定年を控え60歳から65歳までの間もらえる高年齢雇用継続基本給付金をなるだけ多くもらえるにはどうしたらいいか、という質問をたまに見かけます。
別記事にも書きましたが、簡略的に記事にしてみます。
要点は次の3つです。
- 5年以上の被保険者期間
- 60歳前賃金
- 到達前6カ月平均月額(a)
- 60歳以降賃金
- (a)の75%割り込むと給付金もらえ、61%で最高率
被保険者期間
まず、60歳定年時に被保険者期間が5年無いといけません。定年前5年間に転職して前職と現職の間でハロワのお世話になっていたり、その間の無職期間が1年以上あいていたら前職期間と通算しませんので現職5年無いと受けられませんが、65歳までに5年達すればその時から対象になります。
60歳前賃金
その60歳到達前の半年間、具体的には59歳の最後の6カ月(※1)をなるだけ働いて高い賃金を稼ぎだします。一応上限があり令和6年8月現在494,700円。しかも毎年8月に上限額の見直しがあり、ここ数年毎年約8千円の上昇をみているので、5倍足しこんだ54万円がひとつの目安でしょう。これ以上働いているなら目安額をキープ、達しない額ならなるだけ残業等して59歳最後の6カ月(※1)に稼ぎ出してください。なお、前項の5年の被保険者期間無い場合の最後の6か月は、60歳前の6か月でなく5年に達する前の6カ月になります。
60歳以降賃金
次に、60歳定年に達し契約見直しになるのでしょうから、前項で述べた6か月平均額(上限こえているなら上限額)の61%にあたる月給額契約を結びます。令和6年8月現在の上限額(494,700円)を例にすれば61%にあたる30万1767円あたりの契約をむすべばいいでしょう。そうすれば給付金最高率15%(※2)の45,265円(令和6年8月~7年7月)を毎月受給できるでしょう。上限に達しなくとも、60歳前6か月平均の61%契約をお結びください。ただ残業がみこまれるなら、61%を超えた額に応じ、給付金の減額を見ます。残業代、月割り通勤手当もみこんだ額を算出契約ください。
さいごに
お勤め先によっては自由にならない部分もあるでしょうが、押さえられる点を工夫してみてください。不明な点は厚労省サイトQ&Aをお読みになるか、各種相談サイトで質問たててください。最後に、別記事にもかきましたが、給付金0円となる稼ぐだけ稼ぐ働き方が、最高の手取り額になることを書き添えておきます。
※1:6か月平均の対象となるのは、60歳到達(誕生日の前日)前の最後の賃金締め日を基準に各月11日以上働いた月(ない場合は飛ばしての)6か月です。9月21日生まれの月末締めでお働きなら、59歳の3月から8月締めの賃金額となります。
※2:令和7年4月以降60歳に達する人は、給付率15%が10%となります。
(2024年9月21日投稿)