“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

人間の社会性

2012年12月16日 08時20分09秒 | 臼蔵の呟き

南極の氷、北極の氷

基礎講座「哲学」(木本元教授、須田朗教授監修)という本があります。その中で、「現在に生きる人間と哲学:人間の社会性」とういう章があります。その中で、以下のようなことが述べられています。

プラトンは、支配者(哲学者のこと)たちだけは、国家に有益な場合に限り外国や国民に偽りをいうべきだと。その典型的なケースとして、結婚と子供について述べている。彼(プラトン)には、「優れた素質を持ち主から優れた素質の子供が生まれるという優生学的発想」がありました。そこで、理想国家では、支配者についで軍人たちが重要な役割を担いますので、プラトンは優れた軍人の素質を持った子供たちをどう育成するかについて腐心しました。軍人(男、女ともにいた)は私有財産を持たず、家も食事も共同です。当然のこと、男女は互いに惹かれあい、やがては結ばれる。けれども男女の交わりは国家のためのもので無ければならない。そこでプラトンは統制することを提唱しました。

最も優れた男は、最も優れた女たちと、出来るだけしばしば交わらなければならない。最も劣った男たちと、最も劣った女たちは、その逆でなければならない。また、一方から生まれた子供たちは育てなければならない。他方(劣った)から生まれた子供たちは育ててはならない。―――そして全てこうしたことは、支配者たち自身以外には気づかれないように行われなければならない。

もし守護者(軍人である親)たちの群れが、出来るだけ仲間割れしないように取り計らおうとするならば、子供を手元におかせず、共通の保育所で保母たちに育てさせるように定め、誰が誰の子供であるか分からないようにする。優秀な子供たちを保育所に預け、劣った子供たちは闇に葬られる。子供を作る年齢も、体力、知力の最も充実した時期に限定されました。支配者たちがめあわせした以外の異性と関係した者、適齢期でないのにそうした者は、正義でないと罰せられました。

プラトンが「国家という全体が、全体の正義や幸福のために個人を自らのうちに吸収し、保護するとき、個人の独立性は制限され、時には命さえ無くすということ」―――プラトンは理想国家を描き「生まれつきの相違に由来する三階層=最下層:農民、工業従事者、商人、二番目:軍人階級、三番目が支配者、支配者とは哲学者」としています。そのそれぞれの階層が、節制、勇気、知恵、徳を備え、それぞれの仕事に忠実であるとき、国家は正義を実現し最も幸福な国家となり、それぞれの階層もまた幸福になれるとしました。

このような考え方は時代背景に関係していました。しかし、何千年後のナチスドイツの取った政策、軍事作戦には大きな影響を与えていたように感じます。
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