクベス」に出会えて、ホッといたしました。欲を言えば台詞が所々聞き取りにくかったのが残念~!
☆マクダフ:白井晃さん
文句なしに上手いです、抜群の安定感です、ハイ。でも、その芝居がかなり「浮いちゃう」舞台だったのも事実でした。マクダフ単体で観るとそれぞれの行動の背景や感情に「理屈」はつくのだけど、周囲のお芝居と噛み合っていなかったのが致命的で…たとえば妻子領地を捨ててまでマルカム王子のもとに走っても、肝心のマルカム王子の芝居や熱とレベルが噛み合わない。結果として「自分だけカッコよく見えればオッケーなのか?」状態に陥っていたシーンもあったように感じます。上手さゆえに鼻につくというか、時々イラっとさせられました(笑)。
白井さんと言えば先日観に行った『ヴォイツェク』や来年の『9days Queen 九日間の女王』のように演出もなさっていますが、今回も?!長塚演出というより「これはむしろ白井演出じゃないのかな?」と思うシーンが多々多々多々…モヤモヤ。白井さん、独特の美意識やセンスの持ち主なので、いろいろ難しかったんじゃないかなあ…wなどと、野次馬根性で深読みしてしまうのでした(苦笑)。
☆バンクォー:風間杜夫さん
渋いです。一等重々しい存在感があります。出で立ちは英国紳士です。でも武将には見えません、割にあっさり殺られます(笑)
ダンカン王の存在感が意外に薄かったので、むしろ風間さんが王の方が「あの慈悲深い王を殺した!」という罪深さが際立ったんじゃないかな?などと思ったりいたしました。後半に医師役で出て来た時は、マクベスが恐慌するんじゃないかと思いましたよ…二つの配役、何もああしなくても。
☆マクベス夫人:常盤貴子さん
今回「一番入り込めなかった」理由はこれか?この配役のせいか?と煩悶する第一幕。「(マクベス夫人は)夫を翻弄する野心的な妻ではなく、“夫の欲望が伝染した被害者”でもある」とか言われても、今ひとつ。芝居も一本調子でどうもしっくりこず、何より致命的だったのは「男を操るほどの迫力が感じられなかった」男顔負けの野心や強さを持った上で、罪に怯える脆い女性の心を演じて見せるには、彼女は声が高すぎ、少し透明感があり過ぎた気がします。だからシェイクスピアの古典的な台詞が「浮いてしまい」これは学芸会か?何とも見ていていたたまれない気持ちになったのでした。彼女の持ち味ならマクダフ夫人くらいの方が良かった!と思ったり。流石の長塚氏も令夫人の起用は「第三者的判断」ではできなかったのでしょうかね…大人の事情?
☆ロス:横田栄司さん
出番の多い少ないではない。お芝居のクオリティと、周囲とのアンサンブル、何より舞台声の良さが、あのへんてこな衣装にもめげず一番バランスが良かった…と思いました。戦勝と褒賞をマクベスのもとに届ける晴れがましい声、マクダフ家に起きた悲惨な出来事を告げる声、2階席からでは帽子で顔がよく見えない分、非常に印象深かったです。声フェチとしては彼が出てくるのがとても楽しみでした。
■ ■ ■
さて第二幕。
≪あらすじ2≫
再び魔女に会いに行ったマクベスは、「女から生まれたものはお前にかなわない」「バーナムの森が動くまではお前は安泰だ」という予言を聞き一時は安堵したものの、心の奥の不安は消えず、さらに罪を重ね暴君と化していく。そんなマクベスに、反マクベスの軍が迫りつつあった。
↑
このカギとなる台詞、今回の舞台では「女から生まれたものはお前にかなわない」と連呼されていました。もちろんその意味することは分かるのですが、最終場面でマクベスとマクダフが対峙して「お前に俺は殺せない!」「俺は月足らずで女の腹を破って出てきた!」マクベス初見やお子様なら「結局何が違うの?」と思った人もいたかもw
よく見かける翻訳上の工夫は「女の股から」これだと帝王切開の場合「股から」ではないです。日本語だとあのニュアンスは上手く伝わらないんだなあ…としみじみ考えました。
それはそれとして。
バーナムの森予備軍な観客の我々、二幕後半でようやく出番ですwマクベスに「森が動いている」と知らせるのに、直前シーンで死んだはずのマクベス夫人が軍令のカッコして出てくるのはビックリしたけど。あれは要らないわ…。
「備えよ!」
「開け!」
マルカム王子とイングランド軍の指図に従って、緑の傘を手にし…「バサッ!!!」
劇場中に緑の傘の花が咲きました、いやバーナムの森の枝が一斉に動きました、とナレーションが入るところだ。
場内、微妙な空気感。
何なんだ、この何とも言えないひっそり笑いは…w
もちろん自分たちが舞台装置の一部になっている面白さはあるものの、何とも…表現のしがたい雰囲気。ふと舞台に目をやると、マクベス…いや完全に中の人に戻ってるw堤さんが笑って観客席に向かって小さく拍手している。えええ!?そこそういうシーンじゃないでしょ!?「閉じよー!」の声とともに傘をバサバサしまう我々。うーん、シュールな光景である。
あとはお決まりのマクベスとマクダフの直接対決。堤さん!!折角の元JACなのに殺陣がラストしかなかったのが勿体なかったなあ…(違)こうもり傘型の剣でも、振りの鋭さは抜きん出ていると一目瞭然。どう見てもマクダフが勝てそうにないんだもん。多分あの堤マクベスだったら白井マクダフを3回くらい斬ってるはず。←あのシーンは常識破りのマクベス無双を期待したかったwwwつか、あの白井さんがあの堤さんを「倒す」役ってのが、そもそも無理があった気がする。そういうキャラじゃないはずだwww ←
いろいろツッコミ満載で二幕後半になってようやく元気が出てきたものの、この後ラストがさらに私の想像の斜め上だとは思いも寄らなかった!!!
勝鬨を上げるマルカム軍。そこでいきなりマルカム王子がマイクを片手に(!)集まった貴族や兵士、群衆に語りかける。
「暴君マクベスの生首をお目にかけよう!」
「ええええええええええええええええっ?!」
舞台袖から出てきたのは、城壁に晒されるマクベスの生首…ではなかった…。何と巨大な(3mくらいある)マクベスの首の模型…というか風船というか。ライブなんかでよく観客席をあちこちポンポンフワフワされる、あの大きなボールと思えばよろしい。
生首、もちろん顔は堤さんなのだが、クワッと見開いた目と食いしばった歯、子ども用プラモデルみたいにデフォルメされていて、不気味なことこの上ない。そいつが、客席を手から手へとフワフワ漂いながら一周していく。1階席のお客さんは手をのばして大騒ぎだが、2階から見下ろす我々は、口をポカーンと開けて絶句・失笑するしかない。
(良いのか…これがエンディングで…) ←つか…生首スキでしょ、長塚氏…。(@あかいくらやみ)
この場面の前にマクダフに斬られて舞台上に倒れている堤さんも、最後起き上がってそのねぶた祭り的な光景を眺めていたが、何とも言えない苦笑いが顔に貼りついている。毎公演毎回これを見せられるのも、本人的にはビミョーな心持ちのはずだろうなあ…。
マクベスの生首はゆるゆると場内を一周すると、ザワザワの収まらない会場から「ぽいっ」と放り出されてしまった。
そして「ホントにこれでいいのか、スコットランド!」という声にならない劇場中のツッコミを耳にしながら、幕は下りたのでした。←あ、物理的に幕はないので、暗転でしたけどねw
結論。
「斬新だわ…www」 ←それだけ?!
キャッチコピーの「祝祭的なマクベス」とやらが結局のところ何だったのか今一つだったが、場末の見世物小屋的ガヤガヤ感は十分味わえた。「観客との共犯関係」とやらも、バーナム化したことだと思えばまあまあ頷ける。
あそこまでいろんな名セリフやら見せ場やらを最後にうっちゃってしまった長塚演出の「荒業」は認めよう!www「もはやそれは常識!」の域であるシェイクスピアもの、あのくらいやらないと面白くないのかもしれない。それは自分の中で(見世物小屋に集う庶民的な気分で)結構面白かったので、良かった。
…が、アレはオチを知らないから楽しめるのであって、二度目はもう絶対にいいや、と思ったのも偽らざる感想である。
(おしまい)