佐久市 ヤナギダ 趣味の店

長野県佐久市野沢93番地
ヤナギダ☎0267-62-0220

思い

2022-11-23 12:08:51 | 日記

人の心は川の流れのように留ま
ることを知らない。片思いはそ
の先がほしくなります。

自分の気持ちを伝えたいと思うよ
うになるばかりでなく、わかって
ほしいと望むようになるのです。

それは苦しくて、少しせつない。

けれどそんな感情も、心を育てる
素敵なレッスンになるのです。
片思いも相思相愛の恋も、見つめ
るのは相手ばかりではないのかも
しれません。

もしかしたら見つめている相手の
向こう側に、自分の心を見てしま
うのでしょう。

情熱という名前の刃を振りまわす
ように恋をしていた頃を過ぎると、
誰にも告げず、相手に何も告げな
いまま人を愛することができる
ようになるものです。

その人の家のそばを通ると思い
だし、電話で話す機会があれば
少しばかりどきどきしながら話
してる。

誰に嫉妬するわけでもなく、た
だただその人を思い、幸せであっ
て欲しいと願う。

そんなふうに誰かを想うことが
できたとき、私は自分が少し大人
になったと思いました。

そして、通り過ぎたいろいろな
出来事が、色あせることなくそれ
ぞれの時代で輝いていたことを
知ったのです。


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止まる時間、流れる時間

2022-11-23 12:05:51 | 日記

時計の刻む時間は、いつも決ま
った速度だけど、一日の長さや
一年の長さは、それを感じる心
によってさまざまだ。

時間の重みも、日によって変化
する。

“女男の雛目隠しされて
包まれて箱に一年

それぞれの刻“

お雛様といえば、男雛と
女雛が仲良く並んで飾ら
れている様子が、まず思い
浮かぶ。

が、よく考えて見ると両者は、
並んでいる時間よりもはるか
に長い「それぞれの刻」を、
暗い箱の中で過ごしている
のだ。

一年ぶりに取り出すお雛さま
は長い時間を暗黒で過ごした。
もしかしたら、その時間のほう
が、男雛女雛にとっては、真実
なのかも知れない。


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どう しても手に入らないもの

2022-11-23 12:03:03 | 日記

せつなさというのは不思議
な気持ちだと思う。

淋しさや悲しさのよにわか
りやすくはないし、言葉で
説明を求められてもはっき
り答えられないから困って
しまう。

それに人によって受けとめ
方もさまざまで、ある人は
淋しさによく似た気持ちか
もしれないし、

ある人にとっては悲しみの
ひとつの形になっているか
もしれない。

私は・・・・と言うと、こ
れが曖昧。

たとえば触れられそうで触
れられない、その指先と何
ものかの距離をせつなさと
呼ぶのかもしれない。

抱きしめているのに、どう
しても手に入らないもの。

ひとつになりたいのに、決
して体も心もひとつになれ
ないこと。

取り戻せない時間。なのに
昨日のことのように輝いて
いる出来事。そんなどうに
もならない何ものかとの隙
間が、とても愛しくて、とて
も素敵で、とてもとてもせつ
ない。

時の流れという縦糸といろん
な出来事や気持ちの横糸が描く
つづれ織り。

せつさなは言葉では表せない。
ただただ、心にしんと感じる
もの。

 


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「ひと房のぶどう」

2022-11-23 12:00:41 | 日記

果物屋の店先には かならず傷の
ついたリンゴがまじっています
同じ一房の葡萄のなかにも 一粒
か二粒の傷んだものがかならずあ


人生も同じことです

同じ日に同じ町で生まれても
すべて順調にいく人と 何をやって
もうまくいかない人とがある

ここにおさめた傷ついた果実たちを
運がわるかったと言うのは 当たって
いないでしょう

彼女たちは より深く人生を見つめ
その裏側にあるものまで見てしまった
のです

そして
そんな詩を見る人こそ
ほんとの友だちになれる人なのでは
なかろうか

 


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「蘇州夜曲」Ⅱ

2022-11-23 11:53:15 | 日記

あのひとの言葉を、ひとつ残らず
覚えていた。

優しい言葉も、熱のこもった言葉
も、さり気なく置かれたひとこと
も、ただの相槌でさえも。いいえ、
それは覚えていたのではなくて、

突き刺さっていたのだった。だ
からわたしの胸は、あんなにも、
痛かった。

 

 


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