人の世は“はかない”とい
う無常感は、
日本人の心に住みついて
いる。
『平家物語』の有名な冒頭
の一節
「祇園精舎の鐘の声、諸行
無常の響きあり。紗羅双樹
の花の色、盛者必衰の
理(ことわり)をあらわす。
」は、その最も美しい表現だ。
はかないというのは、消えて
なくなりやすい、もろくて
長つづきしない、という意味
だが、そのことを美しいもの
としてとらえるところに日本
人の心がある。
「行く水に数書くよりもはか
なき思わぬ人を思ふなりけり」
という古今集の歌にあるよう
に、何のかいもない無益
な恋に悩むことも高貴な人た
ちの多くが行ってきた。
桜の花を日本人が愛する
のは、その
美しさがはかないからだ。
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佐久市野沢93番地十二町
ケヤキの木の真向かい
アーケード十二町側
~ヤナギダ~